ニール
あなたは、「戦争や暴力は、神について信じている事に原因がある」と言います。
私たちは、神について何を信じているのでしょうか?
神
あなた方は、神について、次の5つを信じている。
① 神は何かを必要としている
② 人間は、神の必要性を満たせない事がある
③ 人間は、神に必要なものを与えられなかったから、神から引き離された
④ 神は今でも、人間に要求をしている
⑤ 神の要求に応じなければ、神に滅ぼされる
神に関するこの5つの誤解が、多くの苦痛や破壊をもたらしてきた。
ニール
どうして、この5つの誤解は、戦争や破壊をもたらすのですか?
神
あなた方が、「神が自分たちにした事は、人間同士がお互いにするのも構わない」と思うからだ。
あなた方は、『神は多くを要求している』と信じて、「この戦争や殺戮は、神の要求に応えるためだ」とか、「自分は、神の要求を満たす手助けをしている」と考えている。
あなた方の多くは、『戦争や殺戮は、神の意志だ』と信じている。
ニール
私は、そんな事を信じている人に出会った事はありませんよ。
神
だが、そういう人達は存在している。
大昔からあなた方は、天災や人災を「神の意志」と称してきた。
悪い出来事を理解する中で、悪い事を起こす神を信じた。
ニール
詳しく説明して下さい。
神
石器時代やそれ以前には、人々は良い事や悪い事の原因になる『精霊』がいると考えた。
彼らはその後、自然を神格化して、『太陽の神』などの色々な神を想像した。
そして、「神々をなだめて喜ばせて、自分たちの頼みを聞いてもらおう」と考えた。
その結果、色々な儀式や祭儀が生み出された。
これが発展して、『文化や風習』になった。
やがて『神話』が作られて、それが信念(人々にとっての真実)になった。
神話が真実になると、それは組織的な宗教になる。
原始的な神話から現代の宗教までは、そう遠くはない。
現在でもほとんどの人は、「神をなだめるために、何かをしなければならない」と信じ続けている。
ニール
でも、『神の意志』はあるのではないですか?
あなたは、自分の民を逃がすために紅海を二つに割ったでしょう?
それに、ソドムとゴモラの住民を皆殺しにしませんでしたか?
それ以外にも、多くの戦争や殺害を許容してきたでしょう?
ほとんどの聖書や神話には、「神の怒り」が書かれていますよ。
神
それらは、真実ではない。
「神の怒り」などというものは、無い。
それは、神についての間違った信念の1つだ。
ニール
私たちは長い間、「我らの神を信じない者は殺せ」と言ってきました。
ローマ教皇のウルバヌス二世は、1095年にエルサレム奪還を命じて、十字軍の遠征が何度も行われました。
この十字軍は200年も続き、おびただしい人が殺されたのです。
イスラム教の指導者たちも、「神に背く者を滅ぼす」という大義名分で、何世紀にもわたって殺戮を重ねてきました。
現代でも、多くの宗教指導者が「私達の敵に死を」と叫んでいます。
(『新しき啓示』から抜粋)