タイトルアメリカの皆さん、二大政党制から卒業して、多党制に移行しよう
(2014.12.4.)

アメリカでは、もう長いこと『二大政党制』が続いています。

これについては、「政権交代が頻繁に起きるから、民主的な政治になる」と解説する人がいます。

(小沢一郎さんなんて、その代表でしょう)

しかし、私はアメリカ政治を観察してきて、『むしろ弊害の方が大きい』と感じています。

というのも、二大政党の他に選択肢がないため、両党に不満がある人々の受け皿が無く、「泣く泣くどちらかに投票している状態」の人が多いからです。

先月に(2014年11月に)アメリカでは、国政選挙の中間選挙がありました。

オバマ大統領の政治に不満を持つ人が多いため、共和党が大勝しました。

しかし、世論調査ではなんと90%近い国民が、『民主党と共和党の国民不在の政争にうんざりしている。何とかしてほしい。』と答えているのです。

多くの有権者が、「共和党はぜんぜん評価していないが、(民主党の)オバマ大統領を支持しないので共和党に入れた」と言っています。

はっきり言って、アメリカ国民の考えと願いは、現在の選挙ではほとんど汲み取れていません。

アメリカ政治の大問題の1つは、『政府の高官は、大統領が民主党の時でも共和党の時でも、同じ学閥や同じグループから選ばれる場合が多いこと』です。

アメリカ連邦政府の高官の前経歴を見ると、「××大学」「○○銀行」「○○会社」「陸軍・海軍」「△△シンクタンク」と、特定の肩書きが目に付きます。

つまり、限られた範囲からしか政権スタッフが選ばれません。

ここが変わらないので、政治に変革が起きないのです。

多くの人は、「大統領が変われば、政治は大きく変わる」と考えています。

しかし、共和党でも民主党でも、大統領が変わってもスタッフの顔ぶれはあまり変わらない事が多いです。

例えば、ニクソン政権でスタッフをしていたドナルド・ラムズフェルドなんて、ニクソン→レーガン→息子ブッシュと、ずっと共和党大統領の下で働いていきました。

それに、『選挙にもの凄くカネがかかるので、立候補者が献金をあてにし、結果的には献金額の多い大企業の言いなりになる政治家が多い』です。

アメリカの大統領選挙は、どんどんカネがかかるようになってきており、異常な状態です。

規制をかけた方が、公平・平等な選挙になると思うんですけどねー。

さらに、『二大政党を脅かす存在が無いので、民主党も共和党も本気で国民に向き合いません』。

アメリカは競争社会と言われていますが、政治に関しては明らかに競争が少ないです。

二つしか政党が無い状態なので、「基本は相手を中傷して、後は相手のミスを待って激しく叩く」という低レベルの政治になっています。

こうした状況なので、政権交代しても国民と乖離した政治になりがちで、国民の要望も無視されてしまうのです。

アメリカでは、2つの党で固定化されているので、政治に新陳代謝が起きず、政治腐敗がひどい状態です。

国民は不満だらけなのですが、それを汲み取る政党がありません。

このようなアメリカの現実を直視すると、二大政党制には疑問を持たざるを得ません。

一方、先進的な政治を行い経済も好調なドイツは、多党制(連立制)の状態です。

私が思うに、良い政治を行っている国は、右派と左派が一緒になって連立政権を組んでいることが多いです。

日本でも、左派が入った連立内閣の時のほうが、少数者や弱者の要望が実現しているし、民主的な政治が行われています。

冷静に見つめると、『多党制を基盤にして、連立政権で政治を行うこと』が、民主的な政治に繋がると気付きます。

連立政権は、話し合いで妥協点を探すのが基本になり、時間はかかります。

でも最終的には、独善性の少ない良識的な結論にたどり着けるのです。

時間がかかると、「決められない政治」と揶揄する人が居ますが、何千万~何億人の国民の将来を決めるのに、少数の人が短期で決めるのはおかしいですよ。

多くの人が参画して、時間をかけて決める方が、(短期的には損をしているように見えても)政治にとってプラスです。

そもそも、二大政党制はアメリカにふさわしいのでしょうか。

この事については、「それがアメリカの歴史的な伝統である」とか「二大政党制が一番すぐれている」といった誤解があると思います。

後者の誤解については、すでに詳述しましたね。

アメリカ史については、「ずっとシンプルな二大政党制が続いている」と考えている人が、とても多いです。

でも、これは違います。

アメリカ史を見ると、労働者の党や、社会主義の党が、かなりの勢力を持った時期があるのです。

それに、民主党が分裂して3つの勢力で争った事もあります。

けっこう紆余曲折がありました。

私は、二大政党制がアメリカの良き伝統とは、まったく思いません。

アメリカの魅力は(良き伝統は)、「自由と平等を強烈に求める理想主義者が多いこと」と、「新しいチャレンジに積極的に取り組む勇気」だと思います。

これを考えると、問題があるならそれを変えていく方が、アメリカらしいです。

アメリカ人は、新しい政党に、積極的に支持を表明すべきですよ。

それでこそ、アメリカです。

「投票したい党がないので、困ってしまう。仕方ないので、共和党に入れてしまった。」

こんなのは、恥ずべき状態ですよ。

それでいて「世界一の民主国家だ」なんて自慢しているのは、アホそのものです。

もっと気概や勇気を見せてほしいです。

最近のアメリカは、実状を知れば知るほど、「痛々しい国」と感じます。

こんな惨状にあるのに、なぜ立ち上がらないのか。

「バカやろう! もっと気概を見せろ!

お前らは、アメリカ人だろ!

世界の手本となるような、素晴らしい国を創るんじゃないのか!

大企業の奴隷で一生を終えたり、不安定雇用で搾取され続けて、それでいいのか?

独立心や反骨心は、どこに行ったんだよ?」と思います。

アメリカは二大政党制に固執する必要は全然なく、むしろそこから脱却・卒業したほうがアメリカらしいです。

特権階級になっている、議員連中とその取り巻き、大企業の経営者と役員、株主として企業を支配しているロックフェラーなどの財閥。

これらとオサラバするためにも、新しい政党を立ち上げて、それを育てるべきです。

アメリカは、一介の市民が大統領になれるところが魅力なのですから、政党や議員も学歴や経歴にこだわらずに選べばいいです。

新しい党を誕生させましょう!

現在の二大政党の腐敗ぶりと無能ぶりを見れば、市民と共に立ち上がれば勝算はあると思います。

アメリカのメディアは大企業の支配下にあるので、インターネットを中心に活動するのがベストでしょう。

共和党なんて、弱者切り捨てだし、独善的だし、軍事産業と結託しているし、なぜ票を入れる人がいるのか不思議ですよ。

アメリカのテレビ・メディアは、プロパガンダの固まりですから、流されてしまうのでしょう。

選挙の時に洪水のように流される「対立候補をけなして非難するCM」は、日本から眺めていても異常で気持ち悪いです。

あれは、理性と知性を疑われるレベルですよ。


NEXT【次のページ】に進む

BACK【前のページ】に戻る

目次【私の提案】 目次に戻る

home【サイトのトップページ】に行く