(新婦人しんぶん2014年9月4日号から抜粋)
川内原発は、鹿児島県にあり、1号機と2号機があります。
川内原発の運転差し止めを求める、「原発なくそう! 九州川内訴訟」の原告代表を務める、森永明子さん(43)に話を聞きました。
○ 森永さんの話
裁判の日は、車で鹿児島市まで行き、報告会がすむと17~18時です。
そこから1時間半かけて川内市に帰ってきます。
仕事を休んで、ガソリン代を使って、割に合わないと思う事もあります。
でも、原告団長として報道され、行く先々で声を掛けられます。
どの人も、原発が心配で誰かと話したいが、なかなか話せないんですね。
地元でもあまり知られていないのですが、川内原発の建つ海岸にも毎年ウミガメが来て、産卵しているんです。
再稼働のためにこのまま工事が続けば、産卵はゼロになるのではないかと危機感を感じています。
私は広島出身で、14年前に結婚して川内市に来ました。
広島では、8月6日は特別な日(原爆が落とされた日)でした。
でも鹿児島では8月6日に何もせずに過ごしていて。
アースデーのイベントで「川内原発の3号機増設に反対する署名を、8月6日に県庁に届けよう」との呼びかけがあり、「8月6日にやる事がある!」と嬉しくなった。
これがきっかけで、川内原発への反対運動に参加するようになりました。
3.11があってからは、人々の意識が変わってきています。
「地域の経済のために再稼働は必要」と言われてきましたが、人口も減って商店街はさびれ、原発で地域が活性化しない事をみんなが分かってきている。
最近の市民アンケートでは、『川内市民の85%が再稼働に反対』しています。
福島から避難してきているお母さんは、「どうして事故になる前に一生懸命に反対しなかったのか」と自責の念にかられています。
彼女の言葉は、未来の自分から今の自分に言われている気がしました。
(※森永さんの話はここまで)
川内原発では、1&2号機の取水口から川内川の流量と同じ量の海水を取り入れており、パイプに貝などが付かないように次亜塩素酸ソーダが注入されて使われている。
○ 川内原発の海岸でウミガメを見守ってきた、中野行男さんの話
「今年も6頭のウミガメが産卵しています。
ここは昔は海水浴場で、たくさんのウミガメが産卵に来ていました。
川内原発で使われて温められた海水は、海に戻されると湾で渦を巻き、砂浜がえぐられます。
次亜塩素酸ソーダの臭いもひどい。」
(「海水を温める」という事については、『原発は二酸化炭素の排出が少ない、というのも嘘 海を温めるので、温暖化を促進している』を読むと詳しく分かります。)