昨日の夜9時半から、リオ・オリンピックのバレーボール女子代表の初戦がありました。
相手は韓国で、グループリーグを上位で突破できるかがかかる重要な試合でした。
結果から言うと、日本はセットカウント1-3での完敗でした。
このままだとグループリーグの突破すら危うい、酷い試合内容です。
私は、7月3日の日記において、「試合を観て問題点を見つけたら、指摘します」と書いた。
その約束を守り、韓国戦を観ていて感じた事を書いていきます。
この試合を観戦した方は、ほとんどの人がこう思ったはずです。
『日本はレシーブ(特にレセプション)がきちんと出来ていない』
眞鍋監督は、「オリンピックではレシーブが重要になる」と明言し、合宿ではレシーブ練習を重視したと聞いています。
それなのに、その成果は全く見られず、レシーブがとても不安定でした。
特に酷かったのは、石井優希さんのレシーブです。
本人が一番分かっていると思うが、「あれじゃあ試合にならない」というほどの、最悪のレセプションを披露した。
オリンピック最終予選では、石井さんのレシーブは割と良かった。
だから解説者には、「石井はレシーブが安定している、彼女なら安心だ」と言う方もいた。
だが私は、彼女がVリーグでレシーブに苦戦するのを何度も見てきたので、懐疑的でした。
私はこれまで何度も、「石井はレシーブが下手」と指摘してきました。
下手なのはよ~く知っていたのですが、あそこまでレシーブで崩れた姿は、初めて見ましたね。
オリンピックという大舞台に出て、緊張していたのでしょう。
私は、「日本代表の弱点の1つは、ウイングスパイカーのレシーブ力だ」と何度も指摘してきました。
それに留まらず、「新鍋、近江、竹田の3人はレシーブ力が高いから、その中から1~2名を選出すべき」と、親切なアドヴァイスまでしていました。
だが、その助言は受け入れられなかった。
日本の乱れまくるレシーブを観ながら、「新鍋や竹田が居れば…。」と何度も思いましたよ。
石井よりも、古賀紗理那らオリンピック代表から漏れたウイングスパイカー達は、さらにレシーブが下手です。
もし古賀だったら、あれよりもさらに悲しい事態になっていたでしょう。
とにかく石井のレシーブが酷かったので、途中で控えの鍋谷友理枝と交代になった。
私は「少し遅かったが、正しい判断だぞ」と思ったのですが、なぜかその後、再び石井さんがコートに戻って、試合の終わりまで出場した。
これは、セッターについても同じで、宮下遥がいまいちなので、途中で田代佳奈美に交代になったが、再び宮下が戻り最後まで出た。
鍋谷と田代を出したのは、適切な判断だったと思うんですよ。
それを継続してほしかったのに、眞鍋監督は勇気がなかったのだと思うけど、出来なかった。
すごく残念でした。
他にも、ミドルブロッカーも試合途中で島村春世から山口舞に替わった。
こちらは、最後まで山口が出たけど、正しい判断だったと思う。
山口さんは、しばらく前まで膝の怪我で調子を落としていたが、この試合では良い動きを見せていた。
彼女は今、かなり調子が上がってきていると思う。
相手の高さにもよるけど、スタメンは荒木絵里香と山口のほうがいいかもしれない。
この試合では、木村沙織さんの不甲斐なさも目につきました。
ミスが多くて、スパイクには力がなく、調子の悪さがうかがえた。
そして試合の中盤になると、足をつってしまい、戦力にならなくなった。
チームを引っ張らなくてはならないキャプテンが、チームの足手まといになるという状態。
木村さんについては、仕方ない部分もある。
指の負傷が癒えず、練習も別メニューだったと聞いています。
正直なところ、試合に出すべきじゃなかった。
本来だと、木村が頼りにならない分、同じポジションの石井と鍋谷が頑張らなくてはならない。
ところが、石井はレシーブが絶不調で、鍋谷は監督から信頼されていない。
これは、非常にまずい状態です。
現状の木村の体調を考えると、重要な試合以外では温存するしかないでしょう。
石井と鍋谷に任せるしかない。
もし石井が復調しなければ、緊急措置として迫田さおりを左に置いて、右は長岡望悠1人に任せるという奇策に出るしかないです。
韓国戦を観る限りでは、長岡さんの調子はまずまずです。
彼女はスタミナがあるから、数試合にフル出場していっても何とかなる気がする。
もちろん疲労により調子は落ちてきてしまうでしょうが、それでも彼女ならそれなりの活躍はしてくれるはず。
迫田を使う場合、セッターは同じ東レでプレイする田代にした方がいいと感じています。
見ていて安心できるよ、このコンビのほうが。
同様に、山口を使う場合は、セッターは宮下のほうがいい。
この2人は、クイック攻撃に安定感がある。
韓国戦を観るかぎりでは、最も充実した顔とプレイをしていたのは、荒木と山口だった。
それに次ぐのが、長岡と迫田でした。
あとは、座安琴希はいつも通りに落ち着いていますね。
この5人は、安心して観ていられた。
出来ればこの5人を、スタメンで出したいですね。
セッターは、宮下と田代をコートにいるメンバーや試合状況を見つつ、臨機に替えていくのが良いと思います。
とにかく、レシーブの精度を上げていかないと、どうしようもない。
レシーブがきちんと出来る状態の人を、起用しましょう。
あと気になったのは、『3枚ブロックをしているのに、ちっともブロックを決められないこと』ですね。
相手のレシーブが乱れて、苦し紛れにトスを高く上げ、こっちは万全の態勢で3枚のブロックがつく。
どうみても勝てる場面なのに、ブロックが決まらず、ボールは後ろに飛んで日本のコートに落ちる。
この残念きわまりない事が、何度も起きていました。
ブロックが3枚跳ぶという事は、後ろには3人しか居ないという事です。
だから絶対にブロックを決めなければいけないのに、あっさりとスパイクを打たれて、がら空きのコートにボールが吸い込まれていく。
あれは痛々しかった。
必死で拾おうとするリベロらが、可哀相だった。
3枚跳んでもダメなら、むしろ2枚や1枚にして、レシーブの陣形を整えたほうがいいです。
3枚跳んだら確実に止めるか、あえて3枚跳ぶのをやめるか、はっきり決断したほうがいいと思う。
今日のところは、これで終わりにします。
守備力のアップに注力してきたのに、守備が崩壊して負けた韓国戦は、惨敗でした。
これに反省して、対策を講じないと、グループリーグでの敗退もあり得ます。
早くも正念場を迎えましたね。
守備が機能して躍動する日本を、一刻も早く見たいです。