(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)
『ギルデッド・エイジ(金メッキの時代)』は、1870~80年代を現す言葉として定着している。
この時代は、経済利益が中心の時代であった。
共和党は理想の旗を下ろし、利益に奉仕する党になっていた。
鉄鋼業で巨万の富を築いたアンドリュー・カーネギーは、論文の中で「富は社会に還元しなければならない」と述べて、自ら実践した。
これに金持ち達は共鳴し、彼らによって多くの大学が設立され、施設も作られた。
このような行動で、彼らは富を独占する事の正当性を信じることが出来た。
この時代には、『社会進化論』が流行した。
この社会思想は、ハーバード・スペンサーが提唱したもので、「ダーウィンの進化論を、人間社会にも適用した」思想である。
「自然界と同じく、人間社会も競争を通じて進化するので、敗者も進歩のためには必要である」という考え方をする。
この考え方から、「政府による経済への介入を抑制すること」や、「経済の自由放任主義」が出てきた。
(2012.12.25.)