安倍内閣の中枢にいた甘利明の口利き疑惑。
甘利氏は、病気を理由に国会に現れず、取材にも応じず、逃げまくっています。
この疑惑については、すでに2月初めの日記で取り上げています。
その後、次々と新たな情報が出てきた。
私は出てきた情報を見て、「もう甘利は逃げることは出来ない。近いうちに彼は立件される」と思いました。
病気を理由に逃げているが、それは短時間しか通用せず、国会に証人喚問されるし、やがて逮捕されるでしょう。
ここからは、いくつもの記事・報道から抜粋して、発覚した事を連ねます。
○ 毎日新聞2月16日から
千葉県の建設会社の総務担当だった一色武氏(62)。
彼と甘利明の公設秘書とのやり取り(音声データ)が、新たに公開された。
その音声データでは、秘書は『追加補償額として20億円をURに提示しよう』と提案している。
このやり取りは、昨年11月2日に、2人が寿司店と喫茶店で話したものという。
秘書とされる男性は、一色氏に「推定20億かかるとか、かかると聞いていますとか、そういう言葉にしてほしい」と提案している。
さらに、「今だったら、ぎりぎり絡めるんで」とも発言している。
玉木雄一郎(民主党議員)は15日の国会で、「秘書は主導的にどっぷりと関わっている」と指摘し、甘利明と秘書の証人喚問を求めた。
○ 東京新聞2月16日から
音声データは、昨年11月2日に神奈川県大和市の喫茶店で話したもの。時間は24秒。
URによると、5日前の10月28日に、別の秘書がUR職員と議員会館で面会している。
そこでは、秘書が「(補償金額を)私から聞いてもよい」と提案し、UR職員は「これ以上関与されない方がいい」と応じた。
一色氏は、本紙の取材に応じ、こう証言した。
「URとの移転補償の交渉は、当初はゼロ回答だったが、甘利氏の秘書に仲介を依頼した後、2.2億円で契約がまとまった」
一色氏が勤めていた千葉県白井市の建設会社は、千葉ニュータウン開発に伴う県道工事をめぐり、URとトラブルになっていた。
UR側は当初、補償金を出す様子がなかった。
そこで一色氏は、2013年5月に甘利秘書に相談し、指示通りにURに内容証明郵便を送った。
(同月に1600万円の支払いが決まっている)
同年6月には、秘書はUR本社に出向き、状況を確認した。
その後、交渉は順調に進んでいき、URは1.8億円を提示したが、最終的には2.2億円で決着した。
一色氏は、交渉がまとまった謝礼として、秘書に同年8月20日に500万円を渡した。
「謝礼の趣旨だと、はっきり伝えた」と、一色氏は言う。
この後も、別の補償交渉が継続した。
不法投棄された産業廃棄物の撤去に関して、隣接地を借りていたこの建設会社は、「建物が損傷した」と追加補償を求めたのだ。
一色氏から相談を受けた甘利秘書は、15年7月以降に、11回にわたってUR職員と面談してきた。
15年10月の面談では、秘書は「少しイロを付けてでも、地区外に出て行ってもらう方が良いのではないか」と提案している。
同年11月12日のURと建設会社の交渉では、秘書は偽名を使って同席した。
一色氏は秘書から、「建設会社のサトウさん(偽名)にしてくれ」と頼まれたという。
○ 小川勝の直言タックル(東京新聞2月16日)から。
スポーツ界の常識で政界を見ていると、「本当におかしな話だなあ」と思う事がよくある。
金銭授受の疑惑で辞任した甘利大臣についても、おかしな話だと思う。
彼は記者会見の中で、「自分がやったわけではなく、秘書がやった事だが、政治家としての矜持に鑑みて、大臣の職を辞する」と語った。
プロ野球の監督が成績不振で辞任する場合、主力選手の故障が低迷の一因であっても、監督が全責任を取る。
(すべてを自分の責任と認めて、部下のせいにしない)
甘利氏は、「調査をして説明する」と言ったが、あれから2週間以上たっても説明がない。
○ 日刊ゲンダイDIGITALの2月17日から
(※ここでは、2015年11月2日にURと交渉した甘利の秘書を、清島健一(39)ときちんと実名で報じている)
録音された音声データは、神奈川県大和市の回転ずし店で録音されたという。
その録音では、清島氏はこうも発言している。
「(URは)具体的に金額を言っていかないと、こちらも分かりません(対応できません)という言い方なんですよ。じゃあ(それに)乗りましょうと。」
「最悪、これ幾らとか、文章にして証拠に残るものを。」
「コンクリートの費用にかかったと(言って下さい)。地下に埋まった分はどうするんだとか。そういうものを作って下さい。」
音声データを聴くかぎり、『甘利事務所が補償金額を吊り上げていた張本人』だと分かる。
UR担当者は、音声について「清島さんの様な感じがします」と認めた。
証拠は揃っているが、この期に及んでも自民党は、甘利氏と秘書の証人喚問に猛反対している。
甘利氏は大臣辞任の会見で、「特捜部出身の弁護士に調査を依頼した」と説明した。
だが、URも国交省も、「弁護士からの接触はない」と云う。
疑惑発覚から2週間も経つのに、甘利氏から依頼された弁護士は、何を調べているのか。
その弁護士は存在しないのではないか。
○ 週刊朝日2016年2月5日増大号から
神奈川県の湘南地区にあるフィリピンパブ。
ここに週2~3回も来店する常連客の「ケンちゃん」は、気前が良いので店員から人気がある。
店員
「ケンちゃんのテーブルでは何でも頼んでよく、評判が良かった。
よく一緒だったお客さんは、社長さんと、背の高いおじさん。
何回も延長して、お金をバンバン使っていた。」
ケンちゃんと呼ばれているのは、疑惑の渦中にある甘利明の公設第一秘書(清島健一)である。
彼は、大和市にある甘利明・大和事務所の所長でもある。
彼は業者から、キャバクラやフィリピンパブで接待を受けていた。
疑惑のキーマンであるS社の一色武氏とは、どんな人物なのか。
彼の知人は、こう証言する。
「マンションのオーナーを名乗り、クラブでドンペリを開けて羽振りがいいかと思えば、事業に失敗して数億円の借金を抱えるなど、海千山千の人物です」
この疑惑に対して、大学教授らのグループは、東京地検特捜部に刑事告発することを検討しているという。
○ 毎日新聞2016年2月17日、2月16日の報道ステーションから
民主党は16日の国会で、新たな音声データを公表した。
これは昨年11月2日に、大和市の喫茶店で録音されたという。
その音声では、一色氏は公設秘書にこう言っている。
「これでまとまっちゃうと思うんで。URの方は。
○○さん(別の秘書)はレクサスでしたっけ?」
これに対し秘書は、「(嬉しそうに笑ってから)いいんです、いいんです、あいつは。失礼な事ばっかり言うから。」と答えている。
レクサスはトヨタ社の高級車で、価格は300万円台の後半~1600万円である。
16日の国会での大串博志(民主党議員)の発言から
「音声データの中で、一色氏は言っています。
『カタログを持ってきてもらわないと。持ってきてもらって本人が全部オーダーしなきゃいけませんからね』
これに対して秘書は、『一色さんがレクサスでいいかって聞いてるよって(伝えてある)。」
同日の国会での柿沢未途(維新の党議員)の質問
「甘利氏は(大臣辞任の)会見で説明した事について、『特捜出身の弁護士による第三者調査の結果だ』と言った。
いったいその弁護士は誰なのか、どんな調査だったのか。
いくら尋ねても明らかにされていません。
URと国交省にお訊ねします。
甘利氏側の弁護士から、調査のための照会を受けた事実はあるのか。」
石井啓一・国交大臣の答弁
「それらしき弁護士を含め、甘利議員の事務所関係者からは、国交省に照会はございません。」
上西郁夫(URの理事長)の答弁
「それらしき弁護士を含め、甘利議員の事務所関係者からは、URに照会はございません。」
○ 2016年4月27日に追記
昨日の東京新聞に、URの職員が一色氏から接待を受けていたことが出ていました。
追加で書いておきます。
(4月26日の東京新聞から抜粋)
URの職員2人が、建設会社「薩摩興業」の元総務担当の一色武から、90万円に上る接待を受けていたことが分かった。
参院決算委員会で、URの上西郁夫・理事長が明らかにした。
職員2人は、2014年10月から約1年間、神奈川県平塚市のパブや居酒屋などで、計8回の接待を受けた。