(しんぶん赤旗2014年8月24日から抜粋)
最低賃金とは、賃金の最低額を決めて、それ以上の支払いを使用者に強制し、労働者に人間らしい生活の保障をする法制度です。
憲法25条(生存権の保障)を、賃金面で具体化したものです。
最低賃金は、全国一律にすることが肝要です。
フランス、アメリカ、イギリスや、最近ではドイツも、全国一律にしています。
これらの国々の最低賃金は、日本よりも20%以上も高くなっています。
全国一律にすることは、労働者の運動を全国で統一できる利点があります。
最低賃金の闘争は、自然発生的には発展しにくいので、全労連などの役割が重要です。
日本政府は、労働団体などの全国一律を求める運動をかわして、1978年からABCDの4ランクに分けた「目安制度」を導入しました。
今年の目安は、全国平均で16円の引き上げ(2.1%増)が提示されています。
これは、消費増税と物価上昇を考えれば、実質的には引き下げです。
地域間の格差も増大しそうです。
今年の目安では、最高ランクは19円増、最低ランクは13円増です。
最高額の東京都は888円、最低額の9県は677円となり、格差は拡大します。
現在の最低賃金は、「生活できない額」です。
最低ランクの9県では、1日8時間で20日働いても、月額は10万8千円です。
最低賃金だけでなく、『生活保護費』も、安倍晋三・政権は削減しています。
昨年から来年にかけて、総額740億円(平均6.5%)も削減されます。
(2014年11月12日に作成)
(東京新聞2021年12月25日から抜粋)
日本政府は、子供の貧困に関する、初の実態調査をし、結果を公表した。
貧困世帯の37.7%が、ひとり親世帯では3割が、食料が買えない経験をしていた。
調査では、年収が159万円未満を貧困の世帯とし、アンケートをとった。
この調査報告書では、親から子への「貧困の連鎖のリスク」が裏付けられたとしている。
大学またはそれ以上に進学したいと答える子供は、通常だと5割いるが、貧困世帯は28%にとどまった。
貧困のため進学を諦めている子供がいると見られる。
(2023年5月19日に作成)
(以下は『毎日新聞2013年5月12日』から抜粋)
貧困家庭の子供は、高校や大学への進学率が低くなり、就職でも収入の良い仕事につきづらくなっている。
もともと日本では、子供の貧困率が先進国の中で高かった。
それが最近はさらに進んでいる。
母子家庭の平均年収は、1998年は201万円だった。
それが2010年には113万円に減っている。非正規雇用が増えたからだ。
安倍政権による生活保護費の引き下げは、貧困家庭をさらに苦しめることになる。
子供や弱者に手厚かった民主党政権の施策を否定する行為である。
(2024年5月4日に作成)