(『図説 楽器の歴史』フィリップ・ウィルキンソン著から抜粋)
○セルパン
セルパンは、1590年にフランスで、エドメ・ギヨームによって発明された。
この楽器は木製だが、発音体はマウスピースである。
だから口唇で音程をコントロールする。
曲がりくねった形をしており、音孔がある。
セルパンは、コルネット属のバス音域の楽器として作られた。
そして教会で合唱の伴奏をつとめた。
18~19世紀になると、セルパンは吹奏楽団でよく使われた。
ハイドンはオラトリオ「天地創造」に、ベルリオーズは「幻想交響曲」に、セルパンを使っている。
オフィクレイドやチューバが低音楽器として登場すると、セルパンは使われなくなり、19世紀末に姿を消した。
ただし現在では見直されて、演奏されるようになっている。
(2023年8月29日に作成)