CIA、亡命キューバ人の過激派、アメリカ・マフィアは、
JFKの暗殺を決意する

(『ケネディ暗殺』ロバート・モロー著から抜粋)

ケネディ政権が反カストロの活動を妨害し続けるため、亡命キューバ人の好戦的なメンバーはケネディ大統領を殺そうと企てた。

そして、この目的のためにアメリカ・マフィアと手を結んだ。

亡命キューバ人たちは、ケネディ兄弟を裏切り者と見ていた。

ケネディは1960年の大統領選挙の時に、亡命キューバ人から支持を得るために、「当選したら、亡命キューバ人の組織を支持して補助金を出す」と約束していた。

ところが、当選してしばらくすると、カストロのキューバと和解してしまった。

マフィアのボスであるカルロス・マルセロは、1963年4月にJFK暗殺のコントラクト(契約)を出した。

マルセロは、ロバート・ケネディの指示でグアテマラに強制移送されたので、ケネディ兄弟に対して憎悪をむき出しにしていた。

亡命キューバ人は、暗殺契約を履行することで、反カストロ活動の資金を調達できると考えた。

ローランド・マスフェラーは、マリオ・ガルシア・コーリーのマイアミ・グループとキューバ人マフィアの傭兵の、財政的パイプ役を果たした。

マルセロは、ガイ・バニスターとデイブ・フェリーに、ルイジアナ州ポンチャトレイン湖畔にいるコーリーのグループを手助けさせた。

コーリー配下のデル・バレは、この2つのグループの連絡役だった。

このネットワークは、ピッグズ湾侵攻の時に構築され、そのまま残っていた。

カルロス・マルセロは、デイブ・フェリーとガイ・バニスターに、ケネディ暗殺計画の立案と実行を依頼した。

フェリーの組織をまとめる才能と、複雑な作戦を計画する能力は、他に並ぶ者はなかった。

フェリーの計画は、「亡命キューバ人の焦り」と「カストロを操ること」がポイントになっていた。

カストロ殺害を企てて失敗すれば、カストロはアメリカ政府に復讐しようとする。

その後にJFKを殺せば、怒りに燃えているカストロの仕業に見せかけられる。

カストロがJFKを殺したと思わせれば、アメリカ国民はキューバ侵攻を要求するだろう。

こうして、マフィアと亡命キューバ人の目的が同時に果たされるのである。

カストロ殺害の企ては、サントス・トラフィカンテがシナリオを書いた。

彼はダブル・スパイとして行動し、第三者を通して「CIAがケネディ大統領の指示の下で、再度カストロの暗殺を企てる」と、カストロに警告することにした。

トラフィカンテは、犠牲にしてよい2名の部下を選び、暗殺者としてキューバに向かわせた。

この2名には、CIAのために働いていると信じさせ、CIAのものと確認できる暗殺道具を持たせる。

カストロに捕らえられて拷問にかけられた2名は、CIAに雇われたと告白し、カストロはケネディへの復讐を発表するというシナリオだ。

この計画は上手くいき、1963年9月7日にカストロは、「キューバ指導者を暗殺するテロ計画を、アメリカが支援した。これが続けられれば、アメリカの指導者は生命の危険に晒される。」と警告を発した。

このカストロ暗殺未遂の作戦は、トラフィカンテの下でトニー・ベロナがコーディネートした。

ベロナは、暗殺チームにCIAの自決用ピルを渡した。

拘束された時に、CIAが支給したピルと高性能ライフルを所持していたため、カストロはアメリカ政府が暗殺計画に関与していると結論を出した。

カストロに暗殺計画を漏らすのは、カルロス・ガルシア・ボンゴというキューバ人弁護士を介して行われた。

サントス・トラフィカンテは、JFK暗殺の実行者を探すのも担当した。

JFKの処刑は、CIAが支援する亡命キューバ人と、マイアミとニューオーリンズの傭兵集団から、実行者が選ばれた。

この暗殺は、単独の殺し屋のしわざに見せかけるのが理想だった。

デイブ・フェリーは、単独の殺し屋の役割に、オズワルドを推薦した。

トラフィカンテは、キューバ人傭兵のローランド・マスフェラーを、暗殺の支援者として選んだ。

マスフェラーは、暗殺チームの間の調整役となった。

暗殺チームの1つには、ジョン・マイケル・マーツが居た。

(2016年4月8日に作成)


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