森友学園の不正問題は、ついに正式に捜査の対象となりましたね。
学園と近畿財務局に検察の捜査のメスが入ります。
正直なところ、私は検察に懐疑の目を向けています。
というのも、甘利明とその秘書が口利きをしている事実が発覚した時、証拠は十分に揃っていたのに見逃したからです。
あの時は、「なんて無能で根性なしなんだ、検察のバカ野郎! 権力の犬め!」と怒りに震えましたね。
今度も検察が情けない仕事ぶりを見せたら、国民は完全にそっぽを向くでしょう。
今回の森友騒動は、検察にとっても正念場と言えると思います。
きちんとすべての真実を掘り出してほしい。
森友問題では、まだまだ新しいネタが出続けています。
色々と勉強したので書きます。第5回目に突入です。
(以下はしんぶん赤旗日曜版2017年4月2日の記事から抜粋)
籠池泰典・理事長をよく知る人物
「籠池氏は、2015年9~10月ごろ、安倍昭恵氏の携帯電話に連絡した。
出なかったので留守番電話に、国有地についての要望を吹き込んだ。
すると後日、夫人付きの方から『昭恵さんにお電話いただいた件ですが、急ぎのようなのでこちらに文書を送って下さい』と電話がかかってきたそうです。」
これを受けて籠池は、自らの要望をノートに書き留めた。
編集部はそのノートの写しを入手したが、タイトルは『小学校敷地の件について』で、2015年10月26日付。
(この内容は、すぐ後で全文を紹介します)
籠池は、これをコピーして契約書などと一緒に送るように妻に指示した。
安倍昭恵側は、その手紙(要望書)に基づいて財務省に問い合わせて、回答をもらった。
安倍昭恵・首相夫人に付いていた政府職員の谷査恵子は、15年11月17日に森友学園の籠池氏にファックスを送った。
それは、国有地に関する籠池氏の要望について、財務省から得た回答を報告したものである。
〇 籠池泰典が安倍昭恵に送った手紙(要望書)
(※分かり易くするために、私が文章を少し直しています。内容は変えていません。)
小学校用地として、豊中市野田1501の国有地を、買売予約附きの定期借地として契約した。
国土交通省・航空局の土地で、交渉先は近畿財務局である。
当方は買収をしたかったが、資金調達の都合があって10年以内に購入を希望するとしたところ、10年定借という当方にとって切迫感のある契約となった。
事業用の定借というのは、長期間借りることで経営が安定するのだが、長期使用する必要がある学校という扱いを財務省はしていない。
非常に不安である。
学校の用地で定借10年は短すぎる(10年以内に買い取りできなければ建物を取り壊して現状に復することになる)。
10年で買い取るつもりであるが、事業環境が変わったりするのでやはり50年の定借として、早い時期に買い取るという形に契約変更したい。
買い取り価格もべらぼうに高いので、ビックリしている。
さらに現在、借地契約のあと(で分かった)土壌汚染や埋蔵物を撤去している。
本来、国が契約前に撤去するか、撤去をしている間は賃借料(月に250万円)が発生しないはずが、国との契約だから従ってもらわねばならぬという事で現在に至っている。
建物の建築時から借料が発生するのが本来であるのに、おかしいと思う。
契約前の段階では、近畿財務局と航空局との調整の中で、埋設物の撤去費用は学園側が立て替えをして、平成27年度予算で返金される約束であった。
それが27年度に予算化されていない事が9月末に発覚し、28年度当初に返金されるという考えられない事も生じている。
11月末に土壌工事が終わるのに、(支払いに)4ヵ月のギャップ(が生まれるの)はどう考えているのか。
航空局の人の感覚が変である。
4ヵ月利息は(どうなる)? 振り回されている。
安倍総理が掲げている政策を促進する為に、土地の賃借料を50%下げてもらえると有難いです。
新聞記事と当方の契約書を同封いたしますので、よろしくお願いします。
(以上が要望書の全文です。
この手紙については、政府も数日後に発表して本物だと認めています。)
この要望に対し、安倍昭恵側(谷査恵子)からの返事のファックスでは、「10年の定借は短くない」「28年度予算で措置する方向」と答えている。
それだけ見ればゼロ回答に思えるが、この後、賃料は月額100万円ほど(半額)に下がり、土地は8.2億円も値引きされて売却されることになった。
古賀茂明(元経産省の官僚)
「官僚(役所)の世界では、ゼロ回答なら『大変申し訳ない』と丁寧に言いつつ、『なにとぞご理解ください』などと話の打ち切りを明記します。
なのに(昭恵側からのファックスでは)、『見守ってまいりたい』『何かあればご教示ください』と書いている。
財務省にも、この用地が『首相夫人の案件』だとしっかり伝わったのでしょう。
結果として、森友側の要望を支援する形になった。
首相夫人付きの職員が、この問い合わせ(口利き)を個人的に行ったという事は、絶対にあり得ない。」
近畿財務局OB
「首相夫人付という肩書で問い合わせる以上、絶対に個人的な行動ではない。
職員(谷査恵子)は必ず、昭恵氏に『自分が動いていいか』と確認をとる。
公務員は自分の行動が正当だということの担保を残そうとする。
一人で判断して動くなどあり得ない。
トカゲの尻尾切りに遭った職員は、ものすごく気の毒だ。」
鑑定官OB
「国家公務員が『首相夫人付の職員』から問い合わせを受けたら、ドキッとするし必ず上司に報告する。
ファックスは予算措置にまで言及している。
財務省の理財局だけでなく、主計局などともすり合わせないと書けない内容だ。」
落合洋司(元東京地検の検事)
「籠池氏の証人喚問や国会審議を通して、安倍首相の言う『私も妻もまったく関係ない』という説明はだいぶ崩れてきた。
こうなったら、昭恵氏本人が証人として(国会で)説明すべきでしょう。」
(以下はリテラ2017年3月26日の記事から抜粋)
籠池泰典・理事長の証人喚問の後、焦った安倍政権は、籠池の妻・諄子と安倍昭恵のメールのやり取りを公開した。
「私が関わったという事は、裏で何かがあると疑われないように、細心の注意を払わなくてはならないということだったのでしょう」
2月25日に昭恵から諄子に送られたこのメールについて、籠池泰典は国会で「口止めとも受け取れる」と語っている。
2人のメールのやり取りの中で本サイトが気になったのは、3月10日の『昭恵の送信メール』に小川榮太郎の名があった事である。
「小川榮太郎さんがFB(フェイスブック)で反論しています。少しづつこの状況が異常だということになってくるはずです」
小川は、2012年秋に『約束の日 安倍晋三試論』という安倍ヨイショ本でデビューした文芸評論家だ。
「正論」や「Hanada」といった極右雑誌に寄稿している。
彼は、『放送法遵守を求める視聴者の会(視聴者の会)』という安倍政権を応援する組織(※言論弾圧をする組織でもある)の事務局長を務めている。
視聴者の会は、2014年の安保法案でメディアが様々な報道をした時、放送法を曲解して、NEWS23のアンカーだった岸井成格に「偏向報道をしている」といちゃもんをつけた。
その結果、岸井は降板となった。
小川榮太郎は、森友問題が盛り上がると、3月9日にフェイスブックにこう投稿した。
「塚本幼稚園の経営者や教育方針を異常に見せて社会的廃業に追い込む手口は、これ以上放置しては自由社会の否定。
テレビメディアが今している事は、人倫上の深刻な罪ではないか。」
彼は森友問題を、テレビメディアの過熱報道の問題にすり替えようとした。
小川は同日の別の投稿では、「視聴者の会の活動を改めてグレードアップしないとならないようだ。(中略)電波停止への規制強化が必要となるのか」と書いている。
こんな投稿を評価する安倍昭恵の感覚は、本当に危うい。
籠池諄子から「小川さんを紹介して下さい」と頼まれた後、安倍昭恵は次のメールを返信している。
「小川さんが(諄子さんに)お電話されたようですが、繋がらず留守電にもならなかったと言われていたので、(小川さんの)携帯番号をお教えします。(このあと電話番号が続く)」
このやり取りから分かるのは、『小川と昭恵がベタベタの関係であること』だ。
それなのに小川は、(安倍晋三が主導する)安保法案に異を唱えるキャスターを「公正中立に反する」「偏向だ!」とがなり立てて批判していたのだから、心底あきれる。
週刊文春3月9日号では、塚本幼稚園の元PTA会長である川田裕介が、小川と面識があると明かした上で、こう語っている。
「2012年4月には、六本木の『豚組 しゃぶ庵』の個室で、安倍さん、SP、秘書の初村滝一郎さん、小川さんら、8人で食事をしました。」
小川は、籠池の証人喚問後は態度を一変させて、籠池をこき下ろす投稿をしている。
「籠池氏で悪質なのは、昭恵夫人から100万円を寄付金として受け取ったという話」「総理夫妻が全面否定し(ていて)、もらったと主張している人物(籠池)は嘘だらけ」「あべこべで、しかも信憑性の乏しい話」
自分の親分(安倍晋三)が手の平を返したので、それを見習ったのだ。
(NEWSポストセブンweb 2017年3月6日の記事から抜粋)
籠池佳茂(籠池理事長の長男)の話
「父は、安倍晋三先生の熱狂的な支持者で、安倍政権ができた時は日本が良くなると本当に喜んでいた。
父の気持ちは、安倍先生にも伝わっていたと思います。
だからこそ父のことを『立派な教育者だと聞いている』と(国会の場で)で言った。
それがいまや安倍先生から、『しつこい』とか『教育者としていかがなものか』とまで言われ、父がどんなにショックを受けているか。
私は、父の代理で安倍先生と会った事があります。
2012年9月の自民党総裁選の時、大阪のリーガロイヤルホテルで『籠池です。父の名代として来ました。くれぐれもよろしく伝えてくれと言われています。応援しています。』と挨拶して、父の名刺を渡しました。
安倍先生はその名刺を、隣にいた秘書の方に渡してました。
実は、その前に直接、電話をもらった事があります。
父が安倍先生を塚本幼稚園の講演会にお呼びしたが、急のキャンセルになったと私の携帯電話にお詫びの連絡が入ったのです。
間に入った人が、父と間違えて私の番号を教えたようなので、父の番号を伝えました。
私は大卒後、山谷えり子先生の事務所で半年ほどカバン持ちをしました。
(落選中だった)山谷先生が、自民党から参院選に出馬する頃です。
日本会議が初めて選挙で推薦したのが山谷先生で、椛島有三(日本会議の事務総長)に連れられて、東京の事務所で紹介されたのがきっかけです。
事務所に出入りしたのは半年間で、次は東京で連合系の労働組合の職員になりました。
安倍先生にお会いしたのはその後です。」
質問者
「中山成彬・元文科相は森友学園について、『教育勅語を斉唱させている幼稚園ということで視察したが、経営者が勅語の精神を理解していない』と、ツイッターで批判しましたね。」
籠池佳茂
「中山さんも講演にいらした事があり、参観して朝礼から見てもらった。
応援してくれていた1人だと思っていたが、今では手の平返しですから。
稲田朋美先生も、父は彼女が政界に出馬した時から応援していましたが、(森友問題の発覚後に)ハシゴを外してきました。」
(リテラ2017年4月2日の記事から抜粋)
森友学園で忘れてはならない事は、安倍夫妻、稲田朋美・防衛大臣、鴻池祥肇・議員らが、学園の教育方針を讃美していたことだ。
その教育方針について、3月30日に森友学園は「改善していく」との声明文を発表した。
籠池町浪・新理事長の名義で発表されたのだが、その中にはこんな一文がある。
「これら(森友学園が行ってきた教育)は全て、教育基本法が平18年(2006年)に改正された際に新たに設定された『我が国と郷土を愛する態度を養う』との教育目標を、幼児教育の現場で生かそうとした前理事長なりの努力と工夫の結果と理解しています。」
つまり、教育勅語の暗唱といった極右教育について、『第1次・安倍政権が作った改正教育基本法を実践したものである』と説明したのだ。
声明文では、こう宣言している。
「改正教育基本法に基づく指導法を批判的に総括し、教育基本法が昭和22年(1947年)に制定された際に示した『個人の尊重を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期して、普遍的かつ個性豊かな文化の創造をめざす教育を普及する』との指針を念頭に置きつつ、カリキュラムを柔軟に見直してまいります。」
要するに森友学園は、これまでの教育は安倍政権の政策を強く反映したものとした上で、その教育を否定し改善していくと決めたのだ。
振り返れば、第1次安倍政権は教育基本法を60年ぶりに全面改定しようとし、数多の批判を受けながら強行成立させた。
その中身は、前文だけでも、「真理と平和を希求する」が「真理と正義を希求し」に変わった。
さらに「個性」が消されて、「公共の精神を尊び」が入った。
こうした内容は、個人の基本的人権を制限して公益(国家)を優先させるという、自民党の改憲草案を先取りしたものである。
2006年の改正教育基本法は、教育勅語の現代版を目指したものだ。
それ故に、極右陣営から絶賛された。
たとえば当時の日本会議の会長だった三好達は、「日本会議の10年の運動で最大の成果」と評し、「これは改憲の世論形成のためだ」と語っている。
安倍政権は、教育勅語の暗唱が問題視される中、「教育勅語は、憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることまでは否定されない」との答弁書を閣議決定した。
彼らは、今後も極右の洗脳教育をしていきたいのだ。
(日刊ゲンダイDIGITAL2017年4月3日の記事から抜粋)
安倍政権は先月末に、教育勅語について「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることは否定しない」という答弁書を閣議決定した。
だが教育勅語は、軍国主義の礎になったとの反省から、1948年に国会で排除・失効が決議されている。
(安倍政権の国会軽視は、こんな所にも表れていますね。)
12歳の時に敗戦をむかえた、筑波大学名誉教授の小林弥六は言う。
「われわれの少年時代は、学校内の奉安殿に天皇と皇后の御真影(写真)と教育勅語が納められていて、日常的に教育勅語を暗唱させられた。
それで完全に洗脳されて、大きくなったら軍人になってお国のために戦い、天皇のために命を捧げると信じ込んでいました。
教育勅語は社会に広く浸透し、国家主義の道徳観の柱になっていた。
国民には批判の自由もなかった。
それが軍国主義と無謀な戦争につながったのは疑いようがない。
戦中派からすれば、教育勅語の復活は恐ろしく、戦争の教訓が雲散霧消してしまう状況は悲しい。
暗黒日本のテーゼ(綱領)が復活しようとは。」
塚本幼稚園で園児たちが、教育勅語を暗唱し、「安倍首相がんばれ! 安保法制、国会通過よかったです!」と運動会で宣誓する姿に、多くの国民は戦慄した。
そして安倍政権と共通するおぞましさを、直感的に感じ取った。
作家の中島京子は4月2日の毎日新聞のコラムで、森友事件についてこう書いた。
「森友学園を支えてきたのが、戦時中の思想に帰ろうとする政治運動であることは、もう誰も否定しないだろう。
恐ろしいのは、その政治運動に賛同する政治家たちが、日本の教育を変えようとしている事実だ。
森友への関与が取り沙汰された政治家は、一人として教育勅語を否定せず、擁護する発言が相次いだ。
安倍政権の中枢にある政治家や官僚が、偏ったイデオロギーに染まり、国有地を使って信奉するイデオロギーを実践する施設(小学校)を造ろうとした。
そういう事件に私には見える。」
森友学園は、理事長が交代して「1947年制定の教育基本法を念頭に、カリキュラムを見直していく」と発表し、教育勅語からの決別を宣言した。
ところが安倍政権は、教育勅語の教材使用を目指す閣議決定をした。
戦前の教育に固執しているのは、森友学園よりも安倍政権のほうなのである。
安倍政権が先月末に告示した『幼稚園の新教育要領』には、「伝統的な行事、国歌に親しむこと」が加えられた。
そして『中学校の新学習指導要領』では、体育に「銃剣道」が新たに盛り込まれた。
三好徹(作家)
「銃剣を中学生に教えるなんて信じられない。
旧日本軍の訓練に用いられた銃剣術は、白兵戦で人を殺すための術です。
日本古来の武術ではないし、礼儀を重んじる剣道や柔道とは根本的に性質が違う。
戦前の国家主義を美化する安倍政権の右翼路線は、目に余ります。
教育勅語の復活と共に国家システムまで変えようという蛮行は、絶対に許してはなりません。」
自民党の安全保障調査会は3月30日に、敵基地を攻撃する能力の保有と、高高度防衛ミサイル・システムの導入を提言し、先制攻撃の実現化を求めた。
憲法の専守防衛の原則は、どんどん空洞化されようとしている。
小林弥六
「安倍政権は周辺国の脅威を煽り、それを利用して戦前へ回帰しようとしている。
道徳の教科化によって、小中学校で国家主義の道徳心を植え付けようとしている。
大学の自治も無視して、教育現場への介入を強めている。
日本中の学校を森友学園にしようとしているのです。
自民党が審議入りを狙っている共謀罪も、軍国主義の発想そのものです。」