(『誰にでもわかる中東』小山茂樹著から)
イスラム教では、「預言者ムハンマドが、メッカからメディーナへ移住・遷都(ヒジュラ)した時」をもって、暦の初めとする。
すなわち、622年7月16日が、イスラム暦の元年1月1日である。
イスラム暦は太陰暦であるため、太陽暦よりも1年が11日短い。
(『イスラム世界のこれが常識』から抜粋)
ムハンマドがメディーナに移住した事は、イスラームの大飛躍につながったため、イスラム史上では特別な意味を持っている。
そこで、第2代のカリフとなったウマルは、イスラム暦の紀元元年としてヒジュラを選んだ。
これを、『ヒジュラ暦』という。
ヒジュラ暦は、純粋な太陰暦である。
1ヵ月の日数は、29日または30日で、太陽暦に比べて1年の長さが11日短くなっている。
だから、太陽暦からすると暦は徐々にずれていく。
今日でも、中東のイスラム諸国では、ヒジュラ暦が太陽暦と併用されている。