ギターの各部の解説(以下は『音楽用語事典』リットーミュージック発行から抜粋
2010年6月5~7日にノートにとり勉強した)
🔵ヘッド
ネックの最上部のこと。
糸巻き(ペグ)、ナット、トラスロッド締込口などが付いている。
エレキギターやフォークギターのヘッドを「ソリッド・ヘッド」、クラシックギターのヘッドを「スプリッド・ヘッド」と呼ぶ。
🔵ヘッドレス・ギター
ヘッドを無くして、ナットがネックの上端となる形状のギターのこと。
ペグをブリッジ側に装着したり、ブリッジに特殊なチューニング機構を持たせるなどしており、これを「テールエンド・チューニング」と呼ぶ。
🔵糸巻き
弦を巻きとって締める部品を総称してこう呼ぶ。
材質は木か金属で、部分的にプラスチックなどを使用している場合もある。
その形態は様々で、ギターでは金属製のギアで巻き取り軸とツマミを連動させたものが使われる。
🔵ロート・マティック
糸巻きのうち、つまみの固さを調節するネジがついているタイプのこと。
🔵ストリング・ポスト
糸巻きの、弦を直接巻き付ける部分。
通常は弦を挿入して固定するための穴、もしくはスリットが入れられている。
🔵ナット
ヘッドとフィンガーボードの境目にあるパーツ。
弦の一方は糸巻きによって巻き込まれるが、ナットによって支えられている。
6本の溝が彫られ、弦が横にずれないようになっている。
チューニング・ロック式トレモロアームをつけたギターのうち、ナット部で弦をロックするタイプは、「ロック・ナット」と呼ばれる特殊なナットを使う。
🔵ゼロ・フレット
ナットのすぐそばに付いているフレットを指す。
普通はナットがゼロ・フレットを兼ねるため付いていない。
🔵ネック
弦楽器の棹の部分。
表面はフィンガーボード(指板)と呼ばれ、ギターなどでは半音ごとにフレットが埋め込まれている。
弦の張力を支える部分であるため、マホガニー、メイプル、ナトーなどの丈夫な木材が使用される。
特にスティール弦を使用するギターでは、弦の張力が非常に強くソリを生じやすいため、トラスロッドが埋め込まれている。
🔵ボディとネックの接合方法
①セット・ネック
伝統的な接合法で、接着剤で固定する。
(クラシックギターなどのアコギや、フルアコに使われる)
②スルー・ネック(通しネックとも言う)
ネックをボディ部まで延長して、ボディ材を両サイドに貼り合わせる。
③ボルト・オン・ネック(ディタッチャブル・ネックとも言う)
ネックとボディをネジやボルトで固定する。(ストラトはこれ)
🔵ネックの構造
①ワンピース・ネック
1本の木材でできているタイプ。
②ラミネイテッド・ネック
何枚もの板を貼り合わせて作られたネック。
🔵ダブル・ネック
ボディに2本のネックを取り付けてあるタイプのこと。
ソリッドボディのエレキギターによく見かける。
6弦と12弦の組み合わせが多いが、普通の6弦とショート・スケールの6弦や、6弦ギターとベースを組み合わせることもある。
又は、6弦同士だが片方のチューニングを変えて使う人もいる。
🔵ソリ
ネックが曲がることで、順ゾリと逆ゾリがある。
ソリ方を見分けるには、ヘッド側からブリッジ方向にフィンガーボードを見通すと良い。
フィンガーボードの中央部が落ち込んでいれば順ゾリ、浮き上がっていれば逆ゾリである。
ソリ方を見るには、第1弦の1フレットと、ネックとボディの境目にあるフレットを同時に押さえて、ネック中央部での弦とフレットのすき間を測る方法もある。
すき間が大きすぎれば過度の順ゾリ、少なければわずかな順ゾリで、すき間がなければ逆ゾリ気味である。
これは第6弦側でも調べてみるとよい。
わずかな順ゾリは問題ないが、過度だとアクションが強すぎて弦が押さえにくくなったり、イントネーションが悪くなったりする。
一方、逆ゾリは弦のビリつきの原因となる。
ソリは、ゲージの違う弦に張り換えた時や、湿度の変化でも生じるので、ひどいソリが生じた場合は調整が必要となる。
アジャスタブル・ネックの場合は、ある程度の調整は自分で可能。
🔵アジャスタブル・ネック
アジャスティング・ロッド(トラス・ロッド)が埋め込まれたネックのこと。
スティール弦は張力が強いのでソリが生じやすいが、このソリを調整できるネックをアジャスタブル・ネックと言う。
アジャスティング・ロッドは、ネックの補強のために埋め込まれたスティール合金の棒で、ソリの調整機構の役割も合わせ持っている。
多くの場合、ヘッドの表面にあるカバーをはずすと、穴の中にロッドの先端が露出している。このロッドを特殊な工具で調整して、ソリを直す。
ヘッド側から見て時計方向に回すと順ゾリを直せて、反対に回せば逆ゾリを直せる。
なおロッドの調整機構は、ネックのボディ側の端に取り付けられている場合もある。
🔵トラス・ロッド(ネック・ロッドとも言う)
ネックを補強する金属棒。
弦のテンションによってネックが曲がるのを防いでいる。
調整可能なアジャスティング・ロッドと、調整不可能なロッドがある。
①アジャスティング・ロッド
丸い棒状、または棒が四角い金属筒に入った形状(チャンネル・ロッドと呼ばれる)で、ロッドを回すことでソリの調整ができる。
②ノン・アジャスティング・ロッド (パーマネント・ネックと呼ばれる)
形状はTバー、または四角い金属筒で、ネックが曲がらないように設計されている。
🔵スケール
弦長のこと。フレット付きの場合、ナットから12フレットまでの長さの2倍で表す。
フレット・レスの場合、ナットからブリッジまでの長さになる。
これが短いと、ギターのサイズが小さくなる。フレットの間隔も狭くなる。
スケールの相対的な呼び方には、ショート・スケール、ミディアム・スケール、ロング・スケールなどがある。
🔵フィンガーボード(指板)
ネックの上面に貼り付けられた木板で、弦を押さえる時の支えになる。
フレットが打ち込まれているものと、フレットの無いものがある。
ギターなどでは平らだが、わずかにアール(カーブ)が付いている。
バイオリン属ではかなりのアールがついている。
アールの差は、演奏法の違いに由来する。
材質は、エボニーとローズウッドが多く使われている。
🔵スキャロップド・フィンガーボード
フレットとフレットの間がU字状に深く削り取られている、特殊なフィンガーボードのこと。
弦を軽く押さえるだけで、しっかりとした音が出せる。
ローポジションはあまり削らず、ハイポジションにいくに従って深く削り込む
6弦側よりも1弦側を深く削る。
ローポジションで2mmほど、一番深い所で5mmほど削る。
🔵アール
フィンガボードの表面につけられた、ゆるやかなカーブのこと。
180R、400Rなどと、回転半径によってカーブの大きさを表示する。
180Rで半径180mmの大きさのカーブを表す。
🔵フレット
フィンガーボード上に取り付けられた、細長い金属片、および金属片と金属片の間のこと。
1フレットごとに半音づつ音が変わるようになっており、フィンガーボード上に刻まれた細長い溝に打ち込まれるように取り付けられる。
🔵フレット・レス
フレットのついていない弦楽器を指すが、主にエレキベースに使われる言葉。
民俗音楽と無調性は別物です。なぜなら民俗音楽は調性的だから。
🔵フレットレス・ワンダー
一時期のレスポール・カスタム、SGカスタムに付けられていた、低くて細いフレットのこと。
フレットを感じさせないほど薄いこのフレットは、フラット・ワウンド弦で効果を発揮し、なめらかさに定評があった。
なお、現在のレスポール・カスタムには、丸くて太い普通のフレットが付いている。
🔵ポジション・マーク
フィンガーボード上やフィンガーボードの側面につけられた、フレットの位置を把握しやすくするためのマーク。
奇数フレット(11と13は除く)と、12、24フレットにつけられている。
マークの形や模様は様々である。
🔵サイドポジション・マーク
指板上ではなく、ネックの脇についているマークを指す。
(2025年10月26日に作成)