(『これならわかるベトナムの歴史』から抜粋)
1929年にアメリカで起きた大恐慌の波は、インドシナにも押し寄せた。
それまで100kgあたり11ピアストルだったコメは、3.3ピアストルに下落した。
生ゴムも、1kgあたり6.9フラン→2.5フランに下落して、作付け面積は6340ヘクタールから650ヘクタールへと激減した。
こうした輸出品生産の激減は、失業と賃金低下をもたらした。
その一方では、インドシナ総督が大土地所有者には安い利息で資金を貸し付け、土地が一部の大地主に集中するようになった。
ゴム園にも低利で金を貸し付けたため、一部の企業は莫大な利益を上げた。
(2014.3.21.)