(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)
ギルデッド・エイジの経済利益至上主義には、批判も当然あった。
最も大きな影響を与えたのは、ヘンリー・ジョージの著作『進歩と貧困』である。
この本は、200万部も読まれるベストセラーとなった。
ヘンリー・ジョージは、ニューヨークを訪問時に貧富の差に驚いた。
彼は、地価の高騰が原因だと考えた。
そして、「地主は働かずに発展の成果を、地価の上昇によって得ている。だから土地への課税で、その不労利益を社会還元させるべきだ」と説いた。
この頃のアメリカには、土地への課税は無かった。
(今の世界では、土地への課税は常識だが、こういう経緯があったのである)
ヘンリー・ジョージは他にも、公益事業の公営化を唱えた。
また、レスター・ウォードは多くの著作で、「進化の過程は自然界と人間社会では異なり、理性などで変えられる。文明とは、そのような力の産物だ」と論じた。
そして、「全員の幸福を目指すべきであり、それには政府の計画的な行政が必要だ」と説いた。
(2012.12.27.)