ニール
あなたの説明によると、時空を通過する「ルート」は、沢山あるのですね。
神
そうだ。無数にある。
ニール
私たちは、好きなルートを取れるのですね?
神
そうだ。好きなルートをたどれる。
実は、同じルートを取ることはとても多い。
ニール
同じルートの場合、かつて経験した事を再び経験するか、そうしないかは、自分の選択で決まるのですね?
神
その通りだ。
ニール
私はどうやって、ルートを選択するのですか?
神
「何を見るか、何に関心を向けるか」によってだ。
あなたは、目を向けるものを経験する。
ニール
それについては、以前にうかがいましたね。
もう少し教えていただけますか。
神
以前に教えた時に、「トンネルの中に、印が付いていると考えてごらん」と言ったのを覚えているかな?
ニール
ええ。「壁の印は、絵なんだ」とおっしゃいましたね。
神
よく覚えているじゃないか。
その印を、『壁画』だと考えてごらん。
壁画は、トンネルの壁や天井や床に、ぎっしりと描かれている。
周りのすべてが壁画だ。
想像できたかな?
ニール
はい。
神
よろしい。
あなたはトンネルを通過していくが、あなたの関心は壁画の中の「ある部分」に注がれる。
あなたは、関心を持った部分に近寄り、そこに焦点を合わせる。
やがてトンネルの先へと進むが、さっき焦点を合わせた部分は覚えている。
それを、あなた方は「自分の過去」と呼ぶ。
次の旅(人生)でも、あなたは前に通った地点を通過する事があるが、今度は壁画の違った部分に焦点を合わせる。
そして、別の絵を見る。
実際には「時間は存在しない」ので、あなたはすべての絵を見る事ができる。
ニール
何か1つを変えれば、その後のすべての絵は変わるのですか?
神
そうだ。
だからあなたは、同じ道をたどっても別のものを見る。
(『神へ帰る』から)