(以下は『音楽の正体』渡辺健一著から抜粋
2010年8月4~5日にノートにとり勉強したものを転載)
○2拍子
2拍子は、心臓のドックンドックンのように、最初の拍にアクセントがある。
アフター・ビート(後ろの拍にアクセントがあるリズム)は自然の摂理に逆らっている。
逆らう事で麻薬的な刺激を作り出そうとするのがアフタービートなのだ。
我々の心臓は緊張すると早鐘のように鳴る。
その時アクセントは、ひっくり返ったドクドクになる。
ドキドキする場面では、我々はアフター・ビートを聴いているのである。
だからアフター・ビートのロックを聴いて、心の底から安まることはない。興奮してくる。
反対にクラシックは表拍にアクセントがあるので、「これじゃ乗れねーよ、興奮しねーよ」 となる。これは当然なのだ。
通常のビートは心安らかな状態の心音を、アフター・ビートは興奮状態の心音を再現しているのだ。
〇4拍子
2拍子を2つ合わせたもので、2つの力関係は2拍子の原則が当てはまり、最初の方が強い。
つまり強・弱・中強・弱となる。
○複合拍子
複合的な構造をしているものをまとめて複合拍子という。
「6/8拍子」は、3+3の構造。つまり、元来は2拍子なのだ。
2拍子の中に3つずつの音符が入っているとも言える。
つまり2拍子の1拍ずつを3拍子にしたものだ。
「9/8拍子」は、3+3+3の構造。つまり、3拍子を3拍子の中に入れたもの。
「12/8拍子」は、3+3+3+3の構造。つまり、3拍子を4拍子の中に入れたもの。
○特殊拍子
2拍子と3拍子を横に並列的にくっつけた拍子である。
要するに2つの拍子を1小節内で交互に使っているのだ。
「5/4拍子」は、3/4拍子と2/4拍子をくっつけたもの。
「7/4拍子」は、3/4拍子と4/4拍子をくっつけたもの。
○日本人のリズム感覚
日本人は、ワルツ(3拍子)が下手である。
日本人がヨーロッパで演奏すると、よくワルツが下手と言われる。
ワルツそのものが難しいわけではない。
日本人に3拍子が馴染まないのである。
日本古来の曲に3拍子は極めて少ない。みんな2拍子系だ。
西洋音楽では3拍子は重要な位置を占めている。
特に舞曲においてはそうだ。
馬の走るリズムは3拍子だ。
馬に親しんだ狩猟民族にとっては、3拍子は自然なリズムである。
これに対し稲作中心の民族は、2拍手で田植えや稲刈りをする。
田楽などの歌謡も2拍手系である。
日本人は稲作をしてきたから、自然に2拍子が肌に馴染み、3拍手が苦手になったのだ。
(以下は『リズム&~(詳細不明)』からの抜粋
2009年11月28日にノートにとり勉強したもの)
○4ビート
4ビートはジャズで多用されるリズムで、8分音符にする場合、ほとんどはスウィングという跳ねたリズム(バウンスとも言う)でプレイされる。
3連符を基本にした跳ね方が主だが、あまり跳ねないものから、十分に跳ねるものまで様々なバリエーションがある。
ポップス、ロックの場合は、「4分音符+8分音符」(タータ)の3連符が基本となる。
4ビートでは、メロディやアドリブではあらゆる音符が使われる。
スウィングのノリでは3連や6連はプレイし易いが、16分は意外に難しい。
跳ねるノリに惑わされずに、均等に1拍を4分割してプレイしよう。
○8ビート
シンプルなロックやフォークに多く、淡々とした進行感がある。
ポップスやロックでは最も多用されるリズムで、同時にあらゆるリズムの基本となるリズムだ。
8ビートでノリの良いプレイができなければ、他のどんなリズムでも満足なノリにならない。
16ビートよりもアラが目立ちやすく、ごまかしが効かないリズムでもある。
メトロノームに合わせてプレイし、録音して、細部までチェックを行うことが大切だ。
ピックを使ったプレイでは、オルタネイト・ピッキングがベストで、休符が入っても右手の振りは止めず、 空振りして規則的なダウン&アップを続けるのが基本だ。
常に拍のアタマ(強迫)はダウンにする。従って1拍目が休符の場合、2拍目をアップから始める。
16分音符が混じる場合、16ビートのオルタネイトを使う手もあるが、あくまで8ビートのノリを重視するなら、16の部分だけ手の振りを倍にするやり方もある。
ミディアム~スローのテンポなら弾きこなせるだろう。
○16ビート
フュージョン、ポップス、ロック、ラテンなどでよく使われる。
ピッキングは、16ビートのオルタネイトが基本となる。
16分音符ならではの細かいノリを活かしたリズムが、最も16ビートらしいリズムと言える。
スタッカートやテヌートを含むフレーズは、ピッキングと腕の振りが不正確になりがちなので、規則正しい振りをしながらメリハリを出せるよう練習しよう。
○音符の長さはとても短い
テンポがBPM=120の場合、4分音符の長さは0.5秒である。
8分音符ならば0.25秒、16分音符ならば0.125秒だ。
つまり16分音符のフレーズでは、0.1秒でもズレてしまうと、とんでもなくノリが悪いことになる。
実際には、0.05秒程度のズレがノリを大きく左右する。
(以下は、どの本から抜粋したか不明)
○モチーフについて
ヒット曲やスタンダード曲をよく見ると、1~2小節の同じリズムパターンがくり返されていることに気づく。
メロディは8や16小節の単位に見えるが、細かく見ると1~2小節の小さな単位でできている。
この一番小さな単位を、モチーフ(動機)と言う。
これが作曲の大事な要素になる。
例えばベートーベンの交響曲・運命は、出だしの「ダダダダーン」がモチーフとなり、それを基に重なり合って出来ている。
モチーフをレンガにたとえると、運命はレンガを組み合わせた大建築物と言える。
整然と重ねられたレンガだからこそ、曲として統一感が出る。
どういうモチーフかで、曲全体のイメージが決まる。
同系色で全体を統一していくことが大切で、その点は音楽も絵も服装も同じだ。
同じような色でそろえて、ワンポイント(少し変化させたモチーフ)のアクセントを付けるとよい。
モチーフのリズムパターンを変えると、曲にスパイスをきかせられる。
シンコペーションを使って曲に特有のリズム感を与えるのも、テクニックの一つだ。
バロック風のモチーフを使うと、拡大すればフーガも書ける。
フーガに成り得るモチーフは、バロック音楽を学ぶと作れる。
昔の西洋音楽は、「ミ→#レ→ミ」や「ソ→#ファ→ソ」というような、半音の動きが多い。この動きをメロディに入れると西洋的になる。
反対に日本の四七抜きの歌謡曲は、#を絶対に使わなかった。
(2024年10月1&9日に作成)