ボスとマシーンによる選挙支配

(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)

南北戦争後には、非公式の選挙組織「マシーン」と、それを操るボスが台頭した。

この選挙票の獲得体制は、長い間に渡って都市政治の中心となった。

ボスは市議会選挙で活躍し、市の任命権を用いて、市の事業・行政を牛耳った。

ボスは貧困層に日常的に金品を与えて、就職の世話もした。
そして、その見返りに投票を命じた。
この相互利益関係の集合体が、「マシーン」である。

当時は政府による福祉がほとんど無かったため、マシーンが福祉機能を担っていた。

マシーンは、移民たちに生活習慣と価値観の変更を、要求しなかった。

マシーンは、都市に一定の秩序をもたらした。
汚職は、その代価だった。

ボスは州議会も支配して、連邦上院議員に選出されていった。

政治改革派は、マシーンを「無知な大衆を操る悪徳」と見なし、1890年代から市政改革運動が盛んになった。

改革派は、行政の効率化や人民投票などを導入した。

マシーンが衰退するのは、1930~40年代以降であり、「移民の減少」「政府の福祉政策の発足」「都市住民の生活向上」が原因であった。

(2012.12.27.)


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