なでしこジャパン 北朝鮮戦の感想
(2016.3.11.)

なでしこジャパンは9日に、リオ五輪をかけたアジア最終予選で最後の試合となる、
北朝鮮戦を行いました。

この試合は、佐々木監督体制の最後の試合ともなりましたね。
その感想を書いていきます。

北朝鮮戦ですが、「心底から失望した」というのが、私の感想です。

試合には勝利したが、それは重要ではない。

重要なのは、『この試合でなでしこジャパンは、どんなメッセージを発信したか』です。

私は3月8日の日記では、末尾にこう書きました。

「最後になりますが、北朝鮮戦では、大胆なスタメン起用をしてほしいです。

 初戦と同じ顔ぶれが同じポジションで並んだら、私は激しく幻滅し、
 「何の反省もない」と呆れてしまうでしょう。

 ここまでの4試合で良い動きをしてきた選手を、スタメン起用して下さい。

 お願いします、佐々木監督。」

北朝鮮戦のスタメンは、どうだったか。

観戦した方ならよく知っているでしょうけど、『初戦のオーストラリア戦と、ほぼ同じメンバーが、同じポジションで出場した』のです。

この姿勢(スタメン起用)には、初戦で惨敗した事についての、何の反省もなかった。

最終予選の4試合で得てきた経験から、何も学んでいなかった。

はっきり言おう。

今のなでしこジャパンは、「活躍しようがしまいが重要な試合で起用される選手」と、
「どんなにチームに貢献しても重要な試合で外される選手」に、分離されている。

「佐々木監督と、彼が寵愛する一部の選手」が特権階級として存在し、
「一定のラインから上に行くのを許されないその他の選手たち」が一般階級として奉仕を強いられる。

この『階級制度』が、しばらく前に成立してしまった。

北朝鮮戦のスタメン構成を見た時、「なでしこジャパンは、佐々木監督と一部の選手により、私物化されてしまった」と思った。

なでしこジャパンを応援してきた私は、本当に腹が立ったし、悲しかった。

正直に告白するが、スタメンの顔ぶれを確認した瞬間に、TVを消そうかと思いましたよ。
なでしこファンに対する侮辱に思えて、心が苦しくなった。

試合が始まってからも、『佐々木監督とその取り巻き達が、監督退任のお別れ会をしている』ように見えて、楽しめなかった。

佐々木監督と宮間さんら選手の一部は、自分のためにサッカーをしている様に見えた。

「過去の栄光を回想しつつ、自分の名声を回復するために試合をしている」、私はそう感じた。

日本代表という神聖な場所が、一部の勢力に占拠されてしまった気がして、観戦していて深い怒りが沸いてきた。

良いサッカーはしていたけど、そこに真摯なものを感じられず、心が冷めてしまった。

もし佐々木監督の退任が決まっていなかったら、「こんな状態が続くなら、もうなでしこジャパンの試合は見ない」と宣言したでしょう。

それ位に、許せない事が起きたと感じました。

北朝鮮戦までの4試合を、振り返りましょう。

2戦目の韓国戦では引き分け、4戦目のベトナム戦では勝利した。

韓国戦は、1対1の引き分けだったけど、日本の失点は試合の最終盤で、GK福元がパンチングすべき場面で判断を誤った(キャッチにいった)のが原因です。
実質的には、勝利の内容だった。

それに対して、1戦目のオーストラリア戦と、3戦目の中国戦は、完敗でした。

「あと少しで勝てた」みたいな要素は、全くなかった。

この経緯を考えれば、第5戦では、2戦目と4戦目に出たメンバーを起用するのが当然でしょう?

良いプレイを見せたし、勝ち点を得てチームに貢献したのだから。

それなのに、惨敗した初戦のメンバーが、第5戦で起用された。

これを差別とか贔屓と呼ばずして、何と呼べばいいのか。

ボランチの川村さんは、第2戦と第4戦で出場し、チームに大きく貢献しました。

彼女がチームの守備を支えていたのは、玄人の人なら誰でも分かっていると思う。

CBの田中明日菜さんも、同じ2試合に出た。

特筆できる出来だったとは思わないけど、精一杯にチームに尽くしていた。
見ていて頑張りぶりが伝わってきた。

こうした選手を評価して、第5戦に使うことで、「なるほど、チームのために働いたら評価されるんだな」との安心感が生まれる。

活躍した選手を認めて、重要な試合に出すことで、チーム全体が強化されていく。

そんな当たり前の光景が、最近のなでしこジャパンには無いのです。

佐々木監督は、今予選が始まる前から、「初戦と同じメンバーを最終戦に出す」と決めていたんじゃないか。
そう思えてならない。

北朝鮮に勝利した後、試合に出た選手たちの異常な興奮ぶりに、私は心底から違和感を持ちましたよ。

「根本からおかしな事になっている」と、甚だしく不愉快でした。

北朝鮮は、「平均年齢が20歳のチーム」と紹介されていた。

見方によっては、U-23のチームとも言えるんじゃないか。

そんなチームに勝ったのが、それほど嬉しいのか。

すでに五輪出場を逃したチーム同士の消化試合で勝ったのが、それほど嬉しいのか。

北朝鮮に勝った選手たちが、韓国に引き分けた選手たちと、ベトナムに大勝した選手たちよりも、主役だというのか。

ここで、昨年の夏に行われた『東アジアカップ』を思い出してもらいたい。

この大会では、日本は「チャレンジなでしこ」と呼ばれる、若手ばかりを集めた急造チームで挑みました。

チャレンジなでしこは、A代表に初選出された選手も多く、チームとしての練習時間はほとんど無かった。

そんな中で、北朝鮮と韓国には敗れたが、中国には勝利した。

今大会での日本の成績は、北朝鮮には勝利、韓国には引き分け、中国には敗北だ。

チャレンジなでしこと、成績に大差がない。

これを考えると、『有望な若手たちを軒並み落選させ、なでしこリーグであまり活躍をしていないベテランを多く選出したこと』は、間違いだったのが明らかです。

結局のところ、今予選のなでしこジャパンは、『佐々木監督のおもちゃ』だったんですよ。

彼は代表を私物化し、私情で選手を選び、私情たっぷりに采配をとった。

彼が代表監督を退任してくれて、本当に良かったと思う。

私は北朝鮮戦を観ていて、心からそう感じました。

佐々木監督は、W杯の優勝など、すばらしい成績を挙げてくれました。

だから深く尊敬してきたが、今予選の行動を見て、その尊敬心は吹っ飛んでしまった。

彼が愛弟子に固執し、なでしこジャパンに害を与えまくるのを見て、
「人間は大きな結果を出すと、その成功体験に執着してしまいがちなのだな。気を付けよう。」と肝に銘じました。


日記 2016年1~3月 目次に戻る