タイトルなでしこジャパン
中国戦について衝撃の事実
川村優理よ、海外に出るんだ
(2016.3.14.)

なでしこジャパンは先日に、リオ五輪出場をかけた最終予選で敗北しました。

その第3戦だった「日本対中国」について、衝撃の事実を知りました。

今日はその事をメインにし、最後に川村選手にハッパをかけようと思います。

私は、たまにサッカーダイジェストやサッカーキングのウェブサイトを見て楽しんでいるのですが、数日前に『中国戦についての記事』を見ました。

そうして、心底から驚いたのです。

私が驚愕した部分を、書き出します。

(以下は、サッカーキングWEBから抜粋)

第3戦の中国戦では、佐々木監督は第2戦で機能していた4-2-3-1から、再び4-4-2に戻した。

そして、「2トップの大儀見と横山に向けて、ロングボールを多用しろ」と指示を出した。

選手達はその指示を徹底できず、立ち上がりから不安定なプレーを連発する。

そして、14分に自陣でのパスミスから先制点を許した。

大儀見の試合後のコメント

「監督がそういう判断をしたのだから、選手は従うべき。

でも前半の立ち上がりは、徹底できなかった。
まだまだプロフェッショナルでない部分かなと思う。

ロングボールを多用する方がチャンスになりやすかった。

短くパスを繋いでも効果的でないとなると、ロングボールを前線に入れて、こぼれ球を拾う形の方がゴールする確率が高いから。」

少ない手数でゴールに迫る考えは理解できるが、それは日本の持ち味を捨てる手でもあった。

選手間の距離は開き、オーストラリア戦と同じ苦境になってしまった。

中国のビニ監督は試合後に、「フィジカルプレーに集中しろと選手に伝えていた」と話している。

体格で優る中国に、日本はロングボール主体の攻撃で挑み、球際の勝負に出てしまった。

中国にとって、願ってもない展開だったろう。

結果が出ない中で、焦った佐々木監督は、安直な手法に傾斜してしまった。

日本は1-2で敗れ、4大会ぶりの予選敗退が決まった。

(抜粋はここまで)

中国戦での日本は、確かにロングボールを繰り返し前線に放り込んでいた。

そうして、攻撃に厚みは出ないし、ボールはすぐに奪われるし、陣形は崩れまくるしで、最悪の状況になっていた。

ボランチの阪口が、深い考えなしにロングボールを前線に蹴りまくる姿を見て、「よほど中国のプレッシャーがきついんだな」と思っていた。

まさか、監督の指示だったなんて……。

日本は初戦の対オーストラリアで、細かくパスをつなぐサッカーをしようとしたが、出来なかった。

その原因は、次の5つです。

「宮間と阪口の両ボランチが全く精彩を欠き、攻撃も守備も停滞した」

「ゲームの組み立てを任された宮間が、パスミスを連発した」

「選手全員に固さがあり、動きが緩慢だった」

「調子の上がらない選手(宮間、大野、鮫島)をスタメンに選んだため、全体的に活気がなかった」

「GK山根の足技が未熟で、後方でのパス回しが拙かった」

こうした問題点を改善するために、第2戦では4-2-3-1を採用して宮間はトップ下にし、ボランチは川村と上尾野辺にして、大野・鮫島・山根はスタメンから外した。

上尾野辺が機能しないので、途中から宮間がボランチに入ったが、初戦よりははるかに良いサッカーをしていた。

とはいえ、宮間の不調は深刻で、動きにはキレがなく、パスミスも多かった。

この流れを受けて、第3戦では、川村と阪口がボランチのスタメンとなった。

はっきり言って、宮間も上尾野辺も、ボランチではそれなりの選手にすぎない。
私は今までの日本代表戦やなでしこリーグを観てきて、これを確信しています。

ようやく、日本最高のボランチである川村と阪口が起用された。

だが、川村は精彩を欠き、前半だけで交代となった。

阪口も、上記したように精度のないロングボールばかり蹴っていた。

この悲劇について、私は何が原因なのか分からず、3月5日の日記で「分からない、本当に分からない」と匙を投げていた。

日本で最強のボランチコンビが、今シーズンのなでしこリーグで最も輝いていた選手2人が、あんな醜態をさらすなんて、不可解だった。

それが、上で抜粋したサッカーキングの記事を見て、謎が全て解けた。

川村と阪口の2人は、とても知的な選手で、ボールを安易な気持ちでパスしたりしない。

この2人は、本当にボールを大事に扱う選手で、だからこそ私は深く信頼しているのです。

そんな2人に、「ボールを持ったら、とりあえず前線に放り込め」と指示するなんて。

「お前は死ね」と言うのに等しい行為だ。

それも、相手は体格に優れる中国だ。

ロングボールを放り込む戦術で挑んでも、上手くいくはずがない。
実際に、惨めな結果に終わった。

頭の良い川村と阪口は、「これでは上手く行かない」と分かっていたはず。

だからこそ、精彩を欠いたプレーになってしまったのだ。

単純な大儀見らと違い、サッカー・センスに優れる川村と阪口は、監督の指示に「自殺行為だ」と感じたのではないか。

それ故に、意欲が湧いてこず、特に川村は覇気のないプレーになってしまったのだ。

私は、川村さんと阪口さんへの同情心で一杯ですよ。

「苦しかったよね、自分を否定されるプレーを強いられて。頑張ったよ君たちは。」と慰めてあげたい。

中国戦の敗北は、佐々木監督の最悪の采配が原因です。

あり得ないでしょ、ロングボールを主体にしたフィジカル・サッカーを日本がするなんて。

それを理解した上で、なでしこのパスサッカーを作り上げてきたのに。

「ロングボールを前線に放り込むスタイル」は、日本に全く向いていない。

だが、それをやるならば、FWは「高瀬」ですよ。

今予選に選ばれたFWの中で、最も身体が強いのは、大儀見と高瀬です。

高瀬は、身体の太さに似合わず、けっこうスピードもある。

だが中国戦では、高さとスピードのない横山がFWに選ばれ、大儀見と並んだ。

もし私が今予選のメンバーで「ロングボール主体のフィジカル・サッカー」をするなら、ボランチには川村と田中を起用する。

この2人は、フィジカル・コンタクトに強いからです。

特に川村は、全選手の中で最もヘディングの競り合いに強く、フィジカル・コンタクトでも強いので、「大胆に攻撃参加しろ。時には最前線まで行って、相手DFと競り合え」と指示する。

SMFには、大野と川澄を使う。

この2人は、頭が良くて攻守のバランスを取ってくれるし、味方のフォローも上手い。

この2人ならば、守備時は穴を埋めてくれるし、攻撃時はこぼれ球をある程度まで拾ってくれると思う。

CBは、岩清水と熊谷しか選択肢がないから、それで起用する。

SBは、近賀と有吉を使う。

この2人は、粘り強い守備ができるからです。

近賀は大胆な攻撃参加を売りにしているが、「前線に上がらずに、守備的な位置をキープしろ。川村や田中に攻撃参加をさせるから、その代わりに守備を担当しろ。」と指示する。

GKは、山下を選ぶ。

彼女は、山根と福元よりも足元の技術が高い。

だから彼女を起用し、「ボールをもらったら、時には最前線のFWにもパスを出せ」と指示する。

これだけの明確なスタメン起用と監督指示を出せば、選手たちも観客も理解できる。

「いつもとは違うサッカーをするんだな」と、はっきりと分かる。

だが佐々木監督は、いつもと同じようなスタメンを、中国戦でも並べていた。

これじゃあ選手は迷うよ。

はっきり言って、ロングボール主体のフィジカル・サッカーをするのに、横山や宮間や鮫島をスタメンにする時点で、佐々木監督にサッカー・センスが無いのは明らかです。

「こんな監督で、よく今まで良い成績を残してこれたな」と、逆に感心してしまった。

選手たちが、監督の力量不足を補ってきたのではないか。

中国戦の敗戦は、起こるべくして起こった。

佐々木監督の能力不足と迷走が原因だった。

中国戦については、これで全て反省を終えることが出来ました。

ここからは、川村選手について書きます。

私は、これまで何度も「川村が日本で最も才能のある選手だ」と書いてきました。

この考え方は、今予選の5試合を見終えてからも、変わっていません。

だが、彼女は未だに『なでしこジャパンの中心』に成りきれていない。

佐々木監督が彼女を日陰者にしてきたのも大きいのだが、それだけではない気がする。

川村さんは、その才能に似合わず、日本代表に入ったのも早くなかったし、ベガルタ仙台という地味なチームに所属するため注目されてこなかった。

はっきり言って、彼女を一貫して高評価してきたサッカー・ファンは、私くらいしか居ないのではないか。

私は川村選手を応援するファンの第一人者として、次の提案をする。

「川村優理よ、海外リーグに挑戦しろ。

君は、なでしこジャパンのスタメンになるかならないかの位置を、フラフラしている選手でいてはいけない。

なでしこジャパンの太陽の様な存在に、ならなければならない選手なのだ。

君の才能は、まだ完全には開花していない。

レベルの高い環境に身を置き、世界一の選手に進化しようじゃないか。」

私は、安易に海外に活路を見い出そうとするのは、大嫌いです。

多くの有識者は「どんどん海外に出るべきだ。早く出れば出るほど良い。」と言うのだが、それに賛同したことは一度もありません。

海外リーグをやたらと信奉する人に対しては、「日本で育成する事を放棄している」とか「海外コンプレックスを持っている」と思ってきた。

国内で世界トップクラスの選手を育てられない国が、W杯で優勝できるはずがない。

W杯の優勝を目指すのなら、海外リーグを推奨するよりも、『国内リーグの充実』に情熱を注ぐべきです。

だから、今まで誰かに対して「海外に挑戦しろ」とハッパをかけた事はなかった。

ここでの提案は、例外中の例外です。

川村さんは、男女を合わせても、「現役選手の中では、最も可能性を秘めた選手だ」と考えています。

私は、「日本人がバロンドールを獲るならば、一番可能性が高いのは川村だ」と書いた事があり、その気持ちに変化はない。

少し前までは、なでしこリーグは世界トップのリーグでした。

だってそうでしょ。W杯で優勝したメンバーの多くが、そこでプレイしているのだから。

でも、ここ1~2年でヨーロッパのクラブチームが凄く力をつけてきました。

逆にいうと、なでしこリーグは停滞している。

もちろん、日本で最高の選手の1人である川村さんには、なでしこリーグでプレイしてほしいよ。

彼女のプレイで、リーグを盛り上げてほしい気持ちは強い。

だけど、川村さんは世界一の選手になれる人材です。

だから海外の強豪チームに移籍し、最高の環境で腕を磨いて、なでしこジャパンの中心になるのを目指すべきだと思い直しました。

年齢的にも、26歳と最適の時期ですよ。

私は、自分のスタイルがかなり確立しているこの位の年齢が、海外に挑戦するのに良い時期だと考えています。

自分に合っているチームや、自分に足りないものを得られる環境を、きちんと選べるだけの判断力を備えるのは、20代の後半になってからだと考えているので。

川村さんのずば抜けた才能と明るい性格を考えると、海外の強豪チームに行けば、怪我さえしなければ飛躍的な成長を遂げると思います。

なでしこリーグから居なくなるのは寂しいけど、ぜひ検討してほしいです。


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