(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)
アメリカの人口は、1860年~1900年の間に、倍増した。
そして人口の半数は、人口100万人以上の大都市に住むようになった。
1840年には4千人だったシカゴは、1890年には100万人を超えた。
工業は都市に集中して、都市の面積は3~4倍に拡大した。
それを可能にしたのは、交通の革新だった。
交通分野では、1850年代から鉄道馬車が普及し、ケーブルカーも73年にスタートした。
さらに、市街電車が急速に普及した。
馬車は、1900年までにほぼ消滅した。
1879年には高架鉄道、97年には地下鉄もスタートした。
(※進化の早さに驚かされる)
技術の進歩により、鋼材と耐久ガラス板の大量生産が可能となった。
これにより、建物の高層化がスタートし、橋も多く架けられた。
電話の普及も進み、1900年には150万台に達した。
白熱灯の発明により、1880年代からは街路や家庭に電気照明がもたらされた。
80年代には、エレベーターも生まれた。
都市開発を私企業が行ったため、公害汚染が深刻となっていった。
それを規制する法は、当時は無かった。
上流階級の本拠にはニューヨークが定着し、全国から成功者が集まってきた。
彼らはリゾート地を開発し、贅沢な生活をした。
都市の中流階級の中心となったのは、「サラリーマン」である。
サラリーマンは1870年~1910年の間に、7倍に増えた。
彼らは郊外に住み、子供の数はそれまでの家庭よりも減り、3人が基本となった。
家事手伝いを雇うのが普及し、子供の数も減ったので、妻の負担は減少した。
子供は労働メンバーではなくなり、徐々に学校教育にゆだねられた。
高卒者は1870年には2%だったが、1900年には6%に増えた。
(2012.12.27.)