ニール
あなたは、「自分の感覚やインスピレーションを信じなさい」と言います。
でも、前にも言いましたが、そういう考え方は「人間至上主義」に聞こえるんです。
神
それのどこが、いけない?
ニール
私たち人間は、「自分の関心や価値」ではなく、「神の関心や価値」を人生の中心に据えるべきです。
神
今の世界で問題を起こしているのは、「私は、神の望むことを実行している」と信じている人達だ。
知らなかったのかな?
ニール
そういう場合もありますが、でも…。
神
組織的宗教の教義が原因で起こった戦争のほうが、違う原因の戦争よりもずっと多いではないか。
数え切れないほどの人達が、神の名において殺されてきたのだよ。
あなた方が傷つけ合う時に、「これは神の意志を遂行しているのだ」と言うのをやめれば、地球上のすべてが変わるだろう。
ニール
でも、聖典は戦いではなく平和を促しています。
神
コーランには、「信者たちよ! 無信仰者たちと戦い、お前がいかに堅固かを思い知らせよ」とある。
バガヴァッド・ギーターには、「宗教的な大義のために戦う以上に、優れた行いはない。戦うのをためらう必要はない」と書いてある。
ニール
でも「戦わなければ、神に罰される」とは、書いていないでしょう。
神
コーランには「前進しなければ、神はお前たちに厳罰を下される」とあるし、バガヴァッド・ギーターには「戦いという崇高な義務を果たさなければ、義務を怠った罪に落ちる」と書いてある。
宗教戦争や自爆テロの背景を知りたければ、聖典や宗教指導者に目を向ければ分かる。
聖典や宗教指導者は、「敵との戦いに加われば、勝とうが負けようが報酬は得られる」と約束してきた。
バガヴァッド・ギーターは、こう記している。
「戦場で殺されて天国に行くか、征服して地上の天国を楽しむかの、いずれかである。
ゆえに断固として立ち上がり、戦え。」
ニール
イスラム教の自爆テロリストは、「聖戦のために死ねば、天国で72人の処女たちと好きなだけセックスできる」と教えられるそうです。
神
コーランでは、「敵の土地をすべて征服するまでは、相手を皆殺しにせよ」と教えている。
ニール
神が、「皆殺しにしろ」と言うのですか?
神
「敵が降伏するまでは、皆殺しにしろ」と書いてある。
全員が降伏したら、金がものをいうシステムを作り、異教徒が金を払えば殺さなくてもよい、と神は言っている。
神への「みかじめ料」みたいなものだね。
ニール
ジズヤという人頭税と、ハラージュという土地税の事ですね。
イランの最高の宗教指導者だったホメイニは、こう言いました。
「イスラム教を知らない者は、イスラム教は戦争に反対していると言う。
そのような事を言う者は、愚か者である。
異教徒を皆殺しにせよ!
剣以外では人々を従わせる事はできない!
天国は、聖なる戦士にのみ開かれる。
何百という詩篇やハディースが、戦いがムスリムに大事だと教えている。」
神
あなた方は、「これが神の意志だ」と言って、野蛮で最も神らしからぬ行動を、正当化してきた。
いいかね。
真の平和を望むならば、新たな霊性・信念へと進まなければいけない。
あなた方は、「自分たちの関心と、神の関心は同じではない。それは明白だ。」と主張してきた。
しかし、『神の関心と、人間の関心は同じ』なのだよ。
これが分からないから、問題が起きる。
人間の関心のありかは、そう簡単には間違える事はない。
すべての人間が最も関心を寄せるのは、『生命/人生』(平和で幸福な人生を、長く続けること)だ。
神にとっても同じなのに、あなた方はそうではないと主張する。
あなた方は、「神は生命/人生ではないもの(正義など)に、最も関心を寄せている」と想像して、「だから、生命/人生を粗末にしても赦される」と思っている。
純粋なヒューマニズムに基づけば、生命を破壊する事が聖なる行為だなどとは、決して認めないだろう。
(『新しき啓示』から抜粋)