(『これならわかるベトナムの歴史』から抜粋)
アメリカ軍はベトナム戦争中、北ベトナム側のゲリラ作戦に悩まされ、枯葉剤を使ってジャングルを無くそうとした。
猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤を、アメリカ軍は南ベトナムの各地に、7200万リットルも空から撒いた。
アメリカ政府は、「木を枯らすだけで、人体には何の影響もない」との嘘を、10年間もつき続けた。
アメリカ軍が枯葉剤を撒いたのは、相手の食糧を絶つために作物を全滅させるためと、ゲリラの隠れる場所をなくすためだった。
枯葉剤は、サイゴン政府軍(南ベトナム政府軍)やアメリカ軍、そして何十万人もの民衆の頭の上にも降ってきて、深刻な人体への被害が生じた。
枯葉剤のダイオキシンは、体内に入ると外に出ない。
体内に蓄積されていく。
そして、病気や死を招くのである。
戦後のベトナムでは、奇形児や死産をする赤ちゃんが多発した。
ダイオキシンが怖いのは、遺伝子を壊してしまう事である。
帰国後に身体に変調をきたして、裁判を起こしたアメリカ兵もたくさん出た。
そして裁判の過程で、枯葉剤が原因だと明らかになった。
(2014.5.19.)