ニール
あなたは、「死は、自分で選んで行う事だ」と言います。
それが本当ならば、死は全てが自殺になるんじゃないですか?
神
死に限らず、人生のすべての出来事の原因は、あなただ。
死が自殺であるためには、2つの条件が必要だ。
① 意識的に死を選択すること
② 人生を完了させるためではなく、そこから逃げるために死を選択すること
死は力強い創造の時だが、「逃げるための」ものではない。
ニール
自殺について、みんなの気持ちを楽にしてあげる事はできますか?
神
「自殺した人も大丈夫なのだ」と分かれば、気持ちが楽になる。
自殺した人も、神に愛されているし、見放される事はない。
その魂の達成しようとした事が、完了しないだけだ。
ニール
それでは、「自殺しても罰せられる事はない」とおっしゃるのですか?
神
あの世には、罰は存在しない。
自殺によって罰せられるのは、残された人達ではないか?
残された人達は、衝撃と喪失感を味わう。
自分を責め続ける人も多い。
自殺をする人は、「これで物事が変わる」と想像するが、そうではないのだ。
逃れるために人生を終わらせても、何からも逃れられはしない。
つらい体験をしている場合、人はその経験を遠ざけようとするが、その人の魂はその体験を選択しているのだ。
経験がつらいと、人は何もない虚空に逃れようとする。
だが、虚空などは存在しない。
この宇宙のどこにも、「何もない所」などない。
あなたは何処に行っても、あなたの創造したものとぶつかる。
なぜなら、それを創造したのは自分のためだから。
創造したものを回避することは、あなたのためにならない。
ニール
あなたは少し前に、「死はすばらしい事だ」と言いました。
死がすばらしい事なら、どうして自殺をしてはいけないのですか?
神
死はすばらしいが、『生命/人生』以上にすばらしいわけではない。
それどころか、死とは「違う形で続く生命/人生」なのだよ。
あなたは死後に、この世に居た時にたずさえていたすべてと出会うだろう。
人は、前回の生で取り組まなかった事に取り組むために、再び肉体に宿るのだよ。
ニール
霊的な領域(死後の世界)に、留まり続けるわけにはいかないのですか?
神
そうだ。
あなたは、どんな経験をするかを、霊的な領域で選択して、ここに来ている。
だから自殺をしても、また肉体的な人生に戻り、経験しようとした事を一からやり直すことになる。
これは罰ではなく、自由意志による自己創造のプロセスだ。
ニール
すると、自殺をした人は、同じ事にまた取り組むのですか?
神
そうだ。
自殺をしても、同じ課題や経験を、何度も創り出すだけだ。
ニール
それって、つまりは「自殺は悪い事だ」ということですか?
神
同じ課題や経験をくり返し創造するのは、別に間違ってはいないし、悪い事でもない。
あなたの好きにしたらいい。
ただし、その課題から逃れるつもりなら、「それは出来ない」と知っておく事だ。
課題とぶつかりたくないと人が感じるのは、「たった一人で取り組まなくてはいけない」と思うからだ。
一人ぼっちで頼れるものはないと感じると、人は絶望に直面し、逃げる事しか考えられなくなる。
だからこそ私は、「あなたには私が付いている」と言うのだし、あなたはその事を世界中に伝えてほしい。
私がそばに居る事を知るには、私に呼びかけさえすればいい。
私は手を差し伸べる。
ニール
どうして、こっちから手を差し伸べなければ、あなたは助けてくれないのですか。
あなたは、私たちに助けが必要だと分かっているでしょう。
それに、「私は呼びかけたが、神は応えては下さらなかった!」と言う人には、どうおっしゃりますか。
神
ここで、奇跡の可能性について考えてもらいたい。
重要なのは、『たった今、あなたの前に答えがあるかもしれない可能性』について、考える事だ。
心を開けば、答えが目の前にあると感じる(気づく)だろう。
「絶対に神は応える」と知って呼びかける時にだけ、あなたは答えが与えられていると気づく。
絶望のうちに私に呼びかけても、私はそこに居るが、絶望があなたの目をくらませて見えなくする。
あなたは、自分を批判する事をやめなくてはいけない。
一番の強力な批判をするのは、あなた自身だ。
他の人達は外側から批判をするが、あなたを知らないし見ていないから、その批判を取り込んで影響を受ける必要はない。
他の人達は、自分の苦痛を通してあなたを見ている。
他の人が真のあなたを見抜くまで、待っていることはない。
たった今、この私が真実のあなたを見ていること、あなたを完璧だと見ていることを、知りなさい。
神の王国に、赦しは必要ない。
神は決して、腹を立てたり傷ついたりしない。
神(宇宙全体)にとって大事なのは、「あなたは何者か」という事だ。
あなたが真の自分(すべてと一体である自分)を知っていれば、孤独も絶望も消えうせる。
そして、「人生/生命は奇跡だ」と認識するだろう。
あなた方は、今この瞬間に、10万の天使に囲まれている。
その天使たちの援助を、受け入れなさい。
奇跡はずっと、あなたを待っている。
あなた自身が誰かにとっての奇跡になった時、それが分かるだろう。
さあ行って、死が最大の悲しみを言明する時ではなく、最大の栄光の時となるようにしなさい。
これを行えば、あなたの魂の平安が、ついに実現される。
ニール
ありがとうございます。
もう1つだけ質問があります。
安楽死については、どうなのでしょうか?
神
それは、全く自殺とは別だ。
どう考えても終わりが間近い人生に終止符を打つことは、別の種類の判断だ。
最後の苦痛と屈辱に、耐える義務などない。
それぞれが判断をすればいい。
(『神へ帰る』から抜粋)