(『イスラム世界のこれが常識』から抜粋)
アラビア語では、ひざまずき平伏する所を「マスジド」と言う。
このマスジドが、英語ではモスクとなったようだ。
モスクとは、イスラム教の礼拝所のことである。
モスクの入り口あるいは中庭には、泉や水槽がある。
ここで身を清めてから礼拝をする。
モスク内は、土足は禁じられている。
ムハンマドはメディーナに移住した後、町の中心部に自宅を建てて、その中庭で祈りを捧げた。
ここが、イスラム最初のモスクとなった。
ムハンマドはこの中庭で、礼拝の先頭に立ち、啓示を人々に伝え、裁判や行政を行ったという。
礼拝する方角は、事情により途中から、エルサレム→メッカのカーバ神殿に変更された。
イスラム軍団の大征服の過程では、各地にミスル(軍営都市)が建設された。
ミスルの中心部にはモスクが建てられ、政府の布告や裁判が行われ、さらに子弟の教育の場でもあったようだ。