バレーボール女子代表 オリンピック第5戦
予選リーグ突破を決めたが、チームの士気は低いまま
(2016.8.15.)

本日の朝8時半から、リオ五輪のバレーボール女子・日本代表の5戦目がありました。

相手が格下のアルゼンチンだったため、そしてアルゼンチンの数人の選手が試合中に諦めムードになったため、日本は3-0で勝ちました。

この勝利を受けて、解説の大林さんやアナウンサー達は「チーム状態が上向いた」とか「日本は立ち直った」と言いました。

だが、私はそうは思わないです。

確かにレシーブは、ここまでの5試合で一番良かった。

だけど、相手がアルゼンチンだったからですよ。

もしロシアとかブラジルが相手だったら、あっさり負けていたと思う。

私はここ2年ほど女子バレーボールを真剣に観てきましたが、強豪国とアルゼンチンみたいな中級国ではレベルが全然ちがう。

アルゼンチンに対して良いプレイができたといっても、それが強豪国にはできないのです。

この現状認識が、解説者もアナウンサーも、そして木村沙織キャプテンら一部の選手も、出来てません。

私は、深刻な危機感を抱いています。

木村キャプテンは、アルゼンチンに勝利した後、笑顔全開になっていた。

格下に勝っただけなのに、まだ予選リーグを突破しただけなのに、次の相手は強国のアメリカなのに、満足しきっている。

私は、今回のオリンピックでは、バスケットボール女子代表の試合も観ています。

バスケ代表も、第5戦に勝利して、予選リーグを4位で突破したのですが、彼女達は試合後に笑顔を見せなかった。

次に当たるのが最強国アメリカなので、そこに勝つ事の難しさを理解し、喜びを見せるよりも気持ちを引き締めている感じだった。

バレーボール女子代表は、バスケ代表と状況は同じなのに、試合後に喜びを爆発させていた。

この意識(士気)の差は大きい。

試合後に笑顔全開となり、観客に手を振ったりしている木村沙織を見て、「ああ、アメリカ戦では勝てないな」と思いました。

あの士気では、99.99%、アメリカに負けるでしょう。

予選リーグを突破しただけであそこまで喜ぶのは、口では色々と言っていても、「私たちは予選リーグを突破できればOK」と思っているからです。

凄く悲しかったな、1ファンとして真剣にメダルを目指してきた私は。

私は、この日記において、様々な助言・提言をしてきました。

それは、バレーボール女子代表にメダルを獲ってほしかったから。

「セッターは、田代を正セッターにすべき」とか「ウイングスパイカーにレシーブの上手い選手を呼ぼう」とか言ってきたのは、メダルを獲れる可能性が高まると思ったからです。

アルゼンチン戦に出たセッター宮下は、いつも通りにトスが乱れていた。

この試合では、皆のレシーブがとても良くて、Aパスが(セッターが動かなくてもいいパスが)がんがんセッターに届いた。
それなのに、相手を惑わすトス・ワークは見られなかった。

もし田代なら、あれだけAパスが来たら、相手のブロックをきりきり舞いさせていたでしょう。

結局のところ、眞鍋監督は、自分の好きな選手である宮下や迫田や石井にこだわる道を選択しましたね。

長岡は調子は悪くないのに、アルゼンチン戦でも途中から外された。

確かに、長岡よりも迫田のほうが今は調子が良いよ。

でもさ、この2人が今の日本では最もスパイクを決められるのは、分かっていた事でしょ。

Vリーグを観ていれば、それは分かるじゃない。

迫田をここまで使いたいなら、私が以前に提言したように、迫田を長岡のバックアッパーにするのはやめて、迫田を左に置いて長岡と一緒に出せるようにすべきでしたよ。

日本で最もスパイク能力のある長岡が、ほとんどの時間ベンチにいるなんて、意味が分からないし、最悪の采配だと思う。

次の相手がアメリカで、日本の苦しい状況は変わっていないのに、「調子は上向いてきた」とか「日本らしいバレーが展開できている」という薄っぺらい浮ついた空気が、バレーボール関係者に満ちている。

アメリカに勝つ気ないでしょ、あなた達。

サッカーの男子A代表に顕著なのですが、格下に大差で勝利すると、「強くなった」と勘違いしてしまう。

で、調子に乗り、努力を放棄して、いつまでも強くならない。

この症状が、今のバレーボール女子代表にも見られるな。

厳しいことばかり言うのも疲れるので、最後にアルゼンチン戦で良かった事を書きましょう。

まず、リベロの佐藤さんが良かったです。

ここまでの5試合で動きが最も軽快だったし、イージーなボールはきちんと正確にセッターに渡していましたね。

8月11日の日記に書いたけど、レシーブで一番大事なのは膝の動き(下半身の柔らかい動き)です。

それを忘れないで下さい。

あとは、石井さんが復調してきた。
レシーブが安定してきたし、スパイクも決めていた。

とはいえ、相手が弱かったからという要素が大きく、次のアメリカ戦では元に戻る可能性がある。

アルゼンチン戦で気になったのは、レシーブの時に、他の人に任せたほうがいい場面でも強引に取りにいき、レシーブ・ミスして失点に繋がる事が数回あったこと。

その積極性は買うけど、守備の連係面でまだ不安要素があるな。


日記 2016年7~9月 目次に戻る