(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)
南北戦争の後には、投資銀行が大きく台頭した。
最も成功したのは、J・ピアモント・モルガンである。
彼は1873年に、ジェイ・クック商会が独占していた連邦財務省証券の取引に参加した。
その後、クック商会が倒産したため、取引の中心に躍り出た。
モルガンは、父の代からイギリスとパイプがあり、海外からの資金調達に有利であった。
モルガンは、鉄道株を引き受ける際に株の一部をもらい、それによって経営に参加して、鉄道業界の合併・統合を主導した。
1890年代になると、工業界の株式会社化が進み、株取引も盛んになった。
モルガンは、商業銀行や生保会社を傘下にもち、アメリカの金融の中心となっていった。
(2012.12.25.)