タイトル△Σ変調、オーバーサンプリング、MASH、DSD

(以下はネット記事とウィキペディアから抜粋
2012年3月17~20日にノートにとり勉強
2026年6月4~5日に作成)

🔵△Σ変調とは

△Σ変調は、信号を1bitに変換する手法の一つで、A/Dコンバータに使われる。

A/D変換の際にノイズ分布を整形し、小さなbit数で符号化する回路形式のこと。

1960年の初めに、学生だった安田靖彦が開発した。

最も簡単な一次の△Σ変調は、入力→積分器→量子化器→出力(1bit)の構成で、そこにフィードバック・ループが加わっている。

1bitの量子化を行うメリットは、「単一のしきい値」のみで実現できること。

16bitなどの多ビット化だと、「2の16乗-1個のしきい値」が必要で、さらに正確に等分されなければならない。

1bit化のメリットは、信号処理の回路が簡単な点も挙げられる。

1bitでは正確な信号情報にならない(※情報量が不足する)ため、「ノイズシェーピング」と 「オーバーサンプリング」で補う。

ノイズシェーピングは、積分器とフィードバックにより生み出される。
これはオーバーサンプリングと同じく、ノイズを高周波数の領域へ押し出す。

△Σ変調は、ノイズを高周波数の帯域に押しやる(移す)特性を元々備えている。

🔵オーバーサンプリング

サンプリングとは、アナログ信号を一定間隔の時間や座標で離散化(ディスクリート)し、数値に変換(量子化)すること。日本語では標本化という。

サンプリング周波数とは、1秒間あたりの変換(量子化)回数をいう。
Hzの単位で表す。
CDでは44.1kHz、DVDオーディオでは96kHzまでサポートしている。

オーバーサンプリングとは、A/D変換や信号再生のときに、実際よりも高いサンプリング 周波数を用いて処理を行うことを言う。
信号帯域よりも高い周波数でサンプリングを行う。

ノイズ除去のフィルタが簡素で済み、ノイズ除去時の信号への影響も少なくなる。

余分なデジタル処理が必要となるため、機器に高い処理能力が求められる。

人間の可聴帯域は20Hzから20kHzとされている。

サンプリング定理によると、20kHzまでを表現したい場合、2倍の40kHzでサンプリングすればよい。

COの場合、44.1kHzよりも高い周波数でサンプリングすることでノイズを減らせる。

時間方向に情報を展開・補強しているイメージだ。

オーバーサンプリングを行って、ノイズが広く薄く分布するようにする。
サンプリング周波数を倍にすると、ノイズも倍の帯域に分散する。(パーセバルの定理)

サンプリングの倍率のことを、「オーバーサンプリング係数」と言う。
例えばCDの場合、64倍なら周波数は2822.4kHzとなる。

現在(2012年時点)は、CDの64~128倍で高速標本化する。

A/D変換の場合は、ノイズをデジタル・ローパスフィルタで除去してから、サンプリング周波数を64分の1に間引く(デシメーション・フィルタを使う)ことでCDなどの符号にする。

D/A変換の場合は、△Σ変調器でノイズを整形し、低bitのD/A変換を行い、アナログ・ローパスフィルタでノイズを除去する。

通常のサンプリングもオーバーサンプリングも、ノイズの総量は同じ。
だがオーバーサンプリングすると、ノイズが高周波数帯に引き伸ばされて移動するため、可聴帯域でのノイズ量が減る。

「量子化雑音」とは、A/D変換の過程での量子化で生まれるノイズである。
アナログ値とデジタル値の量子化誤差によって生じる。このノイズは非線形である。

🔵MASH、DSD(ダイレクト・ストリーム・ディジタル)

△Σ変調器の帰還ループを2次以上にすると、ノイズはより急峻な特性となり、音質は向上する。

しかし超高域にノイズが集まるため、3次以上は発振の恐れがある。

発振防止策として、ループ内の量子化器を複数ビットにした上で、ディザを導入することが実用化された。
これを使った20bitのA/D変換回路が普及した。

その後にMASHが開発された。
MASHは32fs動作の3次△Σ変調器と、PWMの1bit量子化器を用いた。

「MASH」は、パナソニックとNTTが共同開発した△Σ変調の方式で、一般には「1bit DAC」として知られる。

△Σ変調器を多段に接続することで、安定した伝達関数が得られる。

1段の△Σ変調器にはない欠点として、アナログループ・フィルタとデジタル・フィルタのミスマッチによるSN比の悪化がある。

近年では、再び1bitではなく複数ビットの量子化器を用いるようになった。

この場合に問題となるゼロクロス歪みは、抵抗器のローテーションなどで解決している。

『高速標本化1bit信号処理』という新技術は、山崎芳男が考案した。

これを行えば、録音・再生時にPCM信号に変換せず、そのまま伝送できる。

この技術からSACDのDSDは生まれた。
DSDは、1bit・64fsの高速標本化1bit信号を、直接記録・再生する方式である。

別の言い方をすると、1bit・64fs(2822.4kHz)の△Σ変調信号を直接記録・再生する方式。

この場合、アナログ・フィルタを通すだけで信号を得られる。

「DSD(ダイレクト・ストリーム・ディジタル)」は、SACDのA/D変換の方式である。

原理自体は古くからあるPDM方式であり、キャッチャーな名前を付けただけ。
「1bit オーディオ」の別名も付いている。

DSDのサンプリング周波数は、CDの64倍である2822.4kHz(2.8224MHz)。
比率が整数比なのでCDとの互換性を持ちやすい。

高域は100kHzまでカバーし、瞬発力が速く、データも軽くて済む。
消費電力も低い。

短所は、高周波数になるほどノイズが増えること。

DSDは理論上はDACを必要としないが、実際にはS/N比が確保できないため、DAC無しはまだ一般的でない。(※2012年時点)

比較器・量子化器が高速化すれば、△Σ変調を用いない超高速1bit処理も考えられる。

なお、近年の録音は128fs 1bit△Σ変調が用いられている。
量子化器は4~5bitのものもある。

このためDSDフォーマット(1bit 64fs)と合わず、情報の間引きが行われ、ダイレクトではなくなっている。


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