(『オーディオ誌ステレオ』から抜粋
2011年3月13日にノートにとり勉強)
JBLの4312Dと4318は、2004年に登場した「4312の改良モデル」である。
4312は名機として知られ、原型モデルは1970年に登場した。
4312は、30cmのウーハー、コーン型のミッドレンジとツイーター、バスレフ型のブックシェルフ構造を持ち、それは後継機に受け継がれてきた。
4312の型名は1982年から。
このシリーズの特徴は、ウーハーをフィルターレスでフルレンジで使用することである。
このため白色のダンプ材がコーンに塗られ、白色のウーハーが目を引く。
4312Dと4318は、20年ぶりにフルモデルチェンジしたもので、全てのユニットが一新された。
4312D4318は、使用しているユニットは同じ。
箱も共通だが、箱の塗装とバスレフの位置、内部のネットワークが異なり、ユニットの取り付け位置も異なる。
🔵ウーハー(2213Nd)
従来の2213Hから後部が倍の大きさになった。
マグネットはフェライトからネオジウムに。
磁気回路はデュアル・ボイスコイル構造で、独自のNDD方式を採用。
8本の支柱を使った高い剛性のアルミダイキャストのフレームを導入。
出力は93dBで、S/N比が強化された。
🔵ミッドレンジ・コーン(105H)
パルプコーンの表面に高分子ポリマーをコーティングした、12.5cmの振動板。
フェライト磁石を大型化。
フレームデザインを一新。背圧を低減して音質向上。
🔵ツイーター(054Ti)
従来からのチタンのドーム型を使用。
マグネットをフェライトからネオジウムに変更。
指向特性をコントロールするためショートホーンを採用。
🔵4312D (1本が9.5万円で17kg)
ユニットは従来通りの配置。箱はキズや汚れに強いブラック仕上げ。
ウーハーにはフィルターを使っていない。
入力端子はシングル。
音は、ウーハーとミッドの帯域がかぶるため中域が厚い。
低域は引き締まっている。
繊細・精密を狙うタイプではなく、ジャズやロック向き。
🔵4318 (1本が15.7万円で19.5kg)
ユニット配置は縦に一列に並び、音像の正確性を重視。
バスレフ・ポートは2つ。
箱は通常の透明な塗装。
ウーハーにはローパスフィルターを採用。
入力端子はバイワイヤリング。
フロント・バッフルは2.5cmのMDF材を使用して剛性アップ。
音は、クセが少なく、レスポンスに優れる。
クラシック系にも対応できる。
🔵補足と総評
スタンドは、オプションでJS-250があり、高さは430ミリ。
4312Dはプロユース向きで、4318はピュアオーディオ用と思う。
全体として4318のほうが設計が新しい。
4312Dは今までの伝統を変えずに、ユニットのみ新しくしたタイプ。
(2025年6月28日に作成)