スピーカーとは、その種類(以下は『音楽用語事典』リットーミュージック刊行から抜粋
2010年5月26~27日にノートにとり勉強)
🔵スピーカー
電気信号の形になっている音を、耳に聴こえる音に変換する装置である。
振動板を振動させて空気を直接振動させる方式と、振動をホーンに導いて音を放射する方式がある。
振動板の形状、駆動方式、周波数帯域などによって、分類される。
🔵スピーカー・アウト
スピーカーを接続する出力端子のこと。(※アンプにこの端子がある)
SPEAKERなどと表示され、極性が示されている。
楽器アンプでは必ずSP.OUTと表示されている。
🔵ダイナミック型・スピーカー
電磁誘導により変換するタイプ。
最も一般的な形式で、ムービング・コイル型と、リボン型がある。
通常はムービング・コイル型を指し、インピーダンスは8Ωが多いが、2~32Ωと幅広い。
🔵フルレンジ・スピーカー
可聴周波数のほぼ全てを1個のユニットで出すよう設計されたスピーカー。
使われるユニットは、シングルコーン型、ダブルコーン型、複合型などがある。
複合型には2~3ウェイのコアシャキル型がある。
🔵マルチウェイ・スピーカー
いくつかの帯域に分割して、低、中、高音用などの専用スピーカーを組み合わせたシステムのこと。
🔵コアシャキル・スピーカー
高域用のユニットが、低域用ユニットの中心部に取り付けられているタイプをいう。
二つのユニットの中心が同一であるため、明確な定位感を得るのに有利な形式。
🔵ホーン・スピーカー
振動板から出た音を、ホーンを通じて空間に放射する形式をいう。
ホーンを使わない直接放射型よりも能率が高く、ホーンの形状によって指向性をコントロールできる。
再生帯域は狭く、主に中高域用に使われる。
🔵ロータリー・スピーカー(レスリー・スピーカーとも呼ぶ)
回転スピーカーのこと。
スピーカー自身、あるいはホーンなどが回転して、ドップラー効果を生み出し、音色に独特の効果を与える。
特にオルガンのサウンドには欠かせない。
商品名をとってレスリースピーカーとも呼ばれる。
🔵トランペット・スピーカー
屋外用のホーン・スピーカーの一種。
形がトランペットに似ているところから、この名で呼ばれる。
再生帯域は200Hz~3kHzくらいであるが、能率がよく、機械的には耐入力に優れている。
🔵ウーファー(ローとも言う)
低音用のスピーカーのこと。コーン型が多い。
口径は大きく、大きいほど再生可能な周波数は低くなる。
そのサウンドは、ユニットよりもエンクロージャーに依存し、大型の箱が必要。
PAでは前部にホーンロードを設けて遠達性を高めることもある。
🔵スコーカー(ミッドとも言う)
マルチウェイ・スピーカーシステムにおいて、中音域を担当するスピーカーをいう。
🔵ツイーター
マルチウェイ・スピーカーシステムにおいて、高音域を担当するスピーカーをいう。
コーン型、ホーン型、ドーム型などがある。
高音用のため、小形で軽い振動板を用い、全体の形状も小型である。
🔵サブ・ウーファー
超低域用のスピーカーで、約20Hz~100Hzを超低域と言う。
この帯域は、音というよりも振動や圧迫感に近い。
最近のPAでは、これが使われる事が多い。
一般家庭でも使う人がいる。
🔵ドライバー(コンプレッション・ドライバーの略)
音波を直接放射するのではなく、ホーンなどを介在させて間接放射するように設計されたユニットのこと。
ホーンあるいはホーン型エンクロージャーと組み合わせて使われる。
主に中高音域に使われるが、中低音域用も市販されている。
◎スピーカー・ボックス(エンクロージャー、キャビネットともいう)
🔵スピーカー・ボックス
スピーカー・ユニットを入れる箱のこと。
箱の構造や寸法により、同じスピーカーでも違う音色になる。
ほとんどが木製で、密閉型、バスレフ型、ホーン型などがある。
🔵密閉型
スピーカーの口径に合わせた穴(取り付け部)からしか音が出ないようにし、スピーカー前面から出る音だけを使う方式。
エンクロージャーの基本となる方式で、スピーカー特性を最も素直に発揮できる。
反面、低域まで再生するにはかなりの容積の箱が必要。
内部で定在波を発生させないための設計に技術を要し、内部にグラスウールを置いたり、フェルトを貼ることが多い。
箱自体の共振も大敵で、補強材を入れたり、重量を増す対策がとられる。
バスレフやホーン型に比べて設計が難しい方式だが、PA用スピーカーに使われることもある。
🔵バスレフ型
スピーカー・ユニットの背面から出た音の位相を反転して、前面に出す方式。
具体的には、エンクロージャーの前面に穴を開け、それにより低音に共鳴させる。
穴をポートと呼び、ポートの面積やポートに取り付けるダクト(筒)の長さで、共鳴する 周波数を変えられる。
共鳴特性をスピーカー特性と合わせることで、フラットな低音を得られる。
ただし超低域の再生は難しい。
🔵バックロードホーン型
スピーカー・ユニットの背面から出る音を、ホーン状の構造で前面に導き、放出する形態のこと。
ホーン型スピーカーと同じような効果があり、ホーンの長さで低域の特性が伸びる。
構造は複雑になるが、設計が適切であれば良好な低域が実現でき、スピーカーユニットへの負担も少ない。
🔵フロントロードホーン型
低域用スピーカーでは、エンクロージャーの構造を工夫して、フロントロードホーンを設けたものもある。
◎ホーンの種類
🔵ラジアル・ホーン
角型ホーンの上下を曲線で、左右を直線で構成した形状のホーン。(一番よく見る形状である)
🔵バイ・ラジアル・ホーン
定指向性ホーンの一種で、JBL社の商品名である。
🔵マルチセルラ・ホーン
ホーンの内部をさらにいくつかのホーンに分割した形式のホーン。(いわゆる蜂の巣タイプのこと)
ラジアルホーンなどよりも指向性が改善する(広がる)が、ホーンの共振が耳につきやすい。
🔵定指向性ホーン
指向性をより正確にコントロールできるよう設計されたホーンの総称である。
従来のラジアル・ホーンやマルチセルラ・ホーンは、周波数によって指向特性が大きく変化する欠点があった。
これをホーン形状の工夫で改善したものを言う。
従って各メーカーにより形状や特性は異なる。
最近のPA用はほとんどこれ。
🔵音響レンズ(ホーンレンズとも言う)
主に中・高域用のホーン・スピーカーの前面に取り付けられるもので、指向特性を改善するユニットである。
何枚かの薄い金属板、あるいはプラスチック板を組み合わせたものが多い。
🔵マンタレー・ホーン
定指向性ホーンの一種で、米アルテック社の商品名である。
🔵フォールデッド・ホーン
折り曲げホーンのこと。主に低域用で使われる。
低域用ホーンは全長が長く、取り扱いが不便なため、折り曲げて扱いやすくしたもの。
(以上は2025年7月21日に作成、9月22日に加筆)