特定秘密保護法が可決した
可決してから思うこと 諦めずに廃止を目指そう
(2014.1.16.)

心ある方々が、『特定秘密保護法案』に力強く反対しましたが、残念ながら法案は昨年末に可決しました。

私は、この法案に強く反対する1人として、いくつも記事を書いてきたし、可決したからといってそれで終了とはいきません。

今回の法案をめぐる攻防について、自分なりの総括をし、その上でさらなる飛躍を(秘密保護法の廃止と、情報公開法の改良を)目指そうと思います。

まず総括に入る前に、私は読者の方に謝罪をしなければなりません。

というのも、『特定秘密保護法案は、廃案にできる! 諦めてはいけない』との昨年12月1日の日記で、「みんなが声を挙げれば、法案を廃案にできる」と、明記・約束したからです。

結果としては、多くの方が声を挙げて反対を表明したのに、法案が成立してしまいました。

これは私が、安倍内閣の暴走ぶりと政治眼の無さを、甘く見ていたからです。

私は、「国民の60%くらいの人がきちんと反対に回れば、法案は取り下げるだろう。国民の過半数が反対しているのに強行可決したら、政権の寿命が縮まる。それくらいは、安倍内閣も自覚しているだろう。」と考えていました。

まさか、国民の90%が慎重な審議を求める中で、強引に可決させるとは…。

国民を舐めているか、根性があるのか、バカなのか。
…すべてが当てはまるのかもしれません。

いずれにせよ、私が甘い見立てをして、嘘をつくかたちになりました。

読者の皆様、本当にすみませんでした。

さて。

気分を一新して、本題の『特定秘密保護法の成立 その総括とこれからについて』に入っていきます。

(この法の内容については、今までにたくさん書いたので割愛します)

まず思うのは、『この法案に反対し廃案を求める運動は、とても活発に頑張った』という事です。

ジャーナリストの中には、「法案が可決したのだから、努力が足りなかったのだ」と主張する人もいます。

でも私は、「あれだけ多くの人や団体が反対を表明し、法案の危険性も指摘したのだから、みんな頑張ったよ」と思います。

理想を言えばキリがないし、当初は法案に賛成する人の方が多かったのに、反対と慎重な審議を求める人が世論の90%にまで拡大したのは、十分な成果が出ていたと思います。

私は、今回の一連の動きを通して、『日本の有識者たちの知性や、国民の意識レベルは、民主主義を維持できるクオリティにある』と、確信しましたよ。

「これだけ多くの人が、きちんと特定秘密保護法案の危険性を認識できるのか!」と、むしろ驚きました。

ですから、「悲観的になる必要はまったく無い。日本には、意識が高く問題をきちんと認識できる人が沢山いる。だから、そういう人々が結集すればいい。」というのが、私の実感です。

これからの課題は、『結集していくこと』です。

私も、このウェブサイトに良い記事を書いたり、署名に協力したり、デモに参加したりと、頑張っていこうと思います。

大勢が声を上げてきちんと反対したのに、なぜ特定秘密保護法案は可決してしまったのか。

それは、安倍内閣(自公政権)が、世論を無視したからです。

法案が成立してしまった一番の理由は、人々の運動の盛り上がり不足ではなく、『安倍内閣(自民党)に、国民の声を聞く真摯さ・謙虚さが無かったこと』だと、私は思います。

特定秘密保護法の強行可決、靖国神社への参拝、と続いたことで、「安倍内閣は暴走している」との指摘が出始めています。

私は、この指摘は正しいと思います。

国民にきちんと説明しないで、勝手に重要な事を決めていく安倍内閣は、民主主義を理解していないし、国民をバカにしていると思います。

今回の強行採決は、自民党が国民の目線で政治を行えない事を、証明したと思います。

前回の衆院選と参院選では、「消去法で自民党に入れる」行動をした方が多かったと思うのですが、それが間違いだった事は明らかです。

「自民党なら安心」「自民党には責任感がある」「自民党には与党としての経験があるから、任せられる」といった考えは、私は幻想だと思います。

それは、1980年代までの話だと思います。

そろそろ目を覚まして、どこでもいいので新しい可能性を感じる党を支持しましょうよ。

特定秘密保護法は可決しましたが、かねてから指摘されてきた問題点は解消されておらず、このまま施行されれば悪法となるのは明らかです。

問題があまりに多い法律なので、修正するよりも廃止にするのがベストです。

私のとっている毎日新聞では、「廃止になるまで、声を挙げ続けよう」と主張する方の記事がたくさん出ています。

読むと「おおっ! この人も廃止派か。よしよし(^-^)」と、嬉しくなります。

すごく勇気づけられるし、素晴らしい方々だと尊敬しています。

私も、その中に加わっていきますよ!

具体的に廃止派の人が何を目指していくかですが、次の事を目指せばいいと思います。

① 特定秘密保護法は廃止にする

② 政府の秘密保護ルールとしては、『ツワネ原則』を採用する

(ツワネ原則について知りたい方は、こちらをご覧下さい)

③ 情報公開法と公文書管理法を充実させる

(a)文書の黒塗りを禁止にする(黒塗りだらけの文書なんて、とんでもないですよ)

(b)役人による勝手な文書の廃棄を禁止する

(c)秘密指定の文書を極力減らし、指定解除の期間もきちんと決める

(じっくりと考えたのですが、秘密指定の期間は最長でも10年が適当でしょう。10年以上も秘密にできると後から検証しづらくなるし、今の時代は変化が早いのであまり期間は長くしない方がいいです。)

(d)閣議や委員会議などの公的な会議は、すべて議事録を作成・保存する

(e)文書を保存するために、国立公文書館を大増員・大拡張する(ここにはお金を投じましょう)

(f)公開となった文書は、インターネット上にアップし、誰でも無料で読めるようにする

(g)重要でない文書も、いざという時のためにデジタル化して保存する

上の①~③がセットになれば、情報公開への強力な力が働き、ほとんどの国民が納得できる状態にまで、進化するでしょう。

先日に結成された「結いの党」は、特定秘密保護法の廃止を公約にしましたね。

各政党はきちんと、「法の施行に賛成」か「廃止を目指す」かを、打ち出す必要があると思います。

結いの党は、このところ維新の会と合流もしくは提携をしようとしていますが、維新の会は特定秘密保護法に基本的に賛成です。

こうした点を詰めずに、安易に合流するなら、国民の支持は得られないと思います。

TVの解説で、安倍内閣が法案を強行採決した理由について、「おそらく、『国民はすぐに忘れるだろう』と高をくくっているのだ」と説明している方がいました。

安倍内閣を見ていると、「景気回復という飴をあげていれば、強権的で抑圧的な事をしても国民は従う。お金さえあげておけばいい。」といった感じの、国民をバカにするふざけた本音がうかがえます。

私は、決して忘れませんよ。


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