(『原発のウソ』小出裕章著から抜粋)
日本では、電力会社は原発を造れば造るほど、電気料金を値上げできるシステムになっています。
日本の電力会社は、「地域ごとに独占できる企業」となっていて、『電気事業法』で利益が保証されています。
必要経費に利潤(報酬)を足したものを、『総括原価』として、電気料金に計上できるのです。
原発を造ると、資産となって利潤に上乗せされるので、収入を増やせる仕組みになっています。
このため、電力会社は夢中になって原発を推進してきました。
そうして、今や日本は電気料金は世界一になってしまいました。
電気料金の高さから、アルミ精錬産業などの有力な産業が、日本から失われました。
日本政府や電力会社は、「原発はコストが安い」と宣伝してきました。
これは、大きな嘘です。
立命館大学の大島堅一さんは、有価証券報告書を調べて、この40年間の原発のコストを計算しました。
すると、再処理などの費用や、開発・立地などへの国の支出を合わせると、水力発電や火力発電よりもコストが高いことが分かったのです。
揚水発電所は、主に原発のために造られます。
これも原発費用に加えると、コストはさらに高くなります。
(揚水発電に知らない方は、こちらのページを見て下さい)