(『図説 楽器の歴史』フィリップ・ウィルキンソン著から抜粋)
🔵オルガン
オルガンは、空気をためて圧力を加え、その空気を放出する時にヴァルヴを通してパイプへ送り込むことで、音を出す。
パイプはそれぞれ調音されており、パイプの長さで音高が決まる。
音質はパイプの歌口の位置などで決まる。
さらに「リード管」と呼ばれるパイプは、木管楽器のリードと同じく、リードの振動で音が出る。
オルガン奏者は、「ストップ(音栓)」と呼ばれるつまみを操作して、使うパイプ群を選択する。
ストップの操作で、パイプに空気を送るか遮断するかを切り替える。
昔はふいごで風(空気)を送り込んでいたから、演奏するには風を送り続ける人員が必要だった。
現在は電動式になっている。
オルガンの起源は、前3世紀のアレクサンドリアにいたギリシア人のクテシビオスが発明した、水力で空気を送り込む「ヒュドラウリス」である。
そこから数百年の間に、水力ではなく、ふいごを使うのが定着した。
だが中世以前のオルガンは、資料が少なく、よく分かっていない。
オルガンは巨大化していき、鍵盤もパイプも増えたが、まだストップは無かった。
15世紀頃に、ストップを備えたオルガンがヨーロッパ各地に普及した。
オルガンは改良されて複雑化していき、様々な音色を出すためのストップが追加された。
音量も大きくなった。
オルガンは教会音楽によく使われ、ルネサンス以降はオルガン奏者が教会に所属して作曲した。
若き日のJ・S・バッハも、教会付きのオルガン奏者だった。
バッハはオルガン奏者のディートリヒ・ブクステフーデに師事して、演奏法と作曲法を学んだ。
19世紀の後半に、ロマン派の作曲家がオルガンを交響曲に使って、オルガンは再注目された。
リスト、サン=サーンス、マーラーなどが交響曲に使った。
🔵ハルモニウム(リードオルガン)
ハルモニウムは、足踏みペダルの付いた小型の鍵盤楽器で、パイプではなくリードで音が発生する。
これは家庭用のオルガンとして考案された。
ペダルを踏むと送風システムが作動し、リードの付いたプレートの下にある風箱に空気がたまる。
その状態で鍵盤を押すと、そのキーのリードにだけ空気が送られて音が出る。
リードの長さで音程が変わる。
ハルモニウムにも、オルガンの音栓(ストップ)に似たものが付いていて、音の通り道のサイズを変えて音色を変えられる。
音量を調整する音栓もある。
ハルモニウムには最大4個のリード・プレートがあり、どの列を使うかを音栓で選択して、異なる音色や音域にできる。
ハルモニウムは、アレクサンドル=フランソワ・ドゥバンが考案し、1842年に特許を取得した。
アレクサンドル社が製造権を買い取り、ハルモニウムを売り出した。
サン=サーンス、ドヴォルザーク、フランク、ロッシーニが、ハルモニウムの入った曲を書いている。
(2023年8月29日に作成
2024年11月12日にハルモニウムを加筆)