タイトルDACの話(1つは1998年時点)

(以下はそんぴ氏の1998年のネット記事から抜粋
2012年3月17日にノートにとり勉強した
補足だがそんぴ氏は今は「そんぴの近況」というブログを書いている)

🔵CDの16bitと44.1kHzという規格

16bitとは量子化分解能のことで、16桁の0と1を使い、6万5千の段階を作り出す。

最大値と最小値を決めて、その間を6万5千で区切り、最も近い値を選ぶ。
これが「量子化(クォンタイズ)」である。

音の信号情報(電圧の変化)を、離散的なデータに変換する。
これが「標本化」(サンプリング)である。

CDは標本化周波数(fs)が44.1kHzで、これは「1秒を44100に分割する」こと。

電圧値はbitで、時間はkHzで数値化している。

🔵DACのノイズフィルタ

CDの信号情報は、「階段上の波形」である。これによるギザギザが「量子化ノイズ」だ。

ノイズは音楽信号(CDは20kHzまで)よりも周波数が高いため、フィルターを通して高い周波数成分を除去してやると、きれいな波形を再現できる。

CDの初期は、このフィルタの性能が勝負だった。
20kHzまできっちり通して、44.1kHzですっぱり遮断するのはどうやっても無理である。

🔵DACによるオーバーサンプリング

DACに「デジタルフィルタ」を最初に導入したのはヤマハだった。

データとデータの間を「補完」して88.2kHzで標本化すると、その後のアナログ・フィルタは簡素になる。

このアイディアによりCDプレイヤーは低価格化が可能となり、ヤマハは初めて定価が10万円を切るCD-X1を発売した。

4fs、8fs、16fsと、オーバーサンプリングはエスカレートしていったが、4fs以上は大した改善はないと判り鎮静化した。

🔵DACによるハイビット化

これを仕掛けたのもヤマハで、18bitのDACを使う「Hi-bitシステム」を発表した。

デジタルフィルタでデータの間を埋めると、算出された値にしばしば「端数」が出る。

デジタルフィルタを(16bitではなく)18bitで計算するものにして、18bitのDACで復調してやれば、より正確な出力(音質)となる。

このハイビット化もすぐ競争となり、1998年現在は20bitが主流になっている。

20bitになると(量子化分解能は)100万もの段階になり、階段状のデータをまっすぐに(線状に)作るのは容易ではない。
現在は直線性の良い20bitDACを作るのは困難。

🔵マランツの4fs・14bitのDAC

この製品は、日本では「下2bitを捨てて14bitにするなんて」と不人気だったが、音は良かった。

DACは14bitだが、システム全体では17bitであった。このシステムは初めてNS(ノイズ・シェイピング)を作った(採用した)製品だった。

14bitだと段階は16bitの4分の1になり、同じ精度ならば16bitよりも高精度となる。

DACの精度とは「最小bit何個分の狂い」のため、最小ビットの大きな14bitのDACは、その分狂いが小さい事になるのだ。

(※正直言って、ここの部分は私には読んでも理解できなかった。)

🔵1ビットのDAC

ハイビット競争の中で、フィリップス社がこれを発表した。

0と1の2値のみで出力する「1bitのDAC」は、フィリップス&ヤマハによるPDM(パルス密度変調)系と、ソニー&松下によるPWM(パルス幅変調)系の2つがある。

PWMはハイブリッド系DACで、厳密には1bitではない。

PDM系の1ビットDACの精度は、電圧的には電源の精度(電源電圧の変動が信号にモロに乗る)で、時間的には水晶発振器の精度で決まる。
きちんと作れば直線性のよいDACになる。

一方、PWM系には「ノイズシェイピング(NS)」という技術が欠かせない。

🔵NS(ノイズ・シェイピング)

オーバーサンプリングを行うと、4倍につき1bitの分解能UPとなる。16倍で2bitである。

そこにNSを使うと、更に2倍につき1bitのUPとなる。

つまりNSを使うと、4fsで3bit、8fsで4.5bit、16fsなら6bitもUpする。

先述のマランツのシステム(14bitのDAC)は、4fsでNS付きなので、+3bitとなり17bitになるわけだ。

NSは、3重以上にかけようとすると不安定になる。

そこでフィリップスは、2次NS付きの128fsの1bitDACを作った。
これだと128fsのため+17.5bitとなり、トータルでは18.5bitになる。

🔵MASH

MASHは、NTTと松下が協力して作ったもので、3次のNSに挑戦して実現させた。

3次にこだわったのは、PWM系DACが宿命的に持つ、高周波ノイズの問題を軽減したかったためだ。

PWM系は高周波のパルスを使うため、(高周波が)空中を飛んでオーディオ信号に飛び込んでしまう。

MASHは、PWM糸DACをポータブル・プレイヤーに採用したかったため、3次に挑んだ。

🔵そんぴ氏の意見

高速の8~12bitのDACに、安定的な2次のNSを併用して16~64fsで使えば、高周波が出ず直線性のよい最高のDACが作れる筈である。

8~10bitのDACはVIDEO用の高速な製品が安価であるから、これを使わない手はないという論文を、私が同人誌に発表したのは5年前だ。

オーディオ技術者が馬鹿ばかりでなければ、21世紀はミドルbitのDACの時代となり、マランツの14bit・DACは歴史の金字塔となるだろう。

(以下は2011年8月15日のネット記事から抜粋
2012年3月19日にノートにとり勉強した)

🔵DACの2011年時点の状況

最近は192kHz、24bitのDACがリニアPCMフォーマットの最上位である。

この最新フォーマットに対応することと、フォーマット相応の音を出すことは全く異なる。対応している機器でも音質に大きな差がある。

🔵マルチビットと1ビット

1980年代半ば~90年代半ばに話題となったのが、この2つの対決である。

簡単に定義すると、マルチビット型は「バイナリを重み付けしたアナログの電流セグメント方式」。

1ビット型は「△Σ変調(別称はノイズ・シェーピング)方式」である。

この2つを組み合わせた「Advanced Segment型」もあった。

マルチビット型は、例えば16bit量子化で得られる65536ステップでアナログ振幅を表現する。

対して1bit型は、アナログ振幅をPDMかPWMで表現する。

そしてAdvanced Segment型は、例えば67ステップに分け、各ステップでPDMを組み合わせる。

マルチビット型は、初期はゼロ点で発生する変換誤差が最も大きかった。

サイン・マクニチュード方式にすると、ゼロクロス歪みは原理的になくなるので、採用された。(※この方式は後述)

1ビット型は、△Σ変調をベースにしており、PDMまたはPWMで変調した信号を低域通過フィルタでアナログ信号にする。

フィルタのみでアナログ化するので、DAC性能にアナログ的な精度は要求されず、THP+N特性はほぼ直線的に変化する。

1ビット型の性能は、△Σ変調の次数とサンプリング周波数で決まる。

ノイズ・シェーピングをするため、帯域外に大きなノイズが含まれる。
初期はクロック・ジッタの影響を受けやすかった。

マルチビットは力強くて芯がしっかりあり鮮やか、1ビットは透明感があり繊細でさわやか、というそれぞれの特長があった。

「ピアノのアタック感はマルチでないと得られない」という評価もあった。

DVDやSACDという新しい規格が登場すると、マルチビットと1ビットの対決に関心が集まらなくなり終息した。

🔵サイン・マグニチュード方式

D/A変換の出力側に、反転アンプと非反転アンプを用意し、サイン極性(+か-か)に応じてスイッチングしてバイポーラ信号を得る方式のこと。

(以上は2026年1月29~30日に作成)


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