バレーボール女子代表 オリンピック初戦
レシーブが酷すぎた
(2016.8.7.)

昨日の夜9時半から、リオ・オリンピックのバレーボール女子代表の初戦がありました。

相手は韓国で、グループリーグを上位で突破できるかがかかる重要な試合でした。

結果から言うと、日本はセットカウント1-3での完敗でした。

このままだとグループリーグの突破すら危うい、酷い試合内容です。

私は、7月3日の日記において、「試合を観て問題点を見つけたら、指摘します」と書いた。

その約束を守り、韓国戦を観ていて感じた事を書いていきます。

この試合を観戦した方は、ほとんどの人がこう思ったはずです。

『日本はレシーブ(特にレセプション)がきちんと出来ていない』

眞鍋監督は、「オリンピックではレシーブが重要になる」と明言し、合宿ではレシーブ練習を重視したと聞いています。

それなのに、その成果は全く見られず、レシーブがとても不安定でした。

特に酷かったのは、石井優希さんのレシーブです。

本人が一番分かっていると思うが、「あれじゃあ試合にならない」というほどの、最悪のレセプションを披露した。

オリンピック最終予選では、石井さんのレシーブは割と良かった。

だから解説者には、「石井はレシーブが安定している、彼女なら安心だ」と言う方もいた。

だが私は、彼女がVリーグでレシーブに苦戦するのを何度も見てきたので、懐疑的でした。

私はこれまで何度も、「石井はレシーブが下手」と指摘してきました。

下手なのはよ~く知っていたのですが、あそこまでレシーブで崩れた姿は、初めて見ましたね。

オリンピックという大舞台に出て、緊張していたのでしょう。

私は、「日本代表の弱点の1つは、ウイングスパイカーのレシーブ力だ」と何度も指摘してきました。

それに留まらず、「新鍋、近江、竹田の3人はレシーブ力が高いから、その中から1~2名を選出すべき」と、親切なアドヴァイスまでしていました。

だが、その助言は受け入れられなかった。

日本の乱れまくるレシーブを観ながら、「新鍋や竹田が居れば…。」と何度も思いましたよ。

石井よりも、古賀紗理那らオリンピック代表から漏れたウイングスパイカー達は、さらにレシーブが下手です。

もし古賀だったら、あれよりもさらに悲しい事態になっていたでしょう。

とにかく石井のレシーブが酷かったので、途中で控えの鍋谷友理枝と交代になった。

私は「少し遅かったが、正しい判断だぞ」と思ったのですが、なぜかその後、再び石井さんがコートに戻って、試合の終わりまで出場した。

これは、セッターについても同じで、宮下遥がいまいちなので、途中で田代佳奈美に交代になったが、再び宮下が戻り最後まで出た。

鍋谷と田代を出したのは、適切な判断だったと思うんですよ。

それを継続してほしかったのに、眞鍋監督は勇気がなかったのだと思うけど、出来なかった。

すごく残念でした。

他にも、ミドルブロッカーも試合途中で島村春世から山口舞に替わった。

こちらは、最後まで山口が出たけど、正しい判断だったと思う。

山口さんは、しばらく前まで膝の怪我で調子を落としていたが、この試合では良い動きを見せていた。

彼女は今、かなり調子が上がってきていると思う。

相手の高さにもよるけど、スタメンは荒木絵里香と山口のほうがいいかもしれない。

この試合では、木村沙織さんの不甲斐なさも目につきました。

ミスが多くて、スパイクには力がなく、調子の悪さがうかがえた。

そして試合の中盤になると、足をつってしまい、戦力にならなくなった。

チームを引っ張らなくてはならないキャプテンが、チームの足手まといになるという状態。

木村さんについては、仕方ない部分もある。

指の負傷が癒えず、練習も別メニューだったと聞いています。

正直なところ、試合に出すべきじゃなかった。

本来だと、木村が頼りにならない分、同じポジションの石井と鍋谷が頑張らなくてはならない。

ところが、石井はレシーブが絶不調で、鍋谷は監督から信頼されていない。

これは、非常にまずい状態です。

現状の木村の体調を考えると、重要な試合以外では温存するしかないでしょう。

石井と鍋谷に任せるしかない。

もし石井が復調しなければ、緊急措置として迫田さおりを左に置いて、右は長岡望悠1人に任せるという奇策に出るしかないです。

韓国戦を観る限りでは、長岡さんの調子はまずまずです。

彼女はスタミナがあるから、数試合にフル出場していっても何とかなる気がする。

もちろん疲労により調子は落ちてきてしまうでしょうが、それでも彼女ならそれなりの活躍はしてくれるはず。

迫田を使う場合、セッターは同じ東レでプレイする田代にした方がいいと感じています。

見ていて安心できるよ、このコンビのほうが。

同様に、山口を使う場合は、セッターは宮下のほうがいい。

この2人は、クイック攻撃に安定感がある。

韓国戦を観るかぎりでは、最も充実した顔とプレイをしていたのは、荒木と山口だった。

それに次ぐのが、長岡と迫田でした。

あとは、座安琴希はいつも通りに落ち着いていますね。

この5人は、安心して観ていられた。

出来ればこの5人を、スタメンで出したいですね。

セッターは、宮下と田代をコートにいるメンバーや試合状況を見つつ、臨機に替えていくのが良いと思います。

とにかく、レシーブの精度を上げていかないと、どうしようもない。

レシーブがきちんと出来る状態の人を、起用しましょう。

あと気になったのは、『3枚ブロックをしているのに、ちっともブロックを決められないこと』ですね。

相手のレシーブが乱れて、苦し紛れにトスを高く上げ、こっちは万全の態勢で3枚のブロックがつく。

どうみても勝てる場面なのに、ブロックが決まらず、ボールは後ろに飛んで日本のコートに落ちる。

この残念きわまりない事が、何度も起きていました。

ブロックが3枚跳ぶという事は、後ろには3人しか居ないという事です。

だから絶対にブロックを決めなければいけないのに、あっさりとスパイクを打たれて、がら空きのコートにボールが吸い込まれていく。

あれは痛々しかった。
必死で拾おうとするリベロらが、可哀相だった。

3枚跳んでもダメなら、むしろ2枚や1枚にして、レシーブの陣形を整えたほうがいいです。

3枚跳んだら確実に止めるか、あえて3枚跳ぶのをやめるか、はっきり決断したほうがいいと思う。

今日のところは、これで終わりにします。

守備力のアップに注力してきたのに、守備が崩壊して負けた韓国戦は、惨敗でした。

これに反省して、対策を講じないと、グループリーグでの敗退もあり得ます。

早くも正念場を迎えましたね。

守備が機能して躍動する日本を、一刻も早く見たいです。


日記 2016年7~9月 目次に戻る