(以下は『Newton 2021年11月号』から抜粋)
月面の縦穴を最初に発見したのは、日本の月周回の人工衛星「かぐや」であった。
2009年に、嵐の大洋内のマリウス丘で、直径50mのものを見つけた。
(※まず間違いなく、それ以前に米ソの人工衛星がいくつも縦穴を見つけていたでしょう。しかし発表しなかったのです。)
穴の深さは50m以上と推測される。
かぐやはさらに、静かの海と賢者の海にも、直径100m以上の縦穴を見つけた。
その後、NASAのルナー・リコネサンス・オービターが、さらに7つの縦穴を見つけた。
それらの直径は20~200mである。
マリウスの丘、静かの海、賢者の海の縦穴は、穴の底から横方向に空間が広がっているのが、すでに確認されている。
これらの縦穴は、隕石の衝突でつくられるクレーターとは、明らかに異なる。
地下に造られた「溶岩チューブ」の天井を、隕石が貫通するなどして出来たと考えらえれる。
溶岩チューブとは、溶岩が流れてできる、チューブ状の空洞である。
富士山やハワイのキラウェア山などに見られる。
大地震も流水もない月では、溶岩チューブが堅固に保たれると思われ、溶岩チューブは月面基地の候補地となっている。
(※月面に宇宙人の基地があるとの説が、アポロ計画の頃からありました。
縦穴や空洞の構造がある事は、かぐやの発見のずっと前から、NASAの出した写真やデータを見て専門家は語ってました。
そして宇宙人基地の入口かもと言われてました。)
マリウス丘の縦穴の周辺は、溶岩チューブに古代の溶岩が固まって残っていると思われ、それを調べれば月の歴史を解明できるかもしれない。
2021年7月に中国とロシアは、『共同で月面基地の建設をする計画』を発表した。
基地の候補地を3つ挙げたが、その1つがマリウス丘である。
月面の暗く見える部分は「海」と呼ばれるが、地球から見るとうさぎに見える海は、大きな天体が衝突してクレーターができ、噴き出てきた溶岩がクレーターを埋めて出来たと考えられてきた。
ところが再考を求めるデータを、NASAの重力場探査機「グレイル」が観測した。
海を取り囲むような構造が見つかり、この構造に沿ってかつて溶岩が噴出したと思われる。
そしてこの構造は、天体衝突でできる円や楕円の形ではなく、多角形をしている。
どうやってこの構造が出来たのは、謎である。
2020年4月に、USGS(アメリカ地質調査所)は月面全体の地質図を公開した。
それは、地質によって48種に色分けされている。
図を見ると、外見が同じ様なクレーターでも、地質が異なると分かる。
また、探査機かぐやのデータから、8億年前ごろに集中的に隕石が降って、多くのクレーターができたと分かった。
(以下は『ITmedia NEWS』2017年10月18日の記事「月の地下に巨大空洞」から抜粋)
JAXAは2017年10月18日に、「月の地下に巨大な空洞があると、国際研究チームの調査で分かった」と発表した。
日本の月探査用の人工衛星「かぐや」で得たデータを解析することで判明した。
その地下空洞は、幅は数十m~150mで、長さは50kmにもなるという。
その溶岩チューブの内部は、放射線などの影響を避けられるため、月面基地の建設地として期待できる。
(※すでに地球人以外の基地が建設されている可能性も、否定はできない)
2009年に「かぐや」は、直径と深さが50mの縦穴をマリウス丘で見つけた。
さらにアメリカのルナー・リコネサンス・オービターにより、その縦穴の底には数十m以上の空間があると確認された。
かぐやには、電波で月の地下構造を調べる、「月レーダサウンダー」が搭載されていた。
これを使うことで、マリウス丘の縦穴の付近に、地下空洞と空洞の床を示す特徴が見つかった。
この場所は、アメリカの探査機「グレイル」の重力場データでも、質量の密度が低いと分かった。
そのため、この地域に地下空洞があるのは確実との結論になった。
前述のとおり、この空洞は幅は数十m~150mで、長さは50kmにもなる。
「都市レベルの基地を造れる」と見られている。
(2022年8月7日に作成)