タイトルアンプのあれこれ

(『音楽用語事典』リットーミュージック刊行から抜粋
2010年7月23~24日にノートにとり勉強)

🔵アンプリファイア(アンプ)

増幅器のこと。アンプと略することが多い。

電圧、または電流を増幅して、大きくする機器を総称してアンプと言う。

目的や回路方式によって、オーディオアンプ、楽器用アンプ、ボーカルアンプ、AC(DC)アンプ、高周波アンプ(RFアンプ)、ビデオ・アンプなどに分けられる。

オーディオ用は、高忠実度(低歪み率、フラットな特性)を主眼に設計されている。

楽器用やボーカル用は、必要な帯域を特徴づけるように、トーン・コントロールなどが付加されている。

🔵プリアンプ

前置増幅器のこと。

メインアンプの前にあるアンプを、全てプリアンプと呼ぶ。

レコード用のイコライザーアンプ、トーンコントロールのアンプ、マイク用のヘッド・アンプなどがあるが、このような機能を一つの装置にしたものを言う。

🔵メインアンプ(パワー・アンプ)

電力増幅器のこと。

プリアンプやライン・アンプの出力を増幅して、スピーカーを駆動する電力(パワー)を得る。

単に電力を得る機能だけを持つのが特徴。

🔵ヘッド・アンプ

入力部の直後にあるアンプ回路のこと。

例えばプリアンプやミキサーでは、マイクや楽器の入力信号を直接受ける回路を指す。

レコード再生用では、RIAAイコライザー回路がこれにあたる。

ほとんどの場合、大きな増幅率を持ち、S/N比やサウンドキャラクターを決める最大の要素となる。

🔵トランジスタ・アンプ(ソリッド・ステート・アンプとも言う)

増幅素子にトランジスタを使ったアンプのこと。

現在はほとんどがこの形式である。
ICを用いたアンプもトランジスタ・アンプである。

真空管アンプよりも効率がよく、小型で軽量、性能の劣下が少ない(長持ち)。
量産にも向く。

電気的な特性は、電流増幅のためインピーダンスが全体に低く、アウトプット・トランスが不要な反面、歪みが多く、しかもその成分に奇数次高調波を多量に含んでいるため、対策なしにはオーディオには使えない欠点を持つ。

対策としては、ネガティブ・フィードバックを多量にかけることで、実用に十分な歪み特性を得ている。

ネガティブ・フィードバックとは、逆相で出力の一部を入力に戻すことを言う。

🔵ACアンプ

交流信号用のアンプ。
オーディオ信号などの交流を扱うアンプで、直流は扱えない。

これに対し直流も扱えるアンプを、DCアンプと言う。

🔵DCアンプ

交流だけでなく、直流にも増幅作用を持つアンプ。

直流のサーボモーターを制御する場合に使われる。

他にもオーディオ用の高級パワーアンプに採用されることもある。

🔵オーディオ・アンプ

オーディオ帯域専用のアンプのこと。
インプットセレクターやトーン・コントロール回路を備えていることが多い。

楽器用やボーカル用も同じ帯域に含まれるが、一般には区別している。

🔵ボーカル・アンプ

ボーカルをPAするためのアンプおよびアンプ・スピーカー・システムのこと。

一般に数チャンネルのマイク入力を持つミキシング・アンプとパワーアンプが一体になっている。

スピーカーと分かれているセパレート・タイプと、スピーカーと一体のビルトイン・タイプがある。

小規模なコンサートや練習スタジオ、営業店舗で使われるアンプ。
特性は人間の声に合わせてある。

現在はパワード・ミキサー+小型PAスピーカーの構成が主流で、ボーカル・アンプはあまり使われていない。

強いて言えばカラオケ用アンプがこれに当たる。

なおパワード・ミキサーとは、パワーアンプを内蔵したミキサーのこと。

🔵AUX

予備の、補助の、という意味で、予備の入出力端子に表示される。

一般的にこの端子は、100~300mV。
入力インピーダンスおよび出力負荷インピーダンスは10~100kΩと、ハイ・インピーダンスである。

マイクやギターの出力をつなぐとレベル不足になるが、ライン・レベルの信号であれば大丈夫である。

🔵ダイレクト・アウト

信号出力の1つで、この端子からはエフェクトのかからない、ダイレクト音が出力される。

🔵プリアンプ・アウト、メインアンプ・イン

プリとメインが一体になったアンプに設けられた、プリアンプ部の外部出力端子をプリアンプ・アウトと言う。

「メインアンプ・イン」端子とペアになっている場合もある。

メインアンプ・インは、通常はプリアウトとメインインが回路で繋がれているのが、その接続を切ることでメインアンプとして使用できる機構および端子。

🔵ラウドネス

ラウドネス曲線を見ると、人間の耳は音圧が小さく なるほど低音が聴こえにくくなる。

人間の耳は1~4kHzが最もよく聴こえる。

ラウドネスは、音量が小さい時に低音と高音の音圧を上げて、聴感上フラットにする補正回路である。

🔵CR型トーン・コントロール

抵抗とコンデンサーによるフィルター回路を使った、トーン・コントロール回路。

音質は素直である。

🔵トーン・コントロール

音質調整のこと。様々な音質補正回路の総称。

トレブル、ベースなどの調整ツマミによって、高音、低音などの増強、減衰をする。

好みの音作りをするために使われる。

中音域を補正するミドルや、小音時の低域不足を補うラウドネス、高音を強調するブリリアントなどもある。

オーディオアンプでは、1kHzを中心に高音と低音を独立してコントロールするのが一般的。

また楽器用アンプでは、楽器によってコントロールする帯域を変えてある。

🔵BTL

2台のパワーアンプで1個のスピーカーをドライブする接続法。出力を増大できる。

同じアンプを2台使い、片方に入力を加え、もう片方に逆相の信号を入力する。

そして2台の出力間にスピーカーを接続する。

理論的には1台での通常使用の4倍の出力が得られるはずだが、実際は2倍程度である。

電源電圧が低くても大出力を得られるため、カー・ステレオなどに採用されている。

PA用パワーアンプも可能なものが多い。
通常は普通に使い、大出力を望む時にBTLにする。

このようなアンプには、ステレオ/BTLの切り換えスイッチが付いており、BTL仕様用の反転アンプも内蔵されている。

BTLで使用する時に注意することは、スピーカーのマイナス線といえどもアースに落としてはいけないことである。
最悪の場合、アンプが破壊される。

(以上は2025年7月5~6日に作成)


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