なでしこジャパンの試合は、ほぼ毎試合テレビ観戦しています。
色々と感じているので、それを書きます。
先日行われた「仁川アジア大会2014」での試合について書く前に、まず「5月にあったW杯のアジア予選(予選を兼ねた大会)」について書きます。
なでしこは良い試合を続けて、W杯の出場を決めつつ、大会で優勝しました。
(この大会のなでしこについては、初戦を5月16日の記事で取り上げています)
この予選大会では、宮間さんが大会MVPに選ばれましたが、日本では川澄さんの活躍がダントツだったと思います。
私は、彼女がMVPだったと思いますよ。
川澄さんの圧倒的なスタミナには、心底から驚かされました。
男子の長友さんよりも上だと思います。
この大会は、試合日程が厳しく、中1~2日で試合をしていったのですが、川澄さんは毎試合出ているのに疲労をほとんど見せず、90分を通して動き続けていました。
「人間ですか?」と思いましたよ。
女子の場合、あまりにハードな運動をすると、月経が止まるなど深刻な影響が身体に出ると聞いています。
川澄さんのように女性が超人的な運動をすると、私は感動するよりも心配になってしまいます。
大丈夫ならいいのですが…。
この大会では、センターバックの川村さんの活躍も光っていました。
彼女は初めて代表のセンターバックに起用され、クラブチームではボランチをしているそうですが、守備能力は高いし、集中力を持続させられるので凡ミスをしません。
川村さんの活躍ぶりから、代表に定着すると思ったのですが、先日の「仁川アジア大会」には招集されませんでした。
怪我なのかと思いネットで調べてみましたが、そうではないようです。
彼女を呼ばなかったのは、私には驚きでしたね。
10月末に行われる代表戦では、再び招集メンバーに入っています。
少し話は変わりますが、5月のW杯予選に限らず最近でもそうなのですが、メディアは(試合を中継するTV局は)やたらとMFの猶本さんを取り上げるんです。
あれは、不公平なので止めてほしいです。
私は、試合中にベンチに居る猶本さんが度々画面にアップで映され、試合ダイジェストでも登場するのが、不思議で仕方なかったのです。
試合に出ていないのに(レギュラー・メンバーではないのに)、やたらと猶本さんをカメラが追い続けるので、強い違和感がありました。
で、ある時に母にそれを伝えたところ、「顔がきれいだからでしょ」と一刀両断でした。
私も(それが理由なのだろうか?)とは思っていましたが、(さすがにそこまで節操がないわけではないだろう)と自分を無理に思い込ませていました。
しかし、よく考えてみると、その理由以外にはあり得ないです。
猶本さんは、「澤選手の後継者」と持ち上げられています。
でも、確かに良いものは持っていますが、他の選手よりも頭抜けているとは思えません。
彼女を美形なために特別扱いするのは、他の選手たちに失礼ですよ。
さて。
ここからは、本題の「仁川アジア大会での、なでしこジャパンの試合ぶり」についてです。
基本的には、素晴らしいサッカーをしていましたね。
若手を多く招集して、初代表の選手を先発させたりしているのに、楽々と勝利を重ねていく姿を見て、「なでしこは強くなったなあ」と感心しました。
私が高く評価するのは、10対0みたいな大量差になっても油断せずに、失点をゼロに抑えていた事です。
これは、やれそうでやれない事です。
この「試合の最初から最後まで集中力を高く保てること」は、男子代表との大きな違いです。
若手までしっかりと浸透しているのを見て、なでしこの地力の高さを感じましたよ。
はっきり言って現在は、『女子代表のほうが男子代表よりも上』です。
世界ランキングや試合内容から見て、これは明らかですよ。
女子代表の選手紹介では、メディアは「女版の香川真司を目指す」とか「なでしこの柿谷曜一郎」と、男子選手を引き合いに出しています。
これは、彼女たちに失礼です。
私に言わせると、彼女たちの方が世界で通用するレベルにあります。
澤さんは、バロンドール(世界一のサッカー選手に送られる賞)すら獲っているんですよ!
男子代表のほうこそ、「男版の澤穂希を目指す存在」などと紹介されるべきです。
話を仁川アジア大会に戻しますが、なでしこは決勝戦までは楽勝の連続でしたが、北朝鮮との決勝戦では1対3で負けました。
観戦しましたが、日本は完敗でしたね。
なでしこは、基本的には北朝鮮を押し込んでいましたが、カウンターを食らって3失点しました。
どの失点も、相手のFWよりも日本のDFの数が多いのに、やられてしまいました。
この試合を観ていて痛感しましたが、日本は『センターバックの1対1での守備力の向上』が緊急の課題です。
これは、男子も女子も同じ状況です。
日本が採用している「ボール・ポゼッションを高めるパス・サッカー」は、カウンター対策が重要なのですが、それがまだ出来ていません。
私は、DFラインを高く設定する事は良いと思うんです。
なでしこが決勝戦まで楽勝で行けたのは、このやり方が上手く機能したからです。
DFラインを高くすると、DFラインの裏に広大なスペースが出来るので、次の4つが必要です。
① ライン・コントロールでオフサイドを取ること
② センターバックがポジショニングの妙でスペースを潰すこと
③ ボランチが下がってカバーすること
④ GKが飛び出してカバーすること
この4点のクオリティが、男子も女子もまだまだなのです。
そのため、カウンター攻撃に弱いチームになっています。
上記で説明したように、カウンターで失点するのはセンターバックだけのせいではないのですが、日本で一番不足しているのは『センターバックの守備能力』だと思います。
北朝鮮戦では、長船さんがセンターバックで起用されましたが、1対1でいいようにやられていました。
彼女はパス能力がとても高く、攻撃時には素晴らしい活躍をするのですが、強い相手だと守備力の無さが露呈します。
私は、最初の方で書きましたが、川村さんの守備力を評価しています。
彼女にセンターバックでもっとチャンスを与えてほしいですね。
ここからは、仁川アジア大会で私が注目した選手について書きます。
まず注目したのは、「右ウイングで出場した時の木龍さん」です。
木龍さんは、今までは左ウイングで起用される事が多かったのですが、右にいる方が3倍くらい良い動きをしますね。
彼女はトラップやドリブルが、女子の中では頭抜けて上手いです。
左利きだし、抜群のボール・コントロール技術を持つので、「女版のメッシ」と言えます。
実際に、ボールの運び方がメッシさんに似ています。きっと真似をしているのでしょう。
右ウイングは、川澄さんが起用される事が多いのですが、彼女は左も出来ます。
ですから、川澄さんを左ウイングにして、右は木龍さんでいいのではないでしょうか。
木龍さんがスタメンになれないのは、「ボールを持っていない時にさぼる癖があるから」です。
特に守備の時にさぼりがちです。
これが改善されれば、スタメン確定だと思いますよ。
次に、「ボランチで出場した時の中島さん」です。
中島さんも、今までは右ウイングなど他のポジションで起用されていましたが、ボランチに置かれてみると本当に素晴らしいです。
なでしこのボランチは、澤さん、宮間さん、阪口さんと、すでに良い選手が揃っています。
そのため、監督は中島さんの能力を知りつつも、他のポジションで使っているのかもしれません。
私が提案したいのは、「澤さんを元のFWのポジションに戻すこと」です。
澤さんは元々はFWだったのが、守備力やゲームの組み立て力を買って監督の佐々木さんがボランチにコンバートしました。
でも、ボランチの人材は充実してきています。
だから、澤さんをFWに戻していいと思うのです。
なでしこのFWを見ると、大儀見さん以外はまだ決定力が物足りないです。
澤さんをFWに加えれば、決定力が大幅にアップするのは間違いないです。
あとは、「初召集された19歳の増矢さん」です。
彼女は、ポジショニングが良いし、プレーに思い切りの良さがあります。
これからも代表に召集してほしい人材です。
FWの菅澤さんも、成長してきていると思います。
ポジショニングが良いので、シュート・チャンスをたくさん作っていました。
若手FWの中では成長株だと思いますが、簡単なシュートを外す事が多いので、そこが…。
話をまとめますが、仁川アジア大会でのなでしこジャパンは、若手を集めたわりには良いサッカーをしていました。
攻撃に関してはとても良い状態にあるし、守備もカウンター以外ではよく対応していたと思います。
北朝鮮戦は、相手を褒めるべきでしょう。
日本を良く研究していたし、少ないカウンター攻撃できっちりと得点していました。
北朝鮮は、強くなってきていますよ。
選手からは、やる気と自信を感じました。
名前は憶えていませんが、左サイドにめちゃくちゃ上手い選手がいました。
日本のW杯連覇は、さらに大変になりそうですねー。