(『イスラム世界のこれが常識』から抜粋)
メッカはイスラームの第一の聖地であり、メディーナは第二の聖地である。
両聖地は、合わせて「アル=ハラマイン(二聖地)」と呼ばれる。
両聖地は、サウジアラビア国にあり、異教徒の立ち入りは禁じられている。
メッカは、預言者ムハンマドの生誕地で、イスラーム発祥の地である。
メッカには、常に世界中からムスリムが巡礼のために集まってくる。
イスラム世界の首都と見なされている。
メッカの中心には、聖モスク(ハラーム・モスク)があり、77万人を収容できる。
「ここでの礼拝は、10万倍の価値がある」とムハンマドは伝えている。
聖モスクの中央には、カーバ聖殿がある。
カーバ(カアバ)とは立方体の意味で、カーバ聖殿は15m×12m×10mの立方体である。
カーバ聖殿こそが、ムスリムの礼拝の方向(キブラ)である。
メッカの人口は、2004年時点で130万人。
住民の多くは、巡礼に関連した職業についている。
メッカの生活は、巡礼者によって支えられている。
メディーナは、ムハンマドが没した地であり、ムハンマドが10年間をすごした町である。
町の中心にある「預言者モスク」は、ムハンマドの住居兼モスクだった建物が原型である。
ここに、ムハンマドらの墓がある。
ムハンマドは亡くなった後、妻のアーイシャの部屋に埋葬された。
預言者モスクでの礼拝は、1000倍の価値があるとされる。
現在は43万人を収容できる。
メディーナの人口は、2004年時点で92万人。
ナツメヤシ栽培を仕事にしている者も多い。
ムハンマドは、メッカとメディーナを聖域と定め、狩猟や草木の伐採を禁じた。