サッカー日本代表・男子 ホンジュラス戦での大勝を観て
そうだ、それでいい
(2014.11.16.)

サッカーの日本代表・男子は、11月14日にホンジュラスとの親善試合を日本で行い、6対0で圧勝しました。


この試合は、アギーレさんが監督になって以降では、初めて「日本らしいサッカー」ができた試合です。

観ていて楽しいサッカーだったし、90分を通して全員が素晴らしい動きをしていました。


あまりに観ていて心地よい試合だったので、観終わった後に、録画していたのでもう1度最初から最後までじっくりと観てしまいましたよ。



私は前回の記事で、『日本代表は、新しいサッカーを目指すよりも、今まで積み上げてきたものを大事にしながら問題点を1つ1つ改善していくべきだ』と説きました。

それが実践されていると感じたし、結果もばっちり出たし、嬉しさで一杯です。



このホンジュラス戦では、日本は守備が良かったですね!

6点も取ったので、攻撃に注目が行きがちだと思いますが、実は『守備が良かったから、攻撃が爆発した』のです。


日本は良い形でボールを奪取する場面が多く、それが効果的なカウンター攻撃に繋がっていました。


この日の守備は、高い位置からガンガンとプレッシャーを掛けていたし、連動性がありました。

選手達の目の色が違いましたよ。


選手達に緊張感があったのは、ここ数試合の内容が最悪だった事や、久しぶりに招集された遠藤さんらがレギュラーを確保するために頑張った事が、理由だと思います。


今までの日本だと、このような素晴らしい試合をすると、次の試合では油断をする(調子にのる)癖があります。

それはもう見たくないので、(18日に行われる)次のオーストラリア戦でも、同じ緊張感でプレイしてほしいです。



解説者も指摘していましたが、この試合の守備が良かったのは、アンカーの位置にいた長谷部さんが素晴らしかったからです。

私は見ていて、「彼はアンカーに合っている」と感じました。


私は、今までの長谷部さんの言動を見てきて、彼の性格をかなり把握できています。

彼の性格の特徴は、「心配性」と「繊細な心配り」です。


長谷部さんは、とにかく心配性で、チームが良い状態でも「修正をしなければならない」と言い続ける人です。

良い状態の時は、その理由を把握する事をしたり、良い状態を維持する事も大切だと思うのですが、彼は心配性のためそれが出来ない人です。

悪口に聞こえるかもしれませんが、別にそうではなく、良く言えば「慎重」で「リスク管理を怠らない」人なのです。


さらに彼は、非常に周りに気を使う人で、決して無理をせず(我を通さず)配慮を怠らない人です。


この性格なゆえに、彼は攻撃的な役割をしなければならない局面では、躊躇してしまいがちなのです。

ザック・ジャパンの時に任されていたボランチのポジションだと、彼は攻撃にもどんどん関与する必要がありましたが、心配性のため攻撃に対して消極的になり、結果的に攻撃停滞の一因になっていました。


アンカーは、守備に特化したポジション(守備に特化したMF)だし、CBと連係して上手く守備のバランスを取り続ける事が(気配りする事が)必要です。

これを考えると、『長谷部さんにとっては、最も自分を活かせるポジションではないか』と思います。


アンカーは、細貝さんも悪くないですが、長谷部さんの方がバランスを取る力で(CBとの連係力で)上回っています。



現状の日本では、CBの守備能力が低いのが課題になっています。

これを考えると、CBの前にアンカー(守備に特化したMF)を1枚置くのは、(機能すればですが)有効ですね。


私は、ボランチを2枚にして、ボランチ2枚が攻撃を組み立てる攻撃的なパスサッカー・スタイルの方が好きですが、アンカーを置くメリットも理解してきています。




この日の攻撃面では、『ボールを奪った時に、選手達がすばやく反応してどんどん動き、早めにパスを展開できていた』のが良かったです。


カウンター攻撃が成功していた事よりも、選手達が積極的にボールをもらいに動いた事を、私は評価します。

あれこそが、日本のサッカーですよ。


上手く行かない時には、GKまでボールを戻してゲームを作り直していたのも、良かったと思います。


攻撃時に、アクセルとブレーキを使い分けられていたのが、失点をゼロに抑えられた理由の1つだと思います。

全般的に、選手達は落ち着いていたし、それが判断の速さと正確さに繋がっていました。


強豪国との対戦で厳しいプレッシャーを受けても、あの落ち着きを維持できるようにするのが、次の課題でしょう。




攻守両面に目についたのは、内田さんの躍動する動きです。


解説の中山さんの指摘で気付かされたのですが、カウンター攻撃の時にものすごいオーバーラップを何度もしていました。

あれは、凄まじいものでしたね。


守備でも積極的で、相手に前を向かせない、厳しい寄せをし続けていました。


この試合の彼には、「俺が試合を決めてやる」との気迫が(情熱が)感じられましたよ。

私はそれを見ていて、「内田よ、お前のその姿が見たかったんだ。ついに出してくれたか。」と感慨深くなりました。


内田さんは、試合中に冷静さを保ち、どこか冷めている感じすら受けます。

その冷静さがプラスになる時も当然ありますが、私には物足りなかった。


この試合では、新しい内田さんが見えたと思います。



内田さんは試合前に、同じ右サイドの前に居る本田さんに対して、「こっちできちんと押さえるから、あまり下がって来なくていいよ」と伝えたそうです。

それにより本田さんは攻撃的な前目のポジションを取れて、それが彼の得点とアシストに繋がりました。


良い話じゃないですか!

他のDF達も、同じ事を言えるように進化してほしいものです。




久しぶりに代表戦に出た乾さんは、良かったですよ。

ばっちり機能しているのには、やや驚きました。


1トップの豊田さんも、なかなかでした。

豊田さんは、以前は不器用な印象で、「やれる事が少ない」と感じましたが、成長してきておりプレイに幅が出てきたと思います。

現状では、大迫さんよりも可能性を感じますね。


この試合では、日本はやりたいサッカーが明快だったので、途中出場の選手たちも試合に入り易く、皆が機能していましたよ。



やはり、自分達のサッカーを明快にしておく事は、とても大切です。


「自分達のサッカーを日本が築くなんて、まだ早い。生意気を言うな。相手に合わせてサッカーを変えろ。」という方もいますが、私はそれは違うと思うのです。


『強固なスタイルを築いた上で、W杯のような大舞台では時には柔軟に戦術を変えられる』

これを目指すのがベストですよ。


自分達のスタイルを持たないなんて、自殺行為だし、自国のサッカー・ファンに対して失礼だと思います。



主将の長谷部さんは、試合後のインタビューで「修正をしなければならない」といつも通りに言っていました。

でも、ここまで良いサッカーが出来た以上、5試合くらいは今のサッカーを続けて、様子を見ても良いのではないでしょうか。


あちこち変えればいいものでもないし、アンカーを置く、トップ下を無くす、などの変更をすでにしているのだから、上手く行ったならそれを維持するのも大切ですよ。



ホンジュラス戦を総括すると、「迷走から覚めて、本来の力を取り戻した試合」「新しい可能性が見えた試合」と言えます。

私は、高く評価しますよ。




最後になりますが、私は香川さんに言いたい事が1つあります。

それは、『もっと基本に忠実なパスをした方がいい』です。


香川さんは、ボール・コントロール技術が高いのに溺れているのでしょうが、足先だけでピュッとパスを出す悪癖があります。 

(特にショート・パスの時に多い)


それが原因で、パスミスをする事が多いです。

それに、受け手に優しくないパスになっています。遠藤さんとは対極にありますね。


相手に寄せられている状態ならば、変な足捌きで(無理なフォームで)パスを出すのも仕方ありません。

しかし、香川さんはフリーな状態でも、楽をしたいのか変な姿勢でパスを出す事が多い。


さぼらずに、ボールをきちんと足で捉えるように、もっと基本に忠実なフォームでパスを出したほうがいいです。

そうすれば、さらに良い選手になれますよ。


日記 2014年10~12月 目次に戻る