銀河や超銀河団について

(『Newton 2014年12月号』から抜粋)

銀河は、密集して集団をつくり、さらにそれが連なって編み目のような大規模な構造をつくっている。

私たちが住む天の川銀河は、「おとめ座超銀河団」の一員である事が分かっている。

ハワイ大学のタリー博士らは、天の川銀河の周辺にある8000個の銀河の運動を調べた。

すると、個々の銀河は特異な運動をしている事が分かった。

銀河たちは、ある広大な領域内を運動しており、巨大な超銀河団を形づくっている事が判明したのである。

おとめ座超銀河団は、直径5億光年の巨大な超銀河団に属しており、はずれに位置しているという。

この直径5億光年の超銀河団は、ハワイ語で「広大な天国」を意味する「ラニアケア」と命名された。

(2015年5月24日に作成)

(以下は『Newton 2021年8月号』から抜粋)

渦巻きの銀河は、宇宙の歴史をさかのぼると(地球から遠くの宇宙を観測するほど)少ない。

今回、大学院生の津久井崇史らがアルマ望遠鏡のデータから、124億年前の渦巻き銀河を発見した。

これまでの最古は114億年前のものであった。

宇宙の誕生から約14億年という短期で、渦巻き構造(渦巻き銀河)がどうやって形成されたのかは、大きな謎だ。

現在では、多くの天文学者は実際に星を見上げて自らが観測することはなく、各地の天文台のデータを解析することで研究を進めている。

アンドロメダ銀河は、地球のある天の川銀河から250万光年はなれた、隣りの銀河である。

この2つの銀河は、お互いの重力で引き合っており、45億年後には衝突して合体すると考えられている。

ただし、星と星とは非常に離れているので、銀河が衝突しても星同士が衝突する確率は低いだろう。

宇宙にある銀河たちは、ランダムに分布しているのではなく、お互いの重力で集まって「銀河団」や「超銀河団」をつくっている。

銀河の位置を調べた結果、銀河は網目のような構造を作っていると分かり、これを『宇宙の大規模構造』と言う。

ほとんど銀河は、その中心部に、太陽の数百万~数億倍の質量の「ブラックホール」が存在している。

銀河の中心にある特大のブラックホールでは、大量の物質がそこに落ち込むと、ブラックホールの周囲に「降着円盤」というガス円盤ができる。

このガス円盤は速く回転するため、ガスが摩擦で加熱され、X線などを放射してもの凄い明るさで輝く。

このような銀河中心核を、「クェーサー」と呼ぶ。

地球に一番近いブラックホールは、ぼうえんきょう座の方向に約1120光年行った所にある「HR 6819」である。

2019年の観測で、この星は3重連星だと分かり、3つの星の1つが太陽の5倍の質量のブラックホールと考えられている。
ただしブラックホールでない可能性もある。

宇宙では、3つの恒星から成る「3重連星」が珍しくない。

太陽から最も近い恒星である、ケンタウルス座のアルファ星も3重連星である。

一般相対性理論では、ブラックホールとは逆の「ホワイトホール」が存在する可能性がある。

しかし、ホワイトホールが天体として存在すると考える科学者は少ない。

(2022年5月2日に作成、8月4日に加筆)


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