アメリカの現状 惨憺たるもの③

(『すばらしきアメリカ帝国』から抜粋)

チョムスキー

アメリカ政治の特質は、人々を孤立させることであり続けてきました。

労働組合が前進しようとすると、潰しにかかる動きが繰り返されてきました。

質問者

ミズーリ州とインディアナ州は最近、公務員の団体交渉権を撤廃しましたね。

チョムスキー

連邦政府も、ほぼ同じ事を行ってきました。

息子ブッシュ政権は、18万人もの公務員から団結権を剥奪しました。

組合を結成したら、仕事の効率が落ちるのでしょうか?

いいえ、違います。単に富裕層のためにならないだけです。

私は、アメリカがブラジルくらいに民主化できたなら、それは前進だと思います。

大衆運動の活発なブラジルでは、人々は自分たちと同じ階層から大統領を選出できました。

ルラ大統領は、元鉄鋼作業員です。

こんな事は、アメリカでは考えられません。

アメリカでは、イェール大学を卒業した2人の金持ち坊やのいずれかに投票するのです。

(オバマが大統領になったので、状況はかなり改善していると言えますねー)

ハイチでは1990年に、民主的な選挙が行われました。

スラムの住民が団結し、自分たちの候補者を当選させたのです。

皆が度肝を抜かれ、91年にはアメリカは軍事クーデターを支援して、民主的政府を転覆させました。

(2014.7.13.)


『民主主義vs国家・多国籍企業・プロパガンダ』 の目次に戻る

『世界情勢の勉強』 トップページへ戻る

サイトのトップページへ行く