神
あなた方は、「人生や愛には、条件が存在する」と考えた。
(条件という第8の幻想)
そこから、「条件を知っている者は、知らない者よりも上手くいくはずだ」と考え、さらに「上手くいく者は、優れているのだ」と考えた。
こうして『優越』という第9の幻想が生まれた。
優越によって、様々なことを問答無用で出来るようになった。
「他者を無視すること」「他者を回心させようとすること」「他者を滅ぼすこと」、これらを正当化できるようになった。
条件と優越の二つの幻想によって、「必要なものを持っていれば、自分が望む通りになる」との世界観ができ上がった。
そして、金・学歴・力・時間・信仰などを「持つこと」が、重視されるようになった。
「優れた者は、必要なことを何でも出来るようになる。それによって、他の人よりも良い人生を送れる」、あなた方は自分にそう言い聞かせる。
あなた方は、「すべては不足している」という第4の幻想を信じているので、すべてについて「競って手に入れなければならない」と信じている。
そして、「優れた者が勝つのだ」と考える。
自分の勝利を保証したいと考えた人間は、様々な条件を考え出した。
そうやって、「自分が勝者である」と事前に宣言しようとした。
あなた方は、「男性は女性よりも優れている」「白人が最も優れている」「キリスト教徒が最も優れている」などと宣言をした。
本当は、他よりも優れている者などいない。これが真実だ。
この真実は、あなた方を自由にする。
『優越』は存在しない。あなた方がでっち上げたのだ。
あなた方は、自分の都合・欲望・理解を元にして、何が優れているを決めた。
しかも、それが神の意志だと主張する者までいた。
「誰が選ばれた民なのか、どれが真の信仰なのか、どれが救済の道なのか」を決めたのは、神だと主張した。
あなた方は、「大自然よりも自分たちの方が優れている」と考えて、大自然を支配しようとし、環境破壊をしている。
あなた方は、「自分の方が優れている」と考えて、お互いを支配しようとする。
私たちは一体だから、優越などあり得ない。
『私たちは一つである』というのは、宇宙を正確に説明した言葉だ。
これが分かれば、高いレベルでの生命の繋がりが分かってくる。
生命の繋がりが分かれば、幻想を見抜くことが出来る。
そして、あなたは『真の自分』を思い出す。
思い出すためには、「優れている」という考え方をやめることだ。
優越という幻想は魅惑的な考え方で、心を石に変えるし、イエスをノーに変えてしまう。
人は「自分たちの方が優れている」と考えた途端に、最も低劣なふるまいを始める。
明らかに、この幻想には欠陥があった。
だから、間違いだと分かるはずだった。
しかし、あなた方の祖先はどこか深いレベルで、「この幻想を捨てると、大切な事が失われる」と感じていた。
その感じ方は正しかった。
幻想は、創造の道具として使えば、偉大な創造につながるからだ。
だが彼らは、過ちを犯した。
幻想を幻想と見抜いて、創造の道具として活用するのではなく、「幻想の欠陥を繕わなければならない」と考えたのだ。
こうして、第9の幻想の欠陥を繕うために、『無知』という第10の幻想が生まれた。
(『神とひとつになること』から抜粋)