安倍晋三・暗殺事件の勉強⑦
びびって報じなくなったテレビ朝日、その原因は腐った上層部
(2022.8.10~14.)

前回の安倍晋三・暗殺事件⑥では、テレビ朝日が統一教会についてや、統一教会と自民党の繋がりを、意図的に避けて報じなくなった件が、少し出てきました。

テレビ朝日の弱腰ぶりは、見ていて哀れなくらいなのですが、その原因を解説した記事がリテラにありました。

そこで、今回はこの問題を取り上げます。

〇テレビ朝日で統一教会報道がタブーに! リテラの2022年8月5日の記事から抜粋

統一教会と政界の癒着が話題になっているが、NHK、フジテレビ、テレビ朝日はこの問題を避けている。

政権に忖度するのが常のNHKとフジテレビはいつも通りだが、テレビ朝日の態度は異常である。

テレビ朝日の「報道ステーション」や「モーニングショー」では、統一教会の問題をほぼ報じていない。

「モーニングショー」の場合、ある日を境にいきなり報じなくなった。

モーニングショーには7月18日に、統一教会の問題を長年追及してきた有田芳生が出演した。

そこで有田は次の発言をした。

「1995年ごろに警察は、統一教会の摘発に意欲を示したが、実現しなかった。

その理由を10年後に警察幹部に訊いたところ、『政治の力だった。圧力があった』と答えた。」

この発言は大きな反響をよび、ツイッターでも「政治の力」がトレンド・ワードとなった。

ところが有田発言の翌19日から、モーニングショーは統一教会を取り上げなくなった。

実は19日にも有田は出演する予定だったのだが、いきなりキャンセルになった。

統一教会がらみでは、さらにテレビ朝日は、放送した内容を削除する事までした。

7月24日にテレビ朝日の「サンデーステーション」は、自民党の北村経夫・参院議員が統一教会の支援を受けて当選したことを報じた。

そこでは、北村の元選挙スタッフである近藤将勝がVTRに登場し、次の証言をした。

「2013年の参議院選挙において、北村経夫の後援会名簿に、多数の統一教会系の人の名前が載っていた」

「統一教会系の団体から派遣された女性が(北村の選挙陣営に)いた」

「選挙期間中に統一教会から送られてきたFAXには、北村が教会で遊説する日程が書かれていた」

驚くことにテレビ朝日は、この近藤将勝の証言が入った放送を、アーカイブから削除してしまった。

それだけではなく、放送内容を書き起こした記事が、1日と経たないうちに、テレビ朝日のニュース・サイトからもyahoo!ニュースからも削除された。

誤報だったならば削除も分かるが、近藤の証言は7月26日にはTBSの「News23」も取り上げ、27日には「ミヤネ屋」と「ひるおび!」も取り上げている。

だから誤報ではない。

複数のテレビ朝日関係者に取材すると、次の事情からテレビ朝日の異常な行動が起きたと分かった。

モーニングショーが7月18日に有田芳生の「政治の力」発言を放送したところ、その日のうちに番組プロデューサーが、「上からの指示があった。しばらく統一教会問題はやらない」と通達した。

それでモーニングショーは、19日にも有田を出演させるつもりで、ネタも仕込んでいたが、全てが無しになり、別の話題に差し替えられた。

さらに現場には厳しい箝口令がしかれたという。

この指令を出したのは、今年6月にテレビ朝日の社長に就任した、篠塚浩だった。

篠塚浩は、「テレビ朝日のドン」と呼ばれる早河洋・会長の腰巾着である。

そして早河洋は、安倍晋三とべったりの関係で知られている。

2017年5月24日に、早河洋、篠塚浩、テレビ朝日・政治部長の伊井忠義は、安倍首相と3時間にわたり会食した。

この会食の後、「報道ステーション」や「モーニングショー」は、当時に大きな問題となっていた加計学園を取り上げなくなった。

また2017年夏の都議選の前には、テレビ朝日では「自民党と都民ファーストをクローズアップしろ」との社内メールが回った。
このメールは、篠塚浩の腹心が送信者だった。

テレビ朝日では他にも、老後2000万円問題で麻生太郎・財務大臣を追及した経済部長が更迭されたが、これも篠塚浩の仕業といわれている。

世耕弘成・自民党参院幹事長の言いがかりといえる抗議に対し、報道ステーションが全面謝罪したのも、篠塚の主導といわれている。

前述した、サンデーステーションが報じた近藤将勝の証言を削除した件は、「自民党のある有力議員が、テレビ朝日の上層部に直接圧力をかけたために起きた」と噂されている。

この「自民党の有力議員」とは誰なのか。

まず挙がっているのが、萩生田光一・経産大臣である。

萩生田光一といえば、2017年にテレビ朝日の「グッド!モーニング」で田原総一朗が「萩生田は加計学園問題の一番の責任者」と述べたことに、抗議をした。

田原が述べたのは論評にすぎないが、グッド!モーニングは3日後に謝罪した。

この時に簡単に屈したのも、篠塚浩の差配だったという。

もう1人、「圧力をかけた自民党の有力議員」だった可能性があるのが、菅義偉である。

菅は、報道ステーションやクローズアップ現代に圧力をかけた前科がある。

北村経夫と統一教会の癒着を証言した近藤将勝は、実は菅の関与にも言及していた。

サンデーステーションの2日後に放送された「News23」で、近藤はこう語っている。

「(統一教会系の団体である)世界平和連合と(北村経夫)の関係は、菅・官房長官が北村候補に差配して、北村の選挙支援団体として付けた。

この話を事務局長が私に漏らした。」

ある政界関係者は言う。

「テレビ朝日も、菅義偉の関与をつかんでいた。

だがテレビ朝日はビビって放送しなかった。

テレビ朝日の上層部は、菅にすごく近いうえに、極端に弱腰だ。

だから菅から『なんであんなのを放送した』と言われたら、震えあがって、ニュースを削除するくらいはするだろう。」

テレビ朝日が、統一教会と自民党の繋がりを報じないのは、報道機関として死んだといえる。

(※リテラの記事からの抜粋はここまで)

上の話だけでも、テレビ朝日のトップの腐りっぷりや、自民党議員の腐りっぷりがよく分かります。

しかし、前回書いた『安倍晋三・暗殺事件の勉強⑥』では、「テレビ朝日の実質的なトップは見城徹である」との話も出てきました。

そこでリテラの別記事で見城徹やテレビ朝日を扱ったものを読んだところ、さらにテレビ朝日の内情が書いてありました。

せっかくなので、リテラのその記事たちと、他にも論座の記事を抜粋して紹介します。

〇テレビ朝日が幻冬舎の宣伝機関と化している! リテラの2014年7月24日の記事から抜粋

テレビ朝日の放送番組審議会の委員長に、幻冬舎の社長である見城徹が就いている。

テレビ朝日の関係者は、こう証言する。

「最近のテレビ朝日は、幻冬舎の宣伝装置と化している」

(※見城徹は幻冬舎という出版会社の社長で、音楽・映像会社であるエイベックスの非常勤取締役でもある)

見城徹が、テレビ朝日の放送番組審議会の委員になったのは、2003年だった。

それ以降、幻冬舎とテレビ朝日の関係が密になった。

(※調べたところ、見城は2011年に同審議会の副委員長になり、2014年に委員長となった)

見城徹(幻冬舎)のテレビ朝日への影響は、「モーニングバード」と「ワイド!スクランブル」に顕著である。

例えばモーニングバードは、幻冬舎の取締役で、見城の右腕といわれる舘野晴彦がコメンテーターで出演している。

そしてモーニングバードとワイド!スクランブルでは、やたらと幻冬舎の本と、その著者が取り上げられている。

幻冬舎が出した『置かれた場所で咲きなさい』は、2012年4月に発売されたが、5月のワイド!スクランブルに著者が出演した。

『わりなき恋』も、著者がモーニングバードとワイド!スクランブルでインタビューを受けた。

『人間にとって成熟とは何か』も、著者がモーニングバードとワイド!スクランブルに登場した。

他の本でも同様のことが起きている。

こうした著者の出演は、放送時間を長くとり、大々的に本を紹介(宣伝)している。

大手出版社の営業担当者は、こう説明する。

「幻冬舎の本は、発売直後にモーニングバードとワイド!スクランブルに紹介させるのが、売りパターンになっている」

虚偽記述と著者の経歴詐称が問題となっている、幻冬舎の『食べものだけで余命3か月のガンが消えた』も、モーニングバードで取り上げられた。

見城徹は、テレビ朝日の早河洋・会長や吉田慎一・社長と親密な関係で、彼らと一緒に安倍晋三・首相と会談している。

〇メディア工作も? 幻冬舎・見城社長と安倍首相のただならぬ関係 リテラの2014年7月25日の記事から抜粋

2014年7月4日の「安倍首相の動静」には、こうある。

「18時55分 テレビ朝日の早河洋・会長、吉田慎一・社長、幻冬舎の見城徹・社長(と会合)。
21時4分 私邸着。」

この会合は、見城が主導したという。

ある政治ジャーナリストは言う。

「見城徹は、しょっちゅう安倍首相と会っている。

メディア対策のご意見番と言っていいほどだ。

安倍は、『ここまでこれたのは見城さんのおかげだ!』と公言している。」

安倍と見城は、スポーツクラブで知り合ったという。

そして見城は、安倍の応援団を買って出た。

2012年9月の自民党・総裁選の前には、『約束の日 安倍晋三試論』を幻冬舎は出版して、大々的に新聞広告を打ち、総裁選に出た安倍を支援した。

(※そして安倍は総裁選に勝ち、自民党総裁となって、3ヵ月後の衆院選挙で政権交代が起きて首相になった)

安倍晋三が、前述した「ここまでこれたのは見城さんのおかげだ!」の発言をしたのは、2013年9月20日の銀座での会食だった。

この安倍の言葉をフェイスブックに書いたのは、近藤太香巳・ネクシィーズ社長である。

その投稿を見ると、会食の主催者は見城徹で、楽天の三木谷浩史・社長、GMOの熊谷正寿・社長、エイベックスの松浦勝人・社長、サイバーエージェントの藤田晋・社長が参加している。

彼らは、招致に成功した東京オリンピックの秘話などを話し合ったという。

見城徹は他にも、2013年11月13日には石井直・電通社長と共に、安倍晋三を訪問して会食している。

前出の政治ジャーナリストは説明する。

「見城は、特にテレビ朝日の早河洋・会長と安倍の間をとりもっている。

早河と見城は、2013年3月22日にも安倍と会食している。」

見城徹と早河洋の、権力者との節操のない交流により、テレビ朝日では安倍政権を擁護する論調が増えてしまった。

例えば2013年12月末に安倍が靖国神社に参拝すると、韓国や中国やアメリカが非難したが、ワイド!スクランブルではコメンテーターの末延吉正が安倍を擁護した。

末延吉正は、元はテレビ朝日の政治部長だが、山口県の出身で、実は父親が山口県で岸信介の代から有力な後援者だった。

(そのため末延と安倍は若い頃から面識があり、)末延は「月刊現代」2007年11月号に、『わが友・安倍晋三の苦悩の350日」を寄稿したことがあった。

前述した2013年11月13日の、安倍、見城、石井直・電通社長の会食は、末延も参加している。

〇テレビ朝日株主総会大荒れ! リテラの2019年7月2日の記事から抜粋

2019年6月27日に行われた、テレビ朝日ホールディングスの株主総会は、大荒れになったという。

テレビ朝日の関係者

「早河洋・会長が『ではそろそろ(終わりに)』と言って、総会を終わらそうとした時、株主の1人が手を挙げて、経済部長の異動人事を強く批判した。

早河は明らかに苛立っていた。」

この問題視された人事は、テレビ朝日の経済部長だった松原文枝が、報道と関係ない「総合ビジネス局・イベント事業戦略担当部長」というポストに異動になったものである。
(※株主総会の前に発表され、7月1日付で異動となった)

松原文枝は、古舘伊知郎が報道ステーションのキャスターだった時代に、硬派路線を支えたチーフプロデューサーであった。

2015年にIS(イスラム国)が後藤健二と湯川遥菜を人質にとると、報道ステーションはISを刺激する言動をとる安倍晋三・首相を批判した。

(※この事件は結局、後藤も湯川も殺害されて終わった)

報道ステーションではさらに、コメンテーターの古賀茂明が「『I am not ABE』のプラカードを掲げるべきだ」と発言した。

これに安倍官邸は激怒し、菅義偉・官房長官の秘書官が、テレビ朝日に恫喝メールを送った。

そして松原と古賀は、報道ステーションから降板となった。

(※この件は、後で別記事の抜粋でまた取り上げます)

しかし松原文枝は、異動で経済部長になってからも、森友問題などで安倍政権を追及した。

金融庁の2000万円報告書の問題では、麻生太郎・財務大臣が言い訳して逃げるのを、「報告書のベースは金融庁に残っている」「夏の税制改正に証券税制の優遇を入れる意図があったのでは」と追及した。

このように硬骨で有能な松原・経済部長が、前述したとおりに総合ビジネス局・イベント事業戦略担当に異動となった。
報道局から追放されたため、「安倍政権の圧力があったのでは」と見られたのである。

テレビ朝日の関係者

「株主総会では、株主がこう質問しました。

『(松原文枝は)、ギャラクシー賞をとった人なのに、畑違いの部署(イベント事業)に異動するのは不自然ではないか』

『以前にも、元政治部長が、新設された部下が1人もいない営業マーケティング担当に飛ばされた。松原・経済部長の異動先に部下は何人いるのか』」

(※ギャラクシー賞は、放送界で良い仕事をした者に与えられる賞である)

質問に答えたのは、人事局担当の藤ノ木正哉だったが、「組織の活性化と社員のスキルアップのための異動」と言った。

当然ながら質問した株主は納得せず、他の株主も賛同の声を上げた。

そして質問した株主が、テレビ朝日の若手社員に向かって「松原部長は必ず報道の現場に戻ってきてほしい。そう株主が申していたとお伝え下さい。」と言って、株主総会は幕を閉じた。

この(2019年の)株主総会では、質疑応答で、放送番組審議会のメンバーに見城徹がいることも取り上げられた。

放送番組審議会は、放送法で定められた機関で、「番組内容の充実・向上を目指すのが目的」となっている。

だから見城徹がテレビ朝日を私物化して、自分の持つ幻冬舎の商品の宣伝に利用したり、安倍首相とつるんでそれが放送内容に影響していることが、株主から問題視されたのである。

見城が放送番組審議会の委員長にふさわしいかは、ここ数年の株主総会で繰り返し質問されてきた。

〇テレビ朝日が2000万円報告書問題で麻生財相を追及した「報ステ出身の経済部長」を報道局から追放! リテラの2019年6月23日の記事から抜粋

テレビ朝日の経済部・部長だった松原文枝は、2019年7月1日付で総合ビジネス局・イベント事業戦略担当の部長に異動となる。

これは新しい部署で、部長とは名ばかりである。

金融庁の「2000万円報告書」の問題では、テレビ朝日の追及に麻生太郎・財務大臣が苛立つケースがしばしばだった。

麻生太郎は記者会見の場で、「またテレビ朝日か」「テレビ朝日のおかげで不安が広がった」「おたくのものの見方は、俺たちとは全然違う」と、恫喝まがいのセリフを吐いていた。

その最中に松原・経済部長の異動(左遷)が決まったので、「安倍政権の圧力」との見方が出ている。

テレビ朝日の局員が、松原が経済部長になった経緯を話した。

「松原文枝が報道ステーションのチーフプロデューサーをしていた時、報道ステーションは安倍政権の不祥事や原発問題に果敢に踏み込んでいた。

松原は、上層部からの圧力に対しても、身を盾にして現場を守っていた。

早河洋・会長や、当時の篠塚浩・報道局長は、苦り切っていて、松原を外す機会を狙っていた。

そこに(報道ステーションで)古賀茂明のI am not ABEの発言があって、安倍官邸から直接の圧力がかかったため、(早河洋・会長らが動いて)古賀は降板になり、松原は経済部長に異動となった。」

2018年4月に財務省の福田淳一・事務次官が、女性記者たちにセクハラをしていたことが発覚した。

(※このセクハラは、言葉のセクハラであったが、「胸触っていい?」だけでなく、「手縛っていい?」「手縛られておうち行って、クローズアップ現代見るか?」と変態度の高い言葉も飛び出していた。)

このセクハラが発覚した時、安倍官邸は松原文枝・経済部長に責任をかぶせるフェイク情報を流したようだ。

福田淳一のセクハラをスクープしたのは週刊新潮だったが、セクハラを告発した女性の1人はテレビ朝日の経済部記者で、上司が松原だった。

そこで官邸は、上司である松原がそそのかして告発させた、とのニセ情報を広めた。

週刊誌の記者

「当時、官邸に近い政治部記者たちが、『松原が福田をハメるために女性記者に録音データの提供をそそのかした』とのストーリーを、口々に語っていた。

だがそんな事実は無くて、フェイク情報だった。

官邸はデマ情報を流すと同時に、テレビ朝日に『松原を何とかしろ』と圧力をかけていた。

その後、テレビ朝日の上層部は、松原を左遷するタイミングを見計らっていたのだろう。」

テレビ朝日では3年前(2016年)にも、解説委員をしているF元政治部長が、部下が一人もいない営業マーケティング担当局長に異動させられた。

(※ネットで調べたところ、報道ステーションのチーフプロデューサーをしていて、政治部長だったこともある藤岡信夫が、2016年に営業局長に異動している。

藤岡信夫は、ギャラクシー賞をとった報道ステーションの2016年3月の特集「ノーベル賞経済学者が見た日本」のプロデューサーであった。
それが同年8月には営業局長になっているのが確認できた。)

〇テレ朝人事の波紋(上) 経済部長の「報道外し」 論座の2019年7月5日の記事から抜粋

テレビ朝日の松原文枝・経済部長(52)が、2019年7月1日付で総合ビジネス局に異動した。

この異動は、新設されたポストに、昇格もないまま報道局以外への転出であり、異例の人事と受け止められている。

テレビ朝日の関係者によると、社内人事は人事担当を含む3人の役員を中心に進められ、部長以上のポストは早河洋・会長の承認がいる。

松原文枝は、1991年にテレビ朝日に入社し、2000年に「報道ステーション」の前身である「ニュースステーション」のディレクターとなった。

2012年には報道ステーションのチーフプロデューサー兼プロデューサーになり、100人のスタッフを率いることになった。

その一方では、第二次・安倍政権が2012年末に始まったが、安倍晋三・首相や菅義偉・官房長官との電話やメールのやり取りを周囲に嬉しそうに話す、テレビ朝日の早河洋・会長がいた。

松原文枝は、衆議院選挙で自民党が勝利した2014年12月に、報道ステーションのチーフプロデューサーから経済部長への異動を告げられた。

これを知った、報道ステーションのゲスト・コメンテーターの古賀茂明は、番組中に「(松原が)更迭された」と述べた。

この古賀の発言は、彼の最後の出演になった2015年3月27日の放送でだったが、古賀はこうも述べた。

「私は、菅義偉・官房長官をはじめ官邸から、もの凄いバッシングを受けてきた。

私の降板は、テレビ朝日が官邸からの圧力に屈したものだ。」

その少し前の2015年1月に、後藤健二と湯川遥菜を拘束したイスラム国が、反イスラム国の勢力に2億ドルの支援を決めた安倍首相を見て、同額を身代金として要求してきた。

これに関して古賀茂明は、報道ステーションでこう説いた。

「『I am not ABE』というプラカードを掲げて、日本は攻めてこない国に対して攻撃をしない国と、しっかり(国際社会に)言っていく必要がある」

上の古賀発言をリアルタイムで見ていた、菅・官房長官の2人の秘書官が、抗議の電話とメールを、テレビ朝日の報道局にした。

2人の秘書官のうち、警察庁出身の中村格は、「古賀は万死に値する」とメールし、それを受けた報道局のニュースセンター編集長が大騒ぎを始めた。

(※ちなみに中村格は、その忠勤ぶりを安倍と菅に評価されて出世し、現在は警察庁長官をしている)

報道ステーションの松原文枝・チーフプロデューサーは、「古賀発言は問題ない」と反論したが、古賀の降板が決まった。

報道ステーションの2015年3月27日の放送では、(前述のとおり古賀は最後の出演だったが)、キャスターの古舘伊知郎と古賀の間でこんなやり取りとなった。

古舘伊知郎「この番組は、川内原発の地震に対する不安や、福島原発事故の核のゴミが行き場のない問題、沖縄の辺野古の問題と、批判すべき所はやっている」

古賀茂明「でも、あれを作ったプロデューサー(松原文枝)が今度更迭(異動)される」

古舘伊知郎「更迭でないと思います。やめましょう古賀さん」

松原文枝は2015年4月に経済部・部長への異動となり、古舘伊知郎もその1年後に報道ステーションを去った。

なお報道ステーションが2016年3月18日に放送した特集「独ワイマール憲法の教訓」は、ギャラクシー賞をとったが、松原が経済部へ異動後もディレクターとして企画立案・構成を手がけたものである。

ギャラクシー賞の大賞を、平日帯のニュースが獲ったのは初めてだったという。

早河洋(テレビ朝日の会長)と、見城徹(テレビ朝日の放送番組審議会・委員長)の2人が、安倍首相と親密である事が露骨に表現されたのが、2017年10月の衆議院選挙の2日前に行われた、「AbemaTV」への安倍の出演だった。

「AbemaTV」とは、テレビ朝日が出資して早河洋が会長を務める、ネット動画配信サービスである。

安倍が出演した番組は、見城徹の冠番組である「徹の部屋」だった。

番組中に見城は、安倍晋三に対して、「すごくハンサムですよ」「本当に信義に厚い方」「いい人で独裁の感じは全くしない」と、ヨイショ発言を続けた。

国政選挙の直前に、政党のトップを単独で出演させることは、放送法第4条が定める「政治的な公平」から考えて、各局とも控えている。

テレビ朝日が40%も出資している「AbemaTV」が、与党のトップを単独で出演させたことに、テレビ朝日の中からも多くの批判が出た。

(※記事の抜粋はここまで)

私はニュースステーションの頃から、古舘伊知郎が報道ステーションに出ていた時期までは、週に1回くらいは見てました。

毎日見るような熱心な視聴者ではありませんでしたが、それなりに見てました。

それが、古舘伊知郎が辞める少し前から「つまらなくなったなあ」と感じ出し、古舘が辞めた辺りで見るのを止めました。

NHKのニュースみたいな、無味無臭で何の主張もない(政治権力への批判と監視がなく、独自の視点もない)内容になり、見る価値が無くなっちゃったんですよねー。

報道ステーションがつまらなくなったのは、松原文枝たち有能でやる気のあるスタッフが排除されたからと見て、間違いないでしょう。

私に言わせると、権力に跪いて媚びを売り、有能な社員を冷遇するのは、テレビ朝日にとって自殺行為です。

いま、テレビ界は斜陽であるとよく言われますが、その一因は早河洋や見城徹みたいな経営陣にありますねえ。
やっぱりトップがダメだと、組織全体が腐ってきます。

最近だとニュース番組では、TBSが土曜に放送している「報道特集」が一番面白いです。

真面目に取材しているし、視点に共感できるんですよね。
私のお奨めのニュース番組です。

でもこの番組も、コロナウイルスやコロナワクチンに関しては、内容に失望してきました。

コロナワクチンを1回も射たず、疑問視し続けている私としては、もっとコロナワクチンやワクチン・ビジネスの暗黒面を報道してほしいのですが、大手テレビ局ではまあ無いですね。


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