火星の探査のまとめ記事

(『Newton 2021年8月号』から抜粋)

NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」の装置「MOXIE」は、二酸化炭素から酸素をつくり出す装置だ。

これは、トースター・サイズの大きさで、取り込んだ火星の大気を800℃まで加熱して、ニッケル合金の触媒と反応させて、二酸化炭素を酸素と一酸化炭素に分解する。

補足すると、火星の大気は二酸化炭素が多い。

「MOXIE」を使って、5gの酸素をつくって貯めるのに成功した。これは人が10分間の呼吸ができる量だ。

「MOXIE」は、1時間で最大10gの酸素をつくれるという。

中国は、2011年にロシアのロケットに相乗りする形で、ロシアの探査機と共に「蛍火1号」で火星を目指した。

しかしロケットのトラブルで失敗に終わった。

2020年7月に、中国は「天問1号」を打ち上げて、2021年2月に火星の周回軌道に入った。

天問1号には、火星に着陸する機体が積んであり、着陸機は軟着陸に成功した。

これまで火星に軟着陸させたのは、アメリカとソ連だけであった。

着陸機には、探査用の車「祝融号」が積んであり、無事に火星の表面に降り立った。

祝融号は240kgの六輪車で、最高速度は時速200mだ。

NASAの探査車のように原子力電池は積まず、4枚のソーラー・パネルで電力を得る。

祝融号は240kgの六輪車で、最高速度は時速200mだ。

NASAの探査車のように原子力電池は積まず、4枚のソーラー・パネルで電力を得る。

カメラやレーダーなど6個の観測機器を搭載しており、天問1号と連携して探査を行う。
(土壌などの)サンプル取得の機能は付いていない。

なお、祝融号の降り立ったユートピア平原は、NASAの探査で地下に豊富な水の氷があると確認されている所だ。

かつて、ソ連の3機の火星探査機は、いずれも短時間で交信不能になった。

だから中国の祝融号による火星表面の探査は、アメリカに次いで世界で2番目となる。

中国は「嫦娥計画」で、2020年に月への軟着陸に成功し、サンプルを持ち帰るのにも成功した。

また、人の宇宙飛行を目的とした「神舟計画」もスタートさせていて、2016年までに10名を超える宇宙飛行士を地球の周回軌道へ送り出している。

さらに2021年には中国版の宇宙ステーションである「天和」が、地球の周回軌道に打ち上げられた。

中国の宇宙技術は、すでに世界屈指である。

(2022年5月2日に作成)


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