(以下は『ニュートン 2014年7月号』から抜粋)
恒星の内部では、『核融合反応』が起きている。
これは、原子核と原子核が融合して、異なる元素の原子核を生み出す反応である。
恒星は、「巨大な元素合成の装置」とも言えるのだ。
質量の軽い恒星(太陽はこれに該当する)では、ゆっくりと核融合が進むため、寿命は長くなる。
質量が太陽の0.5~8倍の場合、水素からヘリウムが合成され、さらに炭素と酸素が合成されて寿命を迎える。
(太陽の5倍の質量の場合、寿命は数億年)
このクラスの恒星は、寿命を迎えると穏やかに外側の層を放出して、元素を宇宙空間へ解き放つ。
質量が太陽の8倍以上だと、恒星の内部ではネオンやマグネシウムまで合成される。
10倍以上だと、ケイ素や鉄も合成される。
10倍の場合、寿命は数千万年である。
こうした重い恒星は、寿命を迎えると『超新星爆発』を起こして、元素を宇宙空間へ放出する。
鉄よりも重い元素は、超新星爆発の際に合成されると考えられている。
(2014年9月11日に作成)
(以下は『ディスカバリー・チャンネルの番組』から抜粋
2011年4月24日にノートにとり勉強した)
恒星の誕生は宇宙の真暗な部分で行われるので、長らく謎だった。
宇宙の物質(※人間に見えるもの)は、全て恒星から作られたものだ。
これまで見つかった最大の恒星は、大犬座V矮星で、太陽の10億倍!と見られている。
ちなみに太陽でも地球が100万個入る大きさだ。
恒星ベテルギウスの光は、地球に届くまで500年かかっている。
今見えている光は500年前のものだ。
🔵恒星の生まれ方
恒星の誕生の仕方はみな同じで、星雲のチリとガスから生まれる。
恒星の誕生初期は、水素が引力で集まり押しつけられることで熱を生む。
水素ガスが熱くなる。
何十万年もかけてチリ・ガスは円盤化する。
やがて、ガスのジェットが中心から吹き出す。これは何光年も先まで行く。
さらに50万年かけてどんどん明るくなり、熱くなる。
そして中心で核融合が始まる。
こうして恒星が誕生する。
2003年にNASAはスピッチャー宇宙望遠鏡を打ち上げて、赤外線での観測をした。
熱を探査することで星の誕生を観測できる。
🔵核融合
科学者のアインシュタインは、恒星が原子の中のエネルギーを使って巨大なエネルギーを作っているのを発見・証明した。
彼は、原子の一つ一つ自体が凝縮したエネルギーだと示した。
そして原子同士が激しく衝突すると、そのエネルギーが解き放たれると示した。
これが核融合である。
なお、原子のエネルギーを解き放つ技術が開発されたことで、原子爆弾が生まれた。
水素原子は、通常だと反発し合い、衝突しない。
3億度に熱すると衝突することが実証されている。
温度が高く上昇すると原子の動きが活発化し、反発する力を打ち消してしまう。
水素は衝突するとヘリウムへ変質し、少し質量が減る。
その失われた質量が、エネルギーに変換されるのだ。
このエネルギーは毎秒核爆弾10億個に相当する。
恒星は巨大な水素爆弾といえる。
吹き飛ばないのは重力が外側の層を引き付けているからで、爆発力と重力が常に緊張状態にある。
太陽では毎秒6億トンの水素が核融合しており、 あと70億年で水素がなくなる計算だ。
核融合が減ると表面の温度が上昇し、膨張する。そうして太陽は大きくなる。
水素がなくなると、今度はヘリウムを融合させて炭素を作り出す。
そうなると内部崩壊し始め、エネルギーを吹き出して外側の層を吹き飛ばしてしまう。
太陽はゆっくりと崩壊し、残るのは中心の青白い中心核だけとなる。これが白色矮星だ。
白色矮星は恒星の死んだ状態で、核融合はもう起こらない。
ちなみに白色矮星は高密度の炭素の固まりで、ダイヤモンドのようなものと思われる。
🔵超新星爆発
超巨大な恒星は、寿命が短くて、劇的な最後となる。
恒星ベテルギウスは、まだ数百万年の年令だが質量は太陽の20倍もあり、核融合で次々と重い元素を作り出している。
鉄が作られた瞬間に、鉄はエネルギーを吸収するため崩壊してしまう。
鉄は熱では核融合しないため中心核でエネルギーが生まれず、その恒星は重力に負けてしまう。
重力でどんどん圧縮され、ついには星全体が吹き飛ぶ。
これが超新星爆発である。
超新星爆発は、鉄が作られて数秒で発生する。
超新星爆発は、数秒間に太陽の一生分以上のエネルギーを生み出す。
この爆発では、金などの鉄よりも重い物質も作られる。
金などは、超新星爆発の時にしか作られないため、宇宙に少量しか存在しないのだ。
これらは宇宙空間に放出され、やがて星の一部となる。
全ての元素を作り出せるのは超新星爆発だけである。
つまり超新星爆発で、全ての生命は作られる。
人間の体の原子も、全て恒星の中心核から作られたものだ。人間は星の子なのである。
太陽も超新星爆発から作られたもので、3~4世代目の恒星である。
宇宙に存在する水素には限りがあり数兆年先には使い果たされると予想されている。
そうなると新しい恒星はもう誕生せず、宇宙はやがて真暗で冷たくなってしまうだろう。
かつては超新星爆発の後に何も残らないと考えられていた。
だが中性子星という物体が残ることが判明した。
これは全体が中性子で出来ており、直径20~30kmだが超重い。
(2025年6月19日に作成)