(『決定版二〇三九年の真実』落合信彦著から抜粋)
ウォレン委員会の顔ぶれは、次の7人だ。
アール・ウォレン
最高裁の長官。元カリフォルニア州知事。
最高裁の中でも最もリベラルな判事として名を売った。
ジェラルド・フォード
下院議員(共和党 ミシガン州選出)。のちに大統領になる。
下院でCIAのベストフレンドと評判だった。
リチャード・ラッセル
上院議員(民主党 ジョージア州選出)。
上院の軍事予算委員会の委員長をつとめた。
1970年1月19日付のワシントン・ポスト紙で、ケネディ暗殺が陰謀であったと匂わせた。
ジョン・マクロイ
元OSS幹部。ロックフェラー財団の理事。
チェース・マンハッタン銀行の会長。ユナイテッド・フルーツ社の理事。
ユナイテッド・フルーツ社はロックフェラー系の多国籍企業である。
アレン・ダレス
前CIA長官。
ケネディ大統領によってCIA長官を辞職させられた人。
ジョン・シャーマン・クーパー
上院議員(共和党 ケンタッキー州選出)。
ヘイル・ボッグズ
下院議員(民主党 ルイジアナ州選出)。民主党の院内総務。
最後までウォレン委員会の結論に疑問を抱いていた。
ジョンソン新大統領がこの委員会の設置を命じた第一の理由は、ケネディ暗殺に関する噂を抹殺することにあった。
公開された委員会のメモには、「ある噂では、暗殺はジョンソン大統領の実現を欲していた政府内の一部の人達によって遂行されたとまで報じられている」とある。
ジョンソンが首謀者だという説では、『事件が彼の本拠地のテキサスで起こったこと』『飛行機の中で宣誓して、異例の速さで後継の大統領に就任したこと』が証拠として挙げられる。
だがジョンソンが黒幕ならば、自分が疑われるのを極力さける努力をするはずだ。
本拠地での計画・実行はしないだろう。
暗殺に関する噂を止めなければ、翌64年にある大統領選挙で不利になることを、ジョンソンは憂慮した。
委員会のメンバー達にも、真実を追求する気持ちはなかった。
委員会の極秘メモは、それを明言している。
「我々の目的は、事実の解明ではなく、オズワルドが単独で犯行をしたという仮定の結論に肉づけをする事にある」
(委員会顧問ノーマン・レドリックから首席顧問リー・ランキンへのメモ)
彼らが真実を破壊した事は、同時に『綿密な計画の上に行われるなら、暗殺は成功すること』を証明してしまった。
全くでたらめな結論を出したことで、5年後のキング牧師暗殺や、ロバート・ケネディ暗殺、ジョージ・ウォラス暗殺未遂事件の遠因をつくってしまったのである。
(2017年4月4日に作成)