裁判結果を大手メディアは無視する

(『大がかりな嘘』マーク・レーン著から抜粋)

ハント対リバティ・ロビー裁判の結果は、ケネディ暗殺事件の調査を再開する機会にできたはずだ。

だが1980年代を通じて、大手メディアはこの問題を放置した。

ニューヨーク・タイムズは1988年11月20日付の日曜版で、デーヴィッド・ベリンの記事を載せたが、ベリンは「CIAの手は汚れていないし、ウォーレン委員会の調査結果を信じるのが我々の義務である」と主張した。

ワシントン・ポストも、83年11月20日付の「オズワルドは単独犯だったか」との記事で、「今となっては真実を発見できない。事件直後でさえすべての真実を突き止めるのは困難だっただろう」と結論している。

CBSのウォルター・クロンカイトは、かつて欺瞞だらけの特別番組でウォーレン委員会の報告の正しさを証明しようとした事がある。

その彼が、今では引退した身なのに、教育番組「ノバ」に出演し、「我々がケネディ暗殺の真相を知ることはあり得ないかも」と語った。

大手メディアが、色あせたオズワルド単独犯行説に代わって持ち出したのが、「もう知ることはできない」式のお説教である。

本書を出版してくれるところを探すのは大変だったが、映画監督のオリバー・ストーンが「ケネディ暗殺を取り上げた大作を作る」(映画『JFK』のこと)と発表すると、その苦労もなくなった。

ワシントン・ポストは、1991年5月19日付のアウトルック欄で、撮影が始まったばかりのストーン作『JFK』を嘲笑した。

ストーンと原作者のジム・ギャリソンをこきおろしたのだ。

『JFK』のクレジットが示すように、脚本を書いたのはドルトン・トランボである。

ドナルド・フリードと私も脚本作りに最初は協力したが、間もなくハリウッドでは真実性よりも娯楽性が優先されると分かり手を引いた。

『JFK』の脚本は、全体としては正確で、歴史的な貢献ができるはずであった。

しかしストーンは、メディアに叩かれた後、「脚本を書き直した」と発表した。
そして歴史よりも興行成績に奉仕するものとなった。

(2019年1月25日に作成)


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