タイトル現代中国の戦略思想

(以下は『文藝春秋 2026年4月号』垂(たるみ)秀夫の記事から抜粋
2026年11月3日に作成)

近代以降の中国の戦略は、「時間を味方にする」、「時間を操ること」を前提とした長期戦略である。

古代中国の兵法書『孫子』には、「戦争で百戦百勝するよりも、戦わずして相手を屈伏させるほうが最善である」とある。

孫子には「兵(戦争)は詭道なり」ともあり、戦争の核心は相手をどう騙すかだと説いている。

この考えは、今日の中国政府が重視する「三戦」、つまり興論戦、心理戦、法律戦にそのまま通じる。

中国政府の外交は、世論工作、情報発信、法的主張で相手の立場をじわじわと不利に追い込んでいく。

孫子の観点からすれば、正面衝突の武力侵攻は下策である。

軍事侵攻がいつ起こるかだけに着目していると、認知戦や法律戦や分断工作を見落としやすい。

2025年11月に高市早苗・首相が「台湾有事は日本の存危機事態になり得る」と国会答弁した後、中国政府は国際世論への働きかけをした。

「日本の動きは戦後の秩序を揺るがしかねない」とトランプ大統領に伝え、欧州や中央アジアの国々にも「日本の軍国主義の復活」と積極的に発信した。


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