ギターの各部の解説②(以下は『音楽用語事典』リットーミュージック発行から抜粋
2010年6月8~9日、26日にノートにとり勉強した)
🔵ボディ
胴の部分のこと。
一般的に、トップ、サイド、バックから成る共鳴箱になっている。
リュートなどのように、サイドとバックが一体になっている(ラウンド・バック・タイプのこと)ものもある。
トップにはf形か丸形のサウンドホールが開けられていて(※ソリッドギターは無い)、下方にはブリッジが取り付けられる。
ボディの最大の役割は、弦の振動を最大限に共鳴させることである。
エレキギターでは、音を電気増幅させるため共鳴箱としての役割は低下し、それゆえにボディの形、構造、素材も変わってきている。
🔵トップ
表板のこと。通常はサウンドホールが開けられている。
大別して2種類あり、平らなのを「フラット・トップ」、弓形に湾曲しているのを「アーチド・トップ」と言う。
弦の張力がかかるため強度が必要で、同時に良い共鳴板であることが要求される。
そのため木材は、スプルース、シダー、レッドウッドなどが使われる。
🔵サイド(リムとも呼ぶ)
側板のこと。
🔵バック
裏板のこと。
弦の振動音を増幅・拡大させる役割があるため、素材が重要となる。
素材はローズウッド、メイプル、マホガニーなどが多く、特にブラジル産のローズウッド(ハカランダ)は最高級品として有名。
🔵ラウンド・バック
裏板のうち、丸い形状のものを言う。
必然的に側板と一体型となる。
🔵ディープ・ボディ
アコギの中で、ボディが厚めのものを言う。
パワフルで深みのある音が特徴。
ラウンド・バックの場合、「ディープ・ボウル」と呼ぶ。
🔵シャロー・ボディ
アコギの中で、ボディの薄めのものを言う。
高音がよく出る、歯切れのよい音が特徴。
ピックアップを内蔵したアコギに多く採用されている。
ラウンド・バックの場合、シャロー・ボウルと呼ぶ。
🔵ワンピース・ボディ
ソリッドギターのうち、1枚板で出来ているもの。
2枚の板を貼り合わせたものをツーピース、3枚はスリーピースという。
🔵ホロー・ボディ
内部が空洞になっているもののことで、フルアコとセミアコを指す。
🔵サウンド・ホール
表板に開けられている穴のこと。
ボディの共鳴音は、ボディ内部で偏向、集中されてサウンドホールから外へ放出される。
サウンド・ホールには、トーンのバランスをとる機能があるらしく、 大きくすると高音域がより強調されるという。
その形は、f形と丸形に大別される。
🔵サステイン・ブロック(サステイン・プレートとも言う)
エレキギターのボディ内に、サステインの向上のために埋め込まれた金属片のこと。
普通はブリッジ・サドルの真下にセットされる。
🔵ブレイシング
アコギのトップの裏側に入れられた棒状の補強材。
補強材とはいえサウンドに影響が出るため、各メーカーによってパターンの研究がされている。
🔵バインディング
ボディやネックのまわりについている、装飾縁取りのこと。
音質には関係がなく、角を保護するためのものである。
アコギに多いが、エレキのソリッドギターにも時に見られる。
🔵ピックガード
ボディの表面に取り付けられた、ピッキングによるキズを防ぐための板。
アコギではサウンドホールの右側や両側に貼り付けられ、クラシックギターでは「ゴルペ板」と呼ぶ。
エレキギターでは、アーチド・トップではボディから離して固定され、フラット・トップではボディ表面に固定される。
ピックアップやコントロール類が取り付けられているものもある。
🔵スピード・ノブ
エレキギター用のボリュームつまみのうち、操作しやすいタイプ。
ボリューム奏法に向く。
調整を素早く行うために設計されており、一般のノブが山高形なのに対し、円筒形である。
🔵ストラップ・ピン
ストラップを固定するためにボディに取り付けられたピン。
普通はネックとボディの接合部(の付近)にある。
🔵エンド・ピン
ボディの底に取り付けられている、ストラップを固定するためのピン。
🔵ストラップ
元来は皮ひもや皮帯を意味する。
ギターでは、立って演奏する際に肩または首からギターを吊り下げるための用具を指す。
一般的なものは皮または布でできたベルト状のもので、一方はストラップピンに、もう一方はエンドピンにひっかけて使う。
ストラップ・ピンではなく、ヘッド部の付け根で結ぶタイプもある。
🔵ボディのフィニッシュ
仕上げのことで、ギターでは主にフィニッシュ・カラー、すなわち表面の色のことを言う。
①サンバースト
フィニッシュの一種で、「ぼかし」のこと。
周囲を濃くし、センターを薄くするのが一般的。
これは、1950年代にフェンダー社やギブソン社が良質の木材の使用を示すため、センター部を薄い塗装にしたのが始まりである。
②ナチュラル・フィニッシュ
透明または透明に近い塗装で仕上げられたもの。
🔵リフィニッシュ
仕上げ直すこと。
ギターでは塗装を塗り変えることを指す。
色が剥げてきたためや、自分の好みの色に変えるために行われる。
(以下は『Jギターcom』というサイトから抜粋
2010年6月9日にノートにとり勉強した)
🔵ボディ材について
それぞれの木材の弱点を補いあってバランスをとるため、2つの材を組み合わせる、「ラミネイト」という手法がよく使われる。
その代表はレスポールで、メイプルをトップに、マホガニーをバックに使用している。
ボディは、その厚みでもサウンドは変わる。
以下の各木材の特徴を記す。
🔵アッシュ(日本ではセンと呼ばれる)
クリアーな中高域と、音抜けの良さが特徴。
カナダ、北アメリカ産が中心で、初期のフェンダー製(1956年頃まで)によく使用された。
なお、この時期の軽いアッシュは、ライト・アッシュと呼ばれる。
1970年代頃からは非常に重いものが多い。
🔵アルダー
現在でもストラトによく使われている。
軽くて、中域に特徴があり、バランスが良い。
枯れた音という印象。
🔵マホガニー
ギブソン製によく使用されるが、非常に軽い。
アコギのサイドやバックにも使用される。
ファットで暖かみのある中低域に特徴がある。
あまり歯切れはよくないので、ハムバッキングのピックアップと相性が良い。
マホガニーは、センダン科マホガニー属に属する3種の木を指す。
赤茶色である。
丈夫で加工しやすく、心材は赤みをもった美しい光沢を示す。
乱伐されたので、ワシントン条約で取引が制限されている。
現在は入手困難のため、類似した外見の異なる木もマホガニーの名で流通している。
本来のマホガニーは、中米から南米にかけて生えている。
生息地域で3つに分類され、①マホガニー、②オオバ・マホガニー、③メキシコ・マホガニーに分かれる。
だが現在は、世界中の熱帯地域で植林されている。
🔵メイプル
クリアーでアタックの強い、タイトな輪郭のハッキリした音。
重量があるので、ボディ全部に使用は少なく、トップのみの使用が多い。
木目の美しいもの(トラ目、キルト、バーズアイなど)は、高額で取り引きされる事も多い。
🔵ウォルナット
アタックが強く、高域がストレートに出る。
硬いのでネックへの使用も多い。非常に重い。
キレイな木目と茶色の美しさは魅力的。
🔵バスウッド
近年になってよく使われ始めた。アルダーに似た特徴を持つ。
軽いアルダーという印象。
高城から低域までバランスが良い。
🔵ローズウッド
全てローズウッドのテレキャスターで有名。
マホガニーを少し硬くして、ウェットにした音。
重量があるのでエレキギターにはあまり使わず、アコギのサイドとバックによく使われる。
ローズウッドは、ツルサイカチ属の木のうち、およそ12種類を言う。
色鮮やかなタイプを特にローズウッドと呼ぶ。
この木は強く甘い匂いがし、長年持続する。そのためローズウッドと呼ばれる。
丈夫で重く、素晴らしく磨きが利く。だが現在は数が少なくなった。
非常に硬くて、密度が高い木材である。
最も高く評価されているのは、ブラジリアン・ローズウッド。
これはブラジルの一部にしか生えていない。絶滅の危機にあり現在は取引が違法。
次によく知られるのが、インディアン・ローズウッドである。
(2025年11月3日に作成)