女子バレーボール代表
五輪メンバー12人が決まったが、納得の人選です
(2016.7.3.)

数日前に、オリンピックに出場する『バレーボールの女子代表』は、大会に出場登録する12人を発表しました。

オリンピックの最終予選ではメンバー登録は14人だったし、予備登録も4人いました。

そこから12人に絞るため、「誰がメンバー入りするのか、誰が外されるのか」が注目されてました。

結局は、最終予選のメンバーから古賀と丸山の2人が外れた形となった。

メンバー入りしたのは、ミドルブロッカーは島村、荒木、山口。ウイングスパイカーは長岡、迫田、石井、木村、鍋谷。セッターは田代、宮下。リベロ兼レシーバーは佐藤、座安です。

この人選に、私は満足しています。
活躍が見込める選手たちが、きちんとセレクトされた。

眞鍋監督に、大きな拍手を送りたい。

私が高く評価するのは、『古賀を外したこと』です。

古賀さんの実力不足を、先日の日記でも訴えた私としては、嬉しさと感謝で一杯です。

大手マスコミが「古賀伝説」を吹聴している現状では、それを無視して外すのはとても勇気のいる事。

眞鍋さん、あなたを見直したよ。

その決断力と勇気に、感服しました。

大手マスコミがつくった「古賀伝説」は、単なるデマだと考えています。

この関連の話を、少ししましょう。

古賀伝説とは、こんなストーリーです。

「若くして代表入りした古賀紗理那は、木村沙織以来の才能
 である。

 すでに日本代表のエースの1人で、将来は(木村が代表を引退
 した後は)彼女が絶対的なエースになる。

 それほどの選手だから、当然ながら東京オリンピックに出場
 するし、そこではエースとして大活躍する。」

大手マスコミがこのストーリーを大声で叫び、特集記事や特集番組をつくって報じているので、女子バレーボール界を知らない人だと「そういうものか」と思ってしまう。

だが、Vリーグを観ている熱心なファンたちは、疑問を持ってきた。

私はこの記事を作成するにあたって、ネットで「バレーボール女子代表」と検索をかけて、バレーボール・ファンたちが『オリンピック代表』にどのような感想を持っているかを調べました。

一般ファンの声が出ているページは少なく、7~8年ぶりに2ちゃんねるにも足を運んでそこの声も見ました。

そうしたところ、古賀が外れたことについて、肯定的な意見が8割くらいでした。

「やはりバレーボールを熱心に観ている人は、古賀の実力不足を理解しているのだな」と、嬉しかったです。

「古賀伝説」は、男子の「石川伝説」とセットになっている。

女子では古賀、男子では石川(あとは柳田)が、大手マスコミの推す若手選手です。

私の見るところ、石川は確かに凄い。彼は特別な選手ですよ。

石川祐希さんは、10年に1人の才能だと思います。
具体的に言うと、「清水以来の才能」と思う。

(大手マスコミの謳う「史上最高の才能」だとは思わない)

これに対して古賀紗理那さんは、「2年に1人の才能」です。

優れた才能を備えているとは思うが、それほど珍しいレベルではない。

要するに、古賀と石川では器が違う。

同じ感じで扱う大手マスコミは、愚かだと思うのです。

ある意味では、古賀さんは犠牲者だと思う。

過度に持ち上げられて、変なプレッシャーにさらされているからです。

私は、ここ2シーズン、女子Vリーグを観てきました。

その中で最も驚いた事の1つは、『次々と有望な若手が出てくること』です。

ウイングスパイカー(古賀さんのポジション)だけを見ても、毎年2人はブレイクする(大活躍する)若手がいます。

こんな状況なので、どのチームも選手の入れ替えが激しい。

スタメンが固定されているのは、久光スプリングスくらいじゃないかな。

内定選手という、高校3年生で卒業を(入社を)控えた選手がシーズン途中で参戦すると、いきなりスタメンに抜擢される事もある。

率直に言って、チーム内の競争の激しさは、サッカーや野球よりも上です。

観ていて苦しくなる時もあるほど。
それまでチームの中心でプレイしていたのに、いきなり外されて、シーズンが終了したら「勇退(引退)」になったりする。

なぜこれほど競争が激しいのかは、よく分からない。

ただ、女子バレーボール選手では、30代の人はごくわずかです。
よほど技術が高いか、ケガをしないで体調が万全でないと、有望な若手が出ると勝てないらしい。

あとは、全国的に学生バレーボールが盛んで、層が厚くてレベルも高いのでしょう。
高卒ルーキーが、Vリーグで活躍することは多い。

こうした世界なので、『絶対的な存在』は生まれにくい。

日本代表に入り続けて連続でオリンピックに出ている木村さんは、例外なのです。

例えば栗原恵(あの懐かしい「メグカナ」のメグです)は、まだ31歳で、Vリーグで現役でプレイしているが、再び代表に入ることはまず無いでしょう。

所属する日立リヴァーレでも、レシーブ力が全然ないために、万年控えの位置にいます。

一時は代表のエースと持て囃され、大手マスコミから「プリンセス・メグ」と称賛されまくった栗原さんは、今ではベンチを温める日々です。

まあ、レシーブに課題があるのは明らかなのに、練習して上手くなろうと努力しない彼女に問題があるのですが。

古賀さんは、東京オリンピックの時に代表入りしている保証は、ぜんぜん無い。

これは、理解しておいたほうがいいです。

実際に、今回だって鍋谷に押しのけられて、メンバーから落ちてしまった。

鍋谷は22歳、古賀は20歳で、同世代のライバルですよ。

鍋谷は、Vリーグでは「それなりの選手」に過ぎません。
そこに負けているようでは、日本のエースなんて夢のまた夢です。

古賀の後には、有力な高校生の宮部藍梨と黒後愛が控えている。

個人的には、黒後さんに可能性を感じています。
プレーは少ししか見たことがないのですが、コート上での存在感が凄い。

パワフルなスパイク、顔つきや態度から、「伸びてきて、日本のエースになるんじゃないか」と期待しています。

パッと眺めても、鍋谷、宮部、黒後と、古賀のライバルは何人もいる。

同じチームにいる1歳上の柳田光綺だって、私は以前の日記で書きましたけど、スパイク能力は古賀よりも上です。

すごく正直に言うと、現在は日本のエースである長岡望悠さんですら、東京オリンピックに出場できるか分かりませんよ。

大怪我をするかもしれないし、もの凄いサウスポーの若手が出てくる可能性だってある。

大手メディアは、安易に「この選手は次の東京オリンピックで活躍する」と言わないでほしい。

無責任すぎるよ、そういう態度は。

さて。

次は、メンバー落ちしたもう1人の選手である、「丸山亜季さん」に言及します。

彼女は、12人の五輪メンバーに残る可能性があったと思います。

レシーブ能力だけを見れば、佐藤、座安と変わらないからです。

だけど、ワールド・グランプリという強豪国と対戦する大会で、出場機会を数多く与えらえたが、活躍できなかった。

日本ラウンドの3試合はTV放送されたけど、彼女はレシーブが安定せず、7本に1本くらいしかきちんとセッターに渡せなかった。

動きが固かったよね。緊張していたのだと思う。

あそこで大活躍していれば、メンバーに残れたでしょう。

ワールド・グランプリでは、木村・荒木・長岡・石井の4人(五輪でスタメンが確定している中心選手たち)は、出場機会はほとんど無かった。

その代わりに、江畑幸子さんらオリンピック最終予選で起用されなかった4人と、井上愛里沙という大学生の人がチャンスを与えられた。

私はこの大会について、日本で行われる試合以外も観たいと思い、ネット上に動画があるかと考えて検索しました。
すると、ユーチューブにアップされているのを発見し、2試合だけですが見ました。

全試合を見たかったけど、高画質にすると画面がカクカクし、低画質だと細かいプレーが分からず目も疲れるので、2試合で力尽きた。

だから、日本ラウンド3試合と、それ以外に2試合を見ました。

その感想なのですが、『素晴らしい活躍を見せた選手は、1人も居ませんでした』。

レシーブとブロックが安定せず、木村と石井のレシーブ能力と、荒木のブロック能力を痛感させられる事になった。

特にレシーブは、本当にひどかったな。呆れましたよ。

正直な話、木村沙織と石井優希のレシーブは大した事ないんですよ。

新鍋理沙、近江あかり、竹田沙希という、日本で最高のレシーブ能力を持つウイングスパイカーたちは、2倍くらい上手いです。

ワールドグランプリは、日本はミスだらけで、観ているのがきつかったなあ。

サーブでもミスが多かった。

そんな中で、気を吐いていたのは、江畑さんと田代佳奈美さんでした。

前者はスパイクで活躍し、1試合で20点近く取っていた。

後者は宮下遥さんに劣らないプレーを続けていた。

江畑さんは、得点数は多かったけど、重要な場面でセッターからボールを託されるのにスパイクを決められなかった。
これが痛かったな。

彼女が長岡並みの勝負強さを発揮していたら、日本はセルビアに勝っていましたよ。

あと、レシーブとブロックで全く存在感を出せなかった。

江畑さんは、レシーブとブロックを強化しないといけないです。

スパイクは素晴らしいし、サーブもけっこう上手いから、守備力を上げれば代表のスタメンも狙える。

ワールド・グランプリでは、初代表の選手が長時間の起用となり、そこはなかなか興味深かった。

Vリーグの2部にいた田中瑞稀さんと、大学生の井上愛里沙さんは、初めてプレイを見ましたよ。

田中さんは、背が低くて太めの体形で、内瀬戸真実さんに似ている。

スパイクに切れがあり、特筆できるのはジャンピング・サーブ(スパイク・サーブ)の上手さ。

力強いサーブを正確に打てるため、現状でも日本トップクラスのサーバーですね。

私は、「内瀬戸さんよりも遥かに才能豊かだ」と感じました。

井上さんは、スパイクは素晴らしいが、レシーブが下手すぎる。

見ているとこっちが落ち込んでしまう位に、圧倒的にレシーブが下手ですね。

ミドルブロッカーよりも下手なんじゃないかな。
「こんな選手を代表に入れるなよ」と、がっかりしたし、イラついてしまった。

ワールドグランプリは、日本は主力選手を休ませたのもあって、大きく負け越して予選ラウンドでの敗退となりました。

この事については、賛否両論があると思います。

私は、オリンピック本番が控えている状況なので、『あえて勝ちにいかず、若手に経験を積ませる場にしたこと』は良かったと判断しています。

オリンピック最終予選→ワールドグランプリ→オリンピック本番と立て続けに大会がある中で、すべてに全力を傾けるのは無理がある。

最終予選でぎりぎりの闘いをして消耗した日本は、ワールドグランプリは捨ててもいい。

控え組や若手にチャンスが巡ってきた大会だったのですが、前述したように大活躍する選手は居なかった。

眞鍋監督は、がっかりしているんじゃないかな。

大活躍したら選ばれたと思うよ、12人の中に。

すでに書いたように、私は「女子バレーボールのオリンピック代表」となった12人に、納得と満足を覚えています。

これまでの日記で褒めてきた選手たちが、選ばれているからです。

バレーボールの玄人たちにとっては当然の結論なのかもしれないが、それでも嬉しい。

特に、大手メディアが訴えてきたストーリーと違う結論になったので、そこが気分が良い。「ざまあ見ろ」という心境です。

(大手メディアが訴えてきたストーリーとは、「木村と古賀が日本代表の中心かつ得点源であり、そのうち木村から古賀にエースの座が禅譲される」という、現実とはかけ離れた、本人達の意思とも無関係な、めちゃくちゃな物語です。)

正直なところ、司令塔であり高度な戦術眼が求められるセッターに、
「21歳の宮下」と「代表入りしたばかりの田代」が選ばれているので、メダルを狙うのはなかなか厳しいです。

だが、現在の日本ではベストの人材です。
この2人が、セッターの頂点にいる。

勝ちあがるための鍵になるのは、眞鍋監督も力説していますが、サーブとレシーブです。

サーブと守備(ブロックを含む)が安定すれば、失点は減り、攻撃は多彩になり、試合の主導権を握れて、世界の強豪とも互角にやれる。

今回のバレーボール女子代表には、とても感情移入しています。

私がこのホームページを設立してからもう4年になり、その間色々な提言をしてきましたが、ここまで提言を(助言を)受け入れてもらえたのは初めてだからです。

なでしこジャパンとザックジャパンでは、半分くらいの提言が受け入れてもらえた。

政界では、日本共産党も半分くらい受け入れてくれている。

(当人にその気は無いかもしれないが、結果的にそうなっている)

眞鍋ジャパンは、私が日記のページで述べてきた事を、85%くらい採用してくれている感じなのです。

だから、すっごく責任を感じています。

このチームが情けない結果に終わったら(オリンピック本番の予選リーグで敗退したら)、激しく落ち込むし、この場で謝るでしょう。

とても大切なチームになっているので、今回のオリンピックでは『女子バレーボールを最優先に』観戦します。

私は今まで、オリンピックでは1つの種目を特別視することはなく、TVを点けた時にやっている種目を見るか、夜のニュースで総集編を見るかでした。

でも今回は、バレーボールの日本代表戦は全試合を観るよ!

問題は、『TV放送してくれるか』ですね。

予選リーグに関しては、ノーカットで放送するか分からない。

でも、男子代表とビーチバレーの男女代表が、出場を逃したでしょ。
だから、放送枠が余っていると思うのです。

放送されたものは、録画機能を使いつつ、すべてを観ることにします。

で、試合ぶりから問題点や改善点を見つけたら、記事にして指摘します。

最後になりますが、女子代表について気になる話が1つあるので、それをおまけで書きます。

この記事の上の方で書きましたが、私はネットで女子代表の情報を集めました。

そうしたところ、面白い情報を1つ知ったのです。

私はだいぶ前から、「日本代表の守備力を上げるために、レシーブ能力の高い新鍋を入れよう」と訴えてきました。

それともう1つ、「ブロック能力も足りないので、岩坂名奈を入れよう」とも訴えてきました。

新鍋と岩坂は、Vリーグを代表する選手と言っていいほどに、実力があります。

特に新鍋は、以前は代表に定着していたし、誰もが認める選手です。

彼女が凄いのは、レシーブだけでない。
スパイクでも、器用に相対するブロッカーを利用でき、ブロックアウトや弱く当ててリバウンドを拾うのが上手い。

はっきり言って、レシーブ、ブロックアウト、リバウンド拾いの3つにおいて、日本一の選手です。

私には、なぜ新鍋と岩坂が代表入りしないのかが、全く理解できなかった。

この2人は久光スプリングスに所属しており、すでに同チームから長岡や石井が代表入りしているので、2人が加入すると『日本代表=久光スプリングス』みたいになる。

だが、勝つためにはそんな事は些細なことでしかない。

「なぜなんだよ。あの2人が居たら、確実に強くなるじゃないか。」と思ってきた。

そこに、インターネットから情報が飛び込んできた。

こんな裏話です。

「新鍋は、代表入りを拒否している。

 眞鍋監督がハイブリッド6をした時以来、その采配を毛嫌い
 しており、彼が監督である限り代表に入ることはない。

 岩坂は、新鍋の親友である。

 そのため、新鍋に同調して代表入りを拒否している。」

普通で考えたら、突拍子もない怪情報として無視する話です。

だが、ずっと疑問を持ち続けていた私は、妙に納得できた。
「あっ、そういう事!」と腑に落ちた。

確かに、ハイブリッド6はキワモノ感があったし、内心では疑問符や反感を持っていた選手がいたかもしれない。

結局、上手くいかず(継続できず)、今では「青春のほろ苦い思い出」みたいな記憶になっている。

新鍋は、頭の良い(悪く言うとずる賢い)プレイヤーで、相手チームの弱点を突くのが上手いし、戦術理解度の高いタイプです。
「バレーボールIQの高い選手」です。

だからこそ頼りになるのだが、それ故に、間違った采配にはいち早く違和感を持ちそう。

上記の説は、かなり信ぴょう性が高いと思う。

日本代表に入るなんて、誰もが喜びそうなものだが、どうも面倒に感じるタイプも居るらしい。

サッカーでオーバーエイジ枠の候補になった興梠も(結局は了承したが)、「オリンピックの期間もJリーグでは試合がある。オリンピックに行くと、その間にレギュラーの座を奪われるかもしれない」と考え、断ろうとした事が発覚しています。

私には理解しづらいのですが、世の中は実に広く、「日本代表」に想い入れのない人も居るのです。

バレーボールのオリンピック代表は、12人しか枠がありません。
単純計算で、日本は1億2千万人の人口だから、『1千万人に1人』の割合です。

『あなたは1千万人に1人の特別枠に選ばれました』と声をかけられる、恵まれた奇跡的な立場にいて、そのオファーを(いかなる理由があるにせよ)断るとはね。
こいつは驚いた。

色んな生き方があるし、どんなに光栄な話であれ、断る権利がそれぞれにある。

それは真実なのだが、『新鍋と岩坂のボイコット』にショックを受けたのも事実です。

あくまでも風聞の域をでない情報だが、状況を見ると説得力があるよ…。

チームメイトの座安、長岡、石井、古藤は代表入りしているのだから、そこらが仲介・仲裁してあげて。


日記 2016年7~9月 目次に戻る