安倍政権を見極める⑱
親友の百田尚樹氏の発言があまりに酷い

2015年6月26日の国会では、前日(25日)に行われた『自民党の文化芸術懇話会』の内容があまりに酷いことが取り上げられました。

講師として呼ばれた百田尚樹さんの発言と、そこに参加した自民党議員の発言が、あまりに無知かつ無神経なため、民主党の議員らが取り上げたのです。

私はその国会中継を見ましたが、彼らが会で語ったという暴言の数々に、心底から呆れました。

発言については、民主党の寺田さんが事実確認を求め、議長が自民党議員に昼休みに聴き取りをし、事実だと確認されました。

で、本日の新聞を見たところ、我が家が取っているのは毎日新聞と東京新聞なのですが、問題発言の全容は書かれていませんでした。

そこで私は、ネットで検索をかけて様々なページを読み、全容を把握しようとしました。

発言の細部までがっつり報じている記事はないようです。
分かったかぎりを紹介します。

百田尚樹さんは、安倍晋三さんが彼の論調に共感して、携帯に電話をして知り合いとなり、一緒に本を出した人物です。
さらには、安倍政権はNHKの経営委員に百田さんを選出しました。

ですから、「安倍さんの親友」といって差し支えないでしょう。
だからこそ、自民党の懇話会(それも第1回目)に百田さんは招かれたのです。

過去の経緯を考えると、安倍さんと百田さんの思想はほぼ一緒と見ていいでしょう。

以下の百田さんの発言を読めば、安倍首相の(安倍政権の)本質に迫れるはずです。

(沖縄タイムス、琉球新報、朝日新聞などのウェブサイトから抜粋)

○ 百田尚樹の発言

(普天間飛行場の成り立ちは)もともと田んぼの中にあり、周りは何もなかった。

基地の周りに行けば商売になると、何十年もかかって基地の周りに住みだした。

基地の地主さんは、年収が何千万円なんですよ、みんな。

ですから、その基地の地主さんが、六本木ヒルズとかに住んでいる。大金持ちなんですよ。

(普天間飛行場の騒音について)うるさいのは分かるが、そこを選んで住んだのは誰だと言いたい。

基地の地主は大金持ち。基地が出て行くとお金が無くなるから困る。
沖縄は本当に被害者なのか。

沖縄の2つの新聞は、潰さないといけない。

あってはならない事だが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば、目を覚ますはずだ。

沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪のほうが、はるかに率が高い。

政治家は、言葉が大事だ。
政治家もある程度、負の部分はネグったらいい。

いかに心に届くか。
その目的のためには多少…、もちろんウソは駄目ですが。

○ 沖縄の本当の歴史

普天間飛行場の滑走路の付近は、戦前には宜野湾村役場があった。

周辺には、学校・郵便局・旅館・雑貨店が並んでいた。

さらにいえば、琉球王国の時代には番所(村役場に相当)もあった。

普天間飛行場の場所は、日米の沖縄戦の最中に、アメリカ軍が地元住民を収容所に閉じ込めている間に、建設を強行した基地である。

ハーグ条約違反だが、戦後も居座った。

しかも、沖縄が日本に復帰するまでは落下傘降下の訓練が主で、今のような運用ではなかった。

1974年に滑走路が整備され、76年に岩国基地から海兵航空団が移駐してきたが、75年には人口は5万人を超えていた。

市街地に航空団がやってきたのである。

百田氏は虚像を拡大させ、極めて悪質である。

地主に支払われている軍用地料は、地主4万3025人のうち、100万円未満が2万3339人で54.2%を占めている。

100~200万円が8969人で20.8%を占め、500万円以上は3378人で7.9%だ。

軍用地料は、日本政府が支払っている(アメリカ軍ではない)

ついでに、会に出席した自民党議員たちの発言も、彼らの思想を知るのに良い材料なので、書きます。

大西英男・衆院議員

マスコミを懲らしめるには、広告収入がなくなるのが一番。

不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい。

井上貴博・衆院議員

福岡の青年会議所の理事長だった時、マスコミを叩いた事がある。

日本全体でやらなきゃいけない事だが、スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえる事が分かった。

長尾敬・衆院議員

沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは、戦後保守の堕落だ。

(百田)先生なら沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくために、どのようなアクションを起こすか。
(沖縄は)左翼勢力に完全に乗っ取られている。

以上で、発言(暴言)の紹介を終えます。

こうした発言について、安倍晋三・首相は昨日の国会で「自民党の総裁として、これは問題だと考えないのか。恥ずかしいと思わないのか。」と問われました。

彼は問いに対して、「言論の自由がある」と言って、責任を追及しないと答えました。

権力者(政治家)が「積極的に言論に介入しよう」と主張している事について、「その意見は言論の自由であり、問題はない」と発言するなんて、それだけで首相を辞めるに十分です。

安倍さんは、『言論の自由とは何なのか』が全く分かっていないです。

自民党では、25日に別の勉強会も開かれる予定だったが、幹部からの圧力で中止に追い込まれました。

安倍自民党は、党内での自由な議論を制限し、党外でも制限しようと画策してきました。

私は以前の日記で、「今の自民党は、日本ファシスト党なのかもしれない」と書いたのですが、非常に残念なのですがそれが正しかった。

いよいよ完全に馬脚をあらわして、国民からの支持を失ってきています。
もう安倍政権は長くないでしょう。

(2015年6月27日に作成)


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